【インタビュー】ユナク「毎日を幸せに過ごしたい。良い人たちと楽しくできればそれでいい」

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SUPERNOVA(超新星)のユナクが、約4年ぶりとなるソロアルバム『more...』をリリース。昨年12月にはソンジェとのユニットDouble Aceでライブを行い、今年は年明けから5年半ぶりとなるソロライブツアーも開催するなど、日本での精力的な活動が続いている。SUPERNOVA(超新星)のリーダーとしてはもちろん、ソロアーティストとしてもさらなる成長を遂げるべくチャレンジを続けるユナク。今作の制作エピソードや自分自身の内面の変化など、興味深い話を聞くことができた。

■「Time ~流れていく時間にすべて消されるなら~」は別れの歌
■いつか発表しようと温めていた曲なんです


──5年半ぶりのソロライブツアー<YOONHAK Zepp Tour 2022 The Beginning...>はいかがでしたか?

ユナク:すごく楽しかったんですが、みんなマスクをしていて声も出せない状況でしたから、少し切ない感じでした。皆さんももっと叫びたかっただろうし、僕もファンの皆さんの声を聴いたり顔をちゃんと見たりしたいのに、目しか見えなくて。10年以上ライブをしてきたけど、初めての環境でしたからね。だけどここ最近ソロアーティストとしての自分が少し薄くなりかけている気がしていたので、そういう意味では、久しぶりのライブをやってみてやっぱりステージっていいよねと思いました。

──今回はユナクさんがプロデュースしている日韓男性グループ、NIKのラッパー・太一さんも参加されていたんですよね。

ユナク:はい。僕は彼のラップを信用していますし、あの子が今までしてきた努力を見ていると、この子ならあと一歩、もうちょっと頑張れば日本で認められるラッパーになれるんじゃないかなっていうリスペクトもあるんです。彼にチャンスを与えたいなという気持ちもあって提案したんです。新人ですから、リハーサルなどではすごく緊張していました。あんな顔していますけどね(笑)。だけど彼は本番に強い。あと、今回の僕のソロアルバムにも何曲かあるんですが、僕の声と彼のラップのボイスがミックスされる感じがすごくいいなと思っているんですよ。今回のツアーではそのあたりも、楽しんでもらえたんじゃないかなと思います。

──初日の名古屋では、涙を流された場面もあったようですね。

ユナク:ソンジェくんが、中島美嘉さんの「僕が死のうと思ったのは」という曲を薦めてくれたんですね。amazarashiの秋田ひろむさんが作られた曲なんですが、ソンジェくんは、自分で歌おうとしたけど触っちゃいけない曲だと思ったそうなんです。僕も、最初に聴いた瞬間からちょっと来るものがあったんです。あれは人生で初めての気持ちでした。でも歌いたいと思い、練習してステージで歌ったんです。ダメでしたね、泣いちゃって(笑)。

──前回のインタビューでも、amazarashiがお好きだと言われていましたね。

ユナク:素晴らしいアーティストだと思います。正直、こんなに毎回泣くなんてないじゃないですか。泣いて歌えなくてピアノの演奏だけ流れているって本当に申し訳ないなと思いました。

──そのツアーでは、約4年ぶりのソロアルバム『more...』からの楽曲も披露されました。制作の過程はいかがでしたか?

ユナク:いつもアルバムを出す時はバタバタなんです。他の活動もしながら制作していることが多かったから。でも今回は、新型コロナウィルスの影響もあり時間をかけて作ることができたんですよ。一番嬉しかったのは、ファンの皆さんが手紙やメッセージなどで「今回のアルバムが一番いい」って言ってくれていることです。「今回のユナクの声、一番“来る”よ」ってみんな言ってくれて、ライブも一番良かったって言ってくれている。僕的にはとても嬉しく思う一方で、もっとファンの皆さんと会える機会があったらよかったのになという気持ちにもなりましたね。


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──ではそのアルバムについてですが、今回はどんなアルバムになっていますか?

ユナク:今の自分を表現した、という表現が一番合っていると思います。僕はアイドルだけど、1人のアーティストとしてもうちょっと認めてもらいたいという気持ちがあったからこそ、作詞や作曲にも参加しますし、いろいろ挑戦しています。ファンの皆さんが聴きたいと思うような曲ももちろん大切にしますが、わがままだけど自分がやりたいと思う曲、自分の好きなジャンルの曲なども入れてみました。

──その気持ちがタイトルにも表れていると。

ユナク:はい。もっともっと成長した自分を見て欲しい、これからもっともっと成長したいとことで『more...』というタイトルにしました。

──とても意欲を感じる単語ですが、「...」が付くんですね。

ユナク:いつも悩んではいるんですが、今回アルバムを出すにあたって、いろいろ考えたんですよ。でも今回のプロモーションの手応えやアルバムへの反響を思うと、もうちょっとがんばろうかなっていう気持ちになりました。

──深読みのし過ぎかもしれませんが、プロデュース業に専念するとか、スタッフ側になるとか、そんなことを考えたという意味にも聞こえたのですが。

ユナク:まあちょっと迷った時期はありました。でも自分が歌える限りはやっていきたいなと思ったんです。

──なるほど。

ユナク:これはライブでも話したことなんですが、「Time ~流れていく時間にすべて消されるなら~」は別れの歌なんですよ。歌詞を読むとそういう感じがすると思うんですが、歌い出しから「僕たちはどうして出会ってしまったのでしょう」ですから。人間、いつか別れは来る。みんないつかは別れるんだよなと思った時に作りました。



──そういうことだったんですか。

ユナク:2年前に新型コロナウィルスが流行してから、お世話になった方とか、周りでも結構その影響で亡くなったりして悲しくて。その時にこのモチーフが浮かんで。今回、制作のほとんどを手掛けているBIGDATA(※ユナクとSUNHEE(ソニ)とアベンジャンスンの3人で作った会社)のほうにこのモチーフを伝えたら、「ユナクさんが思っていたものはとても重かったからちょっと軽くしました」と言ってワルツの形にアレンジしてくれたんです。SUNHEE(ソニ)くんアイデアでラップも入ることになり、NIKの太一くんとテフンが参加してくれることになりました。

──MV撮影の時のエピソードは何かありますか?

ユナク:最初MVは、「Tokyo Tower Romance トーキョータワー・ロマンス」だけでいいかなと思っていたんですよ。でもこの曲も撮ることになり、アニメにしようかなとか、そろそろ年だから自分の顔より他の何かで表現したほうがいいのかなとかも思ったんですが、せっかくだし、ちょっと残したいなという気持ちもあってこういう形になりました(笑)。監督は、超新星の時からずっと一緒に僕と仲良く付き合ってくれている方。短い時間での撮影でしたが、いつもPVを撮ってくれて、僕のこともよくご存じだからすごく気楽にいい感じで撮ってもらうことができました。

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