【インタビュー】BLACK IRIS「逆境を乗り越えて強くなった新しい9人のBLACK IRISを見せていきたい」

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2020年9月に7人から11人体制となった、メンズダンスヴォーカルグループ・BLACK IRIS。彼らの2年2ヶ月ぶりの新作となる1stシングル「Head Shot」が1月11日にリリースされた。同作はBillboard JAPANチャート Top Singles Salesで初登場1位及びオリコンウィークリーチャートで2位を獲得。この快挙は2年2ヶ月間で彼らとファンが深めてきた信頼関係が数字となって表れた結果と言っていいだろう。そしてこのシングルをもって西 玲人と山之井 歩がBLACK IRISとしての芸能活動を終了。奇しくもこの11人が揃う最初で最後の作品となった。残るメンバー9人は現在どのような心境のもと『Head Shot』という作品、そしてBLACK IRISと向き合っているのだろうか。代表して今作の作詞作曲に参加した杉本琢弥と、2020年に加入した長島翔平と佐原至恩の3名に話を聞いた。

■いつか世の中がコロナ禍前に戻ったときに
■声を出せるようにと願いを込めて


――11人体制の最初の作品が1月11日にリリース。縁起がいいですね。

杉本琢弥(以下、杉本):あ、本当だ! 11人で11日……。全然気付いてなかったです(笑)。どうやらうちの母によると2022年1月11日は年に1回あるかないかくらいの開運日だったらしくて。

佐原至恩(以下、佐原):一粒万倍日と天赦日が重なった日だったらしいね。おまけに2022年1月11日って、222と111だし。

長島翔平(以下、長島):すげえ! 縁起がいいだけでなくこんだけゾロ目も揃って、おまけにメンバーの数まで揃うなんてなかなかないよね。

――そんな1stシングル『Head Shot』は、1stミニアルバム『METEOR』以来2年2ヶ月ぶりのリリースです。オリジナルメンバーである杉本さんにとって、この2年2ヶ月はどんな期間になったでしょう?

杉本:5人体制から7人体制になって、BLACK IRISにとって初作品である2019年12月に『METEOR』をリリースして、ここからというタイミングでコロナ禍に入って……あきらかに勢いが止まったことを実感したんです。でもファンの子たちが制限が多いライヴにも足を運んでくれて。おまけに世間体を考えると、ライヴに足を運ぶことは大変だったと思うんです。それでもみんな僕らについてきてくれて、“チャートで1位を獲得したい”という目標も一緒に追いかけてくれた。本当に励みになりましたね。


▲杉本琢弥

――長島さんと佐原さんを含む5人のメンバーさんは2020年9月に加入なさったので、コロナ禍での活動経験のみなんですよね。

長島:そうです。ライヴは感染症対策を取りながら続けていたんですけど、CDをリリースするタイミングがなかなか定まらなくて、もどかしい気持ちもありました。だからこうやってCDをリリースして、セールスチャートでしっかり結果が出たことで“ここまでやってきて良かったな”とあらためて思いましたね。

佐原至音:僕らが加入する前から人気のグループだったので、足を引っ張りたくないという気持ちが大きくて。加入当初はプレッシャーがありました。あとはかっこいい子たちばっかりなので、どうやって自分の個性を出していこうか悩んだりもして。

長島:でも新メンバーでもグループの空気にはすぐ馴染めたよね。もともといた7人が仲良かったので、男子校みたいだったんです(笑)。リリイベも11人でやるときもあれば2チームに分かれることもあって。わいわい楽しく頑張ろう!とみんなで乗り越えてきましたね。だからこの1年半、コロナ禍ではあるけれど楽しく過ごすことができました。

――BLACK IRISはそれぞれメンバーのキャラクターもばらばらで、かつお互いを認め合っていて、良い空気が出来上がっていると思います。どのようにチームワークを育んでいるのでしょう?

杉本:……ほっとく、かな。うちは11人全員がばらばらの個性を持っている動物園みたいなものなので(笑)。首輪をつけちゃうとなんもしなくなっちゃう人間の集まりなんですよ。BLACK IRISという大きなスペースでのびのびとさせてもらっています。だからこそ個々が個性を出せるし、個性的なメンバーたちに感化されて自発的に自分なりの個性を見つけて伸ばしていこうとするんだと思います。


▲長島翔平

――メンバー一人ひとりの個性を崩さないことがグループにとって重要であると。

杉本:そうですね。メンバー全員が歌うグループなので、歌でもダンスでもそのキャラクターの違いを見てもらえると思います。これだけ個性的なメンバーが11人もいればちょっとした不満が出ることもあるので、何か思うことがあったら全員で面と向かって話をするようにはしていて。意思疎通はしっかり取るようにしていますね。

佐原:BLACK IRISとして活動していくなら、メンバーに不満を持つメリットは一切ないんですよね。良いところを見るようになって、自分と合わなかったとしても“それもこの子の個性だし、いいんじゃないかな”と素直に思えるんです。相手に変わってもらうのではなく、自分の気の持ちようを変えて、仲良く一緒に活動できていますね。本当にいい子たちが集まっているグループだと思います。

――『Head Shot』はType-AからDまで4形態でリリースされ、それぞれに異なるカップリング曲が収録。さらに全タイプには11人を6人と5人に分けた“チームB”と“チームI”それぞれの歌唱による「Head Shot」が収録されています。どの楽曲にも杉本さんが作詞作曲で参加してらっしゃるんですよね。

杉本:はい。作曲がPETTIN PATTINさんとの共同名義になっているのは、PETTIN PATTINさんの作ったトラックに、僕が歌詞とメロディを乗せているからです。


――杉本さんはこれまでも他グループに楽曲提供をなさっていますが、どんなきっかけから曲作りを始めたのでしょう?

杉本:もともとは趣味ですね。BLACK IRISを始める前に、いつかグループで自分の曲を出したいと思っていたわけでもなく、歌うことも音楽も大好きだからその延長線上で始めたものでした。そこからライヴの登場SEを打ち込みで作るようになって、1年半前に事務所から“本格的に作ってみない?”と提案されて、徐々に制作活動をするようになって……気付けば2021年は50曲くらい作っていました(笑)。BLACK IRISでここまで作詞作曲に携わったのは初めてだったのにもかかわらず、シングルに選んでもらえたので、かなりうれしかったです。

長島:最初「Head Shot」を聴いたとき“うわ、すげえいい! この曲かっこよ!”とシンプルに思いました。リリースイベントではリリース前にいろんな会場を回って楽曲を披露するんですけど、短期間に何度も歌っていると新鮮味が損なわれていくんじゃないかなあ……とちょっと心配だったんです。でも「Head Shot」はそれがない。聴き飽きることがないんです。

佐原:わかる! 毎回やるたびにあがるよね。

長島:そうそう。だからプライベートでもイヤホンで聴いたりする(笑)。それくらい好きな曲ですね。

佐原:でも琢弥が本格的に作詞作曲を始めたのはこの1年半くらいだし、僕も加入して時間が経っていないから、最初は曲作りのプロではない人が自分たちの曲を作ることが正直ちょっとだけ不安だったんです。でも琢弥が作った曲を聴いた瞬間に“あ、才能のある人だ”と安心しました(笑)。制作歴が浅いのにこれだけ作れるということは、これからもっとすごくなるということなので、あらためてBLACK IRISにはいいメンバーが揃っていることを実感しましたね。このグループに入って良かったなと思いました。翔平くんの言っていたとおり、毎回新鮮な気持ちでライヴができています。

杉本:僕も自信のある曲でないとメンバーには聴かせないので、最初は気に入ってくれるだろうけど、何度もパフォーマンスしていくうちにメンバーに飽きられてしまって、ライヴのセットリストからフェードアウトしていくんじゃないか……という恐怖心もありました。だから最初に歌ってくれたときよりも、リリースイベントで何度も披露した今、こういう言葉を聞けていることが、“BLACK IRISの曲として愛してくれているんだな”と実感できてすごくうれしいですね。


▲佐原至恩

――それだけ新鮮味を保てているのは、「Head Shot」がライヴで育っていく楽曲だからかもしれませんね。

杉本:BLACK IRISの強みのひとつが“お客さんと作るライヴの一体感”で。コロナ前には僕らのファン以上に声を出してくれるファンはいないんじゃないかと思うくらい、ほんとうにファンの子たちの熱量が高い。僕らにとって誇りなんです。だからいつか世の中がコロナ禍前に戻ったときに声を出せるようにと願いを込めてコールできる場所を作ったり、コロナ禍でも一緒に楽しめるように身振り手振りの大きな振付にしたり、飛べる場所を作ったり。ライヴで楽しめることを最優先に作っていきましたね。

――「Head Shot」は楽曲も振付もクールでありながらキャッチーで、一度聴いたら頭から離れないインパクトがあります。

杉本:“絶対にこの曲を表題にする!”と最初から決めて、一生頭にこびりついて離れないくらいの王道ポップを作ろうと思っていたんです。僕はトラックを流して踊りながら歌って作っていくんですけど、最初の5分くらいで《指かけるtrigger(中略)Head Shot》というくだりが出てきて。聴いている人の頭のなかにぶち込む楽曲という意味で、今後この曲がBLACK IRISの代名詞になっていけばいいなという気持ちを込めての“Head Shot”――この言葉を軸に物語を展開させていきました。デモの段階からみんなにかっこいいと思ってもらえるように、万全の状態で仮歌を入れました(笑)。

佐原:「Head Shot」の振付は、BTSの「Butter」の振付を担当したダンスクルー・GANMIのKazashiさんが考えてくださっていて。おっしゃっていただいたとおり、キャッチーだけどかっこいい振付になりました。聴覚的にも視覚的にも印象に残る楽曲だと思います。

長島:拳銃を引き抜くシーンとかね。最初難しかったなあ……。

杉本:一見簡単に見えるけど、やってみるとすごく難しくて最初は手こずりましたね(笑)。お客さんもライヴでは好きなメンバーに向かって拳銃を打つ仕草をしてくれたりもして。カラオケで歌いながら踊ってくれるのとかも最高ですね。


▲「Head Shot」Type-A


▲「Head Shot」Type-B


▲「Head Shot」Type-C


▲「Head Shot」Type-D

――「Head Shot」とType-Cに収録されているTeam Bが歌唱する楽曲「Sidekick」には、ラップのリリックでメンバーの半田 豪さんも参加なさっています。

杉本:それは僕的にもいちばんうれしかったところかも。本当は豪の考えた「Head Shot」のラップ部分は、もともと僕の歌詞とテイクでプロデューサーからOKをもらっていたんです。でも豪は過去に僕のソロ曲に友情出演をしたときにラップを書いているし、僕個人としてはラッパーにはラップのリリックを書いてほしい気持ちがあったんです。採用されるかはわからないけど豪に提案してみたら、3日後くらいに今のリリックとフロウが届いて……僕のテイクは完敗でした(笑)。

――(笑)。半田さんのラップは、ラッパーとしての存在感や矜持が表れたフロウではありますよね。

杉本:絶対僕からは生まれてこないものでしたね。すぐにプロデューサーに聴いてもらって、豪のラップのテイクを使うことになりました。彼とは専門学校で出会って、今年の春で10年の付き合いになるんです。彼とも“自分たちが作詞作曲した曲でCDをリリースするなんて、10年前は思ってもみなかったね”と話をして……めちゃくちゃエモいですね(笑)。

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