いい音爆音アワー vol.123「バクオン洋邦歌合戦 BOYS編」

2022.1.21 21:15

いい音爆音アワー vol.123　「バクオン洋邦歌合戦 BOYS編」

2022年1月12日（水）＠ニュー風知空知

「歌合戦」という言葉、おそらく昔は、和歌を詠み合って、どちらが優れているかを競う試合のことをそう呼んだのだろうなどと、思い込んでいたのですが、改めて調べてみると、それは「歌合[うたあわせ]」といい、「歌合戦」という単語は広辞苑などにも載っておりません。どうやらNHKの造語のようです。よく考えましたよね。前時代的ではありますが、そのぶん風格があります。
ま、ともかく、それを勝手にお借りして、こちらは「洋邦歌合戦」を企画してみました。海外と国内のシンガー対決ということですね。といっても、私が自分の基準で選んだだけですから、要するにこういう切り口で、いい歌を聴こう♪というだけの話なのですが。でもまあ、組み合わせるシンガーのタイプは一応なんとなく合わせてみたりして、なかなか楽しめるものになったかな、と思っています。
当然ながら、海外の方が人材はずっと豊富なので、圧倒的に有利なはずですが、それでも「邦組」はかなり“闘える”布陣となりました。すべて聴き終わったあと、お客さんたちに挙手で、洋邦どちらがよかったかを表明してもらうと、わずか1票差で「洋組」の勝ち。私も互角だなと感じていて、改めて、日本人シンガーたちもなかなかのものだと見直したりなんかしました。
なるべくいろんな人に登場してもらうために、BOYS編とGIRLS編で分け、2ヶ月に渡る企画になっています。今回は男性シンガーが洋邦それぞれ8人ずつです。

ふくおかとも彦 [いい音研究所]

※邦楽→洋楽で1セット。これを8セット組みました。

邦①岡村靖幸「どぉなっちゃってんだよ」
歌のうまさに加え、アクの強さにハマったらもう抜け出せない。詞曲のデキも最高。
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  12th シングル（1990年7月21日発売）
  4th アルバム『家庭教師』（1990年11月16日発売）収録
  作詞・作曲・編曲：岡村靖幸
  レーベル：EPICソニー
  オリコン34位　アルバムは7位
  ＊vocal: 岡村靖幸（おかむら・やすゆき）
  1965年8月14日、神戸市生まれ。
  
  ・1985年、19歳で、渡辺美里に「GROWIN' UP」を提供して、作曲家デビュー
  ・1986年12月、シングル「OUT OF BLUE」にてデビュー。この4thアルバムまではコンスタントに1年に1作、アルバムをリリースしてきたが、この後5年間もブランクがある。

洋①Maroon 5 (Adam Lavine)「Sugar」
地声からファルセットへの切り替えがよどみなく美しく、ファルセットも力強い。
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  第3弾シングル（2015年1月13日発売）
  5th アルバム『V』（2014年8月29日発売）収録
  作詞・作曲：Adam Levine, Joshua Coleman, Lukasz Gottwald, Jacob Kasher Hindlin, Mike Posner, Henry Walter／プロデュース： Ammo, Cirkut
  レーベル：Interscope Record
  全米2位　アルバムは全米初登場1位
  ＊vocal: Adam Levine（アダム・レヴィーン）
  1979年3月18日、米国ロサンゼルス生まれ。
  
  ・『V』は、A&M OctoneからInterscope Recordsへ移籍後第1弾アルバム。
  ・“Maroon 5”現メンバー：　
  アダム・レヴィーン(Adam Levine / vo,g)
  ジェシー・カーマイケル(Jesse Carmichael / key)
  ジェームス・バレンタイン(James Valentine / g) 2001〜
  マット・フリン(Matt Flynn / dr) 2006〜
  PJモートン(PJ Morton / key) 2014〜
  サム・ファーラー(Sam Farrar / key, b, g) 2016〜
  ※ミッキー・マデン(Mickey Madden / b)は2020年に脱退

邦②中井昭・高橋勝とコロラティーノ（中井昭）「思案橋ブルース」
知る人ぞ知る極上の“マシュマロ・ヴォイス”。だけど売れたのはこの曲のみ。
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  1st シングル（1968年4月25日発売）
  作詞・作曲：川原弘／編曲：川口真
  レーベル：日本コロムビア
  オリコン3位
  ＊vocal: 中井昭（なかい・あきら）
  1936年7月8日、下関市生まれ。
  1984年2月19日、死去。47歳没
  
  ・作者の川原弘はコロラティーノのメンバー（トランペット、フルート）。
  ・コロはラテン語でコーラスの意味。またリーダーの高橋勝のニックネームがコロ。ラティーノは「ラテンの」という意味。

洋②Humble Pie (Steve Marriott)「Anna (Go to Him)」
中井と同様、天然ファルセット・ヴォイスだけど、とってもソウルフルなのが持ち味。
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  7th アルバム『Thunderbox』（1974年2月発売）収録
  作詞・作曲：Arthur Alexander／プロデュース：Steve Marriott
  カヴァー：オリジナルはArthur Alexander（1962年9月17日発売）。The Beatlesも1st アルバム『Please Please Me』（1963年3月22日発売）でカヴァー。
  レーベル：A&M
  アルバムは全米52位
  ＊vocal: Steve Marriott（スティーヴ・マリオット）
  1947年1月30日、ロンドン生まれ。
  1991年4月20日、タバコの不始末で焼死。44歳没。
  
  ・"Humble Pie"は、“Small Faces”にいたスティーヴ・マリオット(Steve Marriott)と、“The Herd”にいたピーター・フランプトン(Peter Frampton)らによって、1969年結成。アルバム8枚を発表して75年に解散。フランプトンは71年10月脱退。

邦③内山田洋とクール・ファイブ（前川清）「すべてを愛して」
極端な後ノリなんだけど絶妙にリズムは崩れない、“ずらしグルーヴ”の名手。
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  7th シングル（1971年1月10日発売）
  作詞：川内康範／作曲：鈴木淳／編曲：森岡賢一郎
  レーベル：RCA（日本ビクター）
  オリコン24位
  ＊vocal: 前川清（まえかわ・きよし）
  1948年8月19日、長崎県佐世保市生まれ。
  
  ・1969年2月5日、「長崎は今日も雨だった」でデビュー。「逢わずに愛して」(1969)、「噂の女」（1970年）、「そして、神戸」（1972年）、「中の島ブルース」（1975年）など、ヒットを連発した。

洋③Otis Redding「Change Gonna Come」
魂の叫び。「ソウルフル」という言葉はこの人の歌声のためにある。
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  3rd アルバム『Otis Blue/Otis Redding Sings Soul』（1965年9月15日発売）収録
  作詞・作曲：Sam Cooke／プロデュース：Jim Stewart, Steve Cropper
  カヴァー：オリジナルはSam Cooke。シングル「Shake」のB面（1964年12月22日発売）（表記は「A Change Is Gonna Come」）
  レーベル：Volt (Stax)
  アルバムは全米75位、R&B 1位、全英6位
  
  ＊vocal: Otis Redding（オーティス・レディング）
  1941年9月9日、ジョージア州ドーソン生まれ
  1967年12月10日、飛行機事故で死去。26歳没。

邦④松山千春「恋」
「紅白」には「トリなら出る」として出場を辞退し続けているというツワモノ。
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  8th シングル（1980年1月21日発売）
  作詞・作曲：松山千春／編曲：清須邦義
  レーベル：キャニオン
  オリコン6位
  ＊vocal: 松山千春（まつやま・ちはる）
  1955年12月16日、北海道足寄[あしょろ]郡足寄町生まれ。
  
  ・1977年1月25日、「旅立ち」でレコードデビュー。
  ・「恋」はキャニオン時代最後のシングル。次作からはNEWSレコード。

洋④The Police (Sting)「Roxanne」
いろいろいい曲ありますが、デビュー当時の素朴でやんちゃな歌唱をどうぞ。
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  2nd & 先行シングル（1978年4月7日発売）
  1st アルバム『Outlandos d'Amour』（1978年11月2日発売）収録
  作詞・作曲：Sting／プロデュース：The Police
  レーベル：A&M
  （79年4月12日再発時に）全英12位
  ＊vocal: Sting（スティング）
  1951年10月2日、イングランド・Wallsend生まれ。
  
  ・イントロのピアノの不協和音は、スティングが間違えて座ってしまった際の音。

邦⑤宮本浩次「Sha・la・la・la」
ビブラートのない歌唱が好き。力強いシャウトができるのに、ファルセットも美しい。
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  シングル（2021年6月16日発売）
  ソロ3rd アルバム『縦横無尽』（2021年11月13日）収録
  作詞・作曲：宮本浩次／プロデュース：小林武史
  レーベル：ユニバーサル・シグマ
  オリコン5位　アルバムはオリコン2位
  ＊vocal: 宮本浩次（みやもと・ひろじ）
  1966年6月12日、東京都北区赤羽生まれ。
  
  ・テレビ朝日系木曜ドラマ「桜の塔」主題歌
  1981年、宮本、石森敏行(g)、冨永義之(dr)を含む中学のクラスメートで”エレファントカシマシ”結成。
  1986年、冨永の高校時代の同級生だった高緑成治(b)が加入し、現在のメンバーとなる。
  同年12月、「CBSソニー SDオーディション」に入賞。
  1988年3月21日、EPICソニーより、シングル「デーデ」、アルバム『THE ELEPHANT KASHIMASHI』でデビュー。
  2018年6月6日、23rd アルバム『WAKE UP』リリース以降、エレファントカシマシ名義の作品はない。
  2019年2月12日、初ソロ作品、シングル「冬の花」をリリース。

洋⑤Wilson Pickett「Mercy, Mercy」
シャウトさせたらこの人に敵う人はいないでしょう。
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  3rd アルバム『The Exciting Wilson Pickett』（1966年8月発売）収録
  作詞・作曲：Don Covay, Ronald Alonzo Miller／プロデュース：Jerry Wexler, Tom Dowd
  カヴァー：オリジナルは“Don Covay and the Goodtimers”のシングル（1964年8月発売）
  レーベル：Atlantic
  アルバムは全米21位、R&B 3位
  ＊vocal: Wilson Pickett（ウィルソン・ピケット）
  1941年3月18日、米国アラバマ州プラットヴィル生まれ。
  2006年1月19日、心臓発作にて死去。64歳没。
  
  ・drums: Roger Hawkins / bass: Albert "Junior" Lowe / guitar: Jimmy Johnson, Chips Moman, Tommy Cogbill / piano: Spooner Oldham / t-sax: Andrew Love, Charles Chalmers

邦⑥山下達郎「悲しみのJODY (She Was Crying)」
この曲、どこまでも高く伸びてゆくファルセットが圧倒的。
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  7th アルバム『MELODIES』（1983年6月8日発売）収録
  作詞・作曲・プロデュース：山下達郎
  レーベル：アルファ･ムーン（移籍第1弾）
  アルバムはオリコン1位
  ＊vocal: 山下達郎（やました・たつろう）
  1953年2月4日、東京都豊島区池袋生まれ
  
  ・t-sax: 井上大輔／その他楽器すべて：山下達郎

洋⑥Aaron Neville「Bridge Over Troubled Water（明日に架ける橋）」
“ヨーデル・ソウル”というか実に独特な歌い方。とろけるようなファルセットもナイス。
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  9th アルバム『Devotion』（2000年8月29日発売）収録
  作詞・作曲：Paul Simon／プロデュース：Steve Lindsey & Aaron Neville
  カヴァー：オリジナルは“Simon & Garfukel”のシングル（1970年1月20日発売）
  レーベル：Chordant
  アルバムはビルボードGospelチャート7位
  ＊vocal: Aaron Neville（アーロン･ネヴィル）
  1941年1月24日、米国ルイジアナ州ニューオーリンズ生まれ。

邦⑦大滝詠一「さらばシベリア鉄道」
サビの「12月の旅人よ」という部分の歌いまわしが絶品です。特に2番。
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  第3弾シングル（1981年10月21日発売）「A面で恋をして」と両A面
  アルバム『A LONG VACATION』（1981年3月21日発売）収録
  作詞：松本隆／作曲：大瀧詠一／編曲：多羅尾伴内
  レーベル：CBSソニー
  オリコン14位　アルバムはオリコン2位
  ＊vocal: 大滝詠一（おおたき・えいいち　本名：大瀧榮一）
  1948年7月28日、岩手県江刺郡梁川村（現：奥州市江刺区）生まれ。
  2013年12月30日、死去。65歳没。

洋⑦Neil Young「Heart of Gold（孤独の旅路）」
鼻声なのに抜けがいい。とにかく個性的で、どこで聴いても一発でわかるよね。
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  先行シングル（1972年1月発売）
  4th アルバム『Harvest』（1972年2月14日発売）収録
  作詞・作曲：Neil Young／プロデュース：Elliot Mazer, Neil Young
  レーベル：Reprise
  全米1位、全英10位、オリコン28位　アルバムは全米1位、全英1位、オリコン6位
  ＊vocal: Neil Young（ニール･ヤング）
  1945年11月12日、カナダ・トロント生まれ。
  
  ・drums: Kenny Buttrey / bass: Tim Drummond / guitar: Teddy Irwin / pedal steel guitar: Ben Keith / backing vocals: James Taylor, Linda Ronstadt

邦⑧サザンオールスターズ（桑田佳祐）「涙のアベニュー」
日本語詞を英語風発音で歌うのは嫌いだけど、この人は気にならない。グルーヴがいいから？
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  6th シングル（1980年2月21日発売）
  3rd アルバム『タイニイ・バブルス』（1980年3月21日発売）収録
  作詞・作曲：桑田佳祐／プロデュース：サザンオールスターズ
  レーベル：Invitation（ビクター音楽産業）
  オリコン16位　アルバムはオリコン2週連続1位
  ＊vocal: 桑田佳祐（くわた・けいすけ）
  1956年2月26日、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。

洋⑧Queen (Freddie Mercury)「Don't Stop Me Now」
声そのものにスピード感とゴージャス感が備わっているような気がする。
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  第2弾シングル（1979年1月26日発売）
  7th アルバム『Jazz』（1978年11月10日発売）収録
  作詞・作曲：Freddie Mercury／プロデュース：Queen, Roy Thomas Baker
  レーベル：EMI(UK) / Elektra(US)
  全英9位、全米86位　アルバムは全英2位、全米6位
  ＊vocal: Freddie Mercury（フレディ・マーキュリー）
  1946年9月5日、ザンジバル保護国ザンジバルシティ、ストーン・タウン生まれ
  1991年11月24日、HIVによる免疫不全が引き起こしたニューモシスチス肺炎にて死去。45歳。