THE BAWDIES、2年ぶり全国ツアーのファイナル公演で「もう感動しかない」

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昨年2021年9月に約2年ぶりのニューアルバム『BLAST OFF!』を発売したTHE BAWDIESが、約2年ぶりの全国ツアー<BLAST OFF! TOUR 2021-2022>を開催。新型コロナウイルスの影響により、ツアー途中で断念した前作のリリースツアー<Section #11 Tour>の想いを引き連れて開催した本ツアーから、ファイナル公演の模様を綴ったオフィシャルレポートが到着した。

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昨年9月22日にリリースした8thアルバム『BLAST OFF!!』をひっさげ、全国を回って来たTHE BAWDIESが1月30日、東京に戻ってきた。お台場のZepp DiverCityで行われたツアー27本目となるファイナル公演は、ジャケットにロケットのイラストをあしらった『BLAST OFF!!』同様、「5-4-3-2-1 Blast off!!(発射)」というカウントダウンから、アルバムのオープニング・ナンバー「YA! YA!」でスタート。TAXMAN(Gt/Vo)とJIM(Gt/Cho)が奏でるリフが絶妙に絡み合うTHE BAWDIESの真骨頂とも言えるロックンロール・ナンバーに1階席はもちろん、2階席まで早くも総立ちの観客が手拍子で応えると、「今夜は思いっきりBLAST OFFしてください! このロケットに乗り込んでください。飛び立ちますよ!」とROY(Vo/Ba)が客席を煽るように声を上げ、バンドはMARCY(Dr/Cho)の力強いドラムとともに「OH NO!」「BLUES GOD」とタフなロックンロール・ナンバーをたたみかけたのだから、客席の温度が上がらないわけがない。

「戻ってきました! もう感動しかない」(ROY)

ツアーが完走できる歓びに加え、「みなさんの目の前で演奏できるありがたさを、このツアー中、改めて感じさせてもらいました」とROYが語ったのは、前作『Section#11』のツアーがコロナ禍の影響で中断してしまったからだ。



「前作を伝えきれない悔しさがありました。でも、我々はどんな時でも止まらず、転がり続ける姿が光や希望になるんじゃないかと考えるロックンロール・バンド。ツアーができないなら、もっと素晴らしいアルバムを作って、みんなに届けるべきじゃないか。『BLAST OFF!!』は、そんなポジティブなエネルギーが充満したアルバムです」(ROY)

そういうアルバムをひっさげ、全国を回った手応えが、ROYが言ったこの言葉だったのだろう。「脂の乗り切ったTHE BAWDIESを堪能してください!」





この日、THE BAWDIESはお馴染みの曲も交えながら、『BLAST OFF!!』の全12曲を披露したのだが、その12曲を軸にしたセットリストが印象づけたのは、デビューから12年目を迎えたバンドの円熟に加え、デビューした時から言われてきたガレージの一言には収まりきらない振り幅も自家薬籠中の物とした進化だった。

TAXMANとJIMによるリフの掛け合いがちょっとローリング・ストーンズっぽい「OH NO!」をはじめ、タフな魅力を見せつけた序盤から一転、ニュー・ウェーブ調のギター・サウンドが新しい「SUN AFTER THE RAIN」からのブロックでは、心地いいグルーブに観客が体を揺らしたマージー・ビート風のロックンロール「I DON’T WANNA」、TAXMANが歌う「LOOKER SUGAR」と繋げ、『BLAST OFF!!』が持つポップな魅力をアピール。そこからさらに一転、彼らのライブに欠かせない「IT’S TOO LATE」で今一度、観客を煽ってからの中盤では、高速ファンク・チューンの中で泥臭いブルース・フィーリングと型破りなオルタナ感覚がせめぎあう「RUN AROUND」、THE BAWDIESサウンドの雛型とも言えるアイズレー・ブラザーズの「WHY WHEN LOVE IS GONE」のリスペクトフルなカバー、THE BAWDIES流のネオコアなんて言ってみたい「YES OR NO」、そして、プログレ・サイケな魅力もあるポップ・ナンバー「ROLLER COASTER」と前述した振り幅を存分に見せつけたのだった。



その4曲が同じアルバムに収録されているのだから、『BLAST OFF!!』がいかにチャレンジングなアルバムだったか。THE BAWDIESはそれを改めてライブでも伝えたわけだが、その一方で、彼らのライブの、もう1つの見どころでもあるエンタメ要素もパワーアップ。やはり彼らのライブに欠かせない「HOT DOG」の大いなる前フリでもあるコント「HOT DOG劇場」はBGMに加え、衣装、小道具がどんどん本格的になってきたが、この日は日本が世界に誇る国民的人気ゲーム/アニメをパロッて、観客の笑いを誘った。そして、今回、行く先々のご当地ネタでMARCYの珍回答が続出したという「わっしょい川柳」は果たして今後、定番化するのか⁉ いや、してほしい!

観客に、そんな期待も抱かせつつ、終盤は「心の中で一緒に大声で歌ってください!」(ROY)とシンガロング・パートを持つ「LET’S GO BACK」「T.Y.I.A.」を繋げ、ラストスパートを掛ける。因みに「T.Y.I.A.」のMVを見た人なら、同曲の演奏中、シンガロング・パートでバックドロップに映し出されたT、Y、I、Aの文字に紛れ込ませた茶という文字に思わず噴き出したことだろう。そんなところにも観客をとことん楽しませたいというバンドのエンタメ精神が窺えた。



そして、『Section#11』のツアーを完走できなかったから、この曲で終わりたいと同アルバムからのリード・トラックだった、とびきりポップな「SKIPPIN’ STONES」で観客を踊らせ、本編を締めくくったTHE BAWDIESがアンコールに選んだのが、メンバー全員で重ねるハーモニーが聴きどころのバラード「END OF THE SUMMER」。

夏の終わりを惜しみつつ、次にやってくる季節に胸を躍らせるというこの曲を、「これからやって来る新しい光に目を向けたほうが人生はポジティブになる」という思いを込めて演奏したいと語ったROYは、「ケータイを灯してもらってもいいですか? 光を感じながら、ともに進んでいきたいと思います」とリクエスト。それに応え、観客全員が灯したケータイの光がどれだけ美しかったのかは、「もうダメだよ、そんなの! いろいろ大変なことはあるけど、マジで今、幸せです!」と思わず感極まって声を上げたJIMの言葉から推して知るべし。



「コロナ禍に限らず、これからも前を向けないこととか、上を向けないこととかあるかもしれない。そんな時こそ笑いながら転がりつづけている我々を見て欲しい。(ライブに来てもらえれば)笑顔にして帰します」(ROY)

どんな時でも光や希望を届けることが自分達の使命と考えるTHE BAWDIESだ。曲が持つメッセージを考えれば、『BLAST OFF!!』のラスト・ナンバーである「END OF THE SUMMER」ほど、同アルバムのツアー・ファイナルを飾るにふさわしい曲はなかったと思う。しかし、THE BAWDIESは自他ともに認めるロックンロール・バンドだ。

「最後は笑顔で終わりたい!」(ROY)

やっぱり、そうではなきゃ。

「また会う時のためのパワーをみなさんに注入したい。最後は大きな打ち上げ花火が必要です。跳べと言ったら、みなさん、打ち上がっていただけますか!?」(ROY)

大団円はファンキーなロックンロール・ナンバー「JUST BE COOL」で締めくくった。ROYが観客を鼓舞するように今日イチのロング・シャウトをキメると、跳ねるビートに合わせ、観客がジャンプ! 「笑顔にして帰します」とROYが言ったように、きっと全員が笑顔だったに違いない。



THE BAWDIESが全力で表現するロックンロールとポジティブなバイブスにシビれた2時間。開演前に流れていたビートルズのカバー特集なんて趣のBGMから楽しかったことを最後につけ加えておきたい。

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文:山口智男
撮影:山川哲矢

<セットリスト>

1.YA! YA!
2.OH NO!
3.BLUES GOD
4.SUN AFTER THE RAIN
5.I DON’T WANNA
6.LOOKER SUGAR
7.KICKS!
8.IT’S TOO LATE
9.RUN AROUND
10.WHY WHEN LOVE IS GONE
11.YES OR NO
12.ROLLER COASTER
13.HOT DOG
14.DO IT
15.RAINY DAY
16.LET’S GO BACK
17.T.Y.I.A.
18.SKIPPIN’ STONES
EN.1 END OF THE SUMMER
EN.2 JUST BE COOL

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