【ライブレポート】Waive、20周年アニバーサリー完結「また必ず奇跡は起こる」

Waiveが2022年1月29日(土)、結成20周年記念イヤーを締めくくるライブ＜Waive 2Øth Anniversary GIG FINAL「& AGAIN」＞をLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にて開催した。同公演を収めたBlu-ray発売もアナウンスされたこの夜のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆Waive 画像

＜Waive 2Øth Anniversary GIG FINAL「& AGAIN」＞は、2021年2月23日の同会場でのライブが緊急事態宣言下での開催となってしまい、当初思い描いていたカタチでの実施が叶わなかったことから、リベンジの意味も含めて実施されたものだ。しかし、またもや急速な感染拡大に襲われ、まん延防止等重点措置が発令される中、万全の感染対策を講じての開催となった。





場内にSEが鳴り響く中、メンバーがひとりずつステージへ登場。結成後の初リリース音源にして代表曲「spanner」でライブがその幕を開けた。真っ赤に染まった舞台上でエモーショナルに1曲目から全開のパフォーマンスを披露すると、続く「バニラ」では一転、オーディエンスとの一体感が凄まじい展開へと。

中間ゾーンではWaiveの真骨頂ともいえるバラード3連発を放ち、息を呑むような圧巻の世界観を演出。12曲目「世界がすべて沈む-pain-」が終わった瞬間、客席は濃厚なドラマのエンディングを観たような独特の空気感に包まれていた。

MCを挟んで一度呼吸を整えると、そこからは畳みかけるようね終盤戦へ突入。1音1音全身全霊でメンバーが熱い思いを放てば、オーディエンスは声が出せないながらも全身を使って高まる思いをステージにぶつけていく。そんな魂のぶつかり合いの連続で、本編ラストの「いつか」まで、一気に駆け抜けた。


アンコールで再びメンバーがステージに登場すると、田澤(Vo)はこう語った。

「気が付けば、いつしか当たり前のように自分の生活の中にWaiveが存在するようになっていて、人生やり直せるなんてことはそうそうないんですが、Waiveに関しては皆さんのおかげで一つのことをやり直せたような、そんな気がしています。一度終わらせてしまったのは僕ですが、今、音楽を続けられている全ての始まりと糧はここにありました。Waiveが教えてくれたことを携えてこの先も歩んでいこうと思います」──田澤孝介(Vo)

Waiveから始まった20年間にわたる自身の音楽人生に思いを募らせた田澤の言葉を受けて、リーダーの杉本(G)はファンに向けて感謝の思いを表し、Waiveの未来へ思いを馳せた。

「コロナ禍という状況下で、我々も皆さんも本当によく頑張ったと思います。色々ありましたが感謝しかない20周年でした。我々は2005年に解散して、2010年に再演という一番高いハードルを越えてきました。その時のことを思うと、また必ず奇跡は起こると信じています。2005年の解散がなければ、今こうしてここにいることもないわけで、俺たちはそういう奇跡の中に今も居て、だからこそこれ(Waive)は無くならないものだと思っています。きっとまたどこかで巡り会えると思っているので、今日という日に参加してくれた、また参加しようとしてくれた全ての人にとって、あくまで20周年という通過点、今日は本当にありがとうございました！」──杉本善徳(G / Vo)

そして、「皆さんの心に、色あせないもう1ページを刻みたいと思います」との田澤の言葉に続き、20周年ツアーの全てでラストを飾ってきたナンバー「Days.」が贈られると、続けて、Waive解散劇から幾度にわたる再演をまるで予言していたかのような歌詞が綴られた「HEART.」が届けられ、発表から約2年の歳月を経て辿り着いた20周年記念イヤーはエンディングの時を迎えた。


カーテンコールでは、杉本の号令でメンバー全員がステージ中央に集結。拍手と歓喜に包まれた渋公のフロアに向け、一人一人が生声で感謝の思いを伝えた。ステージ上からメンバーが去ると、眩いライティングのまま「HEART.」のピアノバージョンが会場に流れ、最後には杉本のナレーションで、「またいつかの奇跡で巡り会いしましょう」という言葉が鳴り響いた。会場全体が大きな拍手に包まれる中、様々な思いが交差したWaive20周年イヤーは幕を下ろした。また必ず会えることを信じたい、そんな一夜となった。

そして、この日の模様を収録したライブBlu-rayの発売も決定。コロナ禍で様々な事情を抱え、来場を断念せざるを得なかった多くのファンの想いに応えるように、記念すべきライブが映像作品化されることがアナウンスされた。こちらはWaiveオンラインショップ限定での完全受注生産販売となる。受注開始は2月4日金)18:00より。

撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle Photography)