【インタビュー】ZAQ「歌詞に歌わされるのではなく言葉の意味を伝えるために感情を乗せて歌う」

■9ヶ月連続リリースで
■ZAQの七変化を楽しんでください

──そしてカップリングは「耺（みみなり）」ですが……。

ZAQ：この曲は、アニメのために4曲提出した中の2曲目なんですよ。だから初代「悪夢」だったんです。

──それにしては「悪夢」とだいぶ雰囲気が違う曲ですけど、アレンジを変えたりしたのですか？

ZAQ：いや、ほぼこのままなんですけど、シャッフルビートなので、やっぱり明るく聴こえてしまう。そこに歌詞でドぎつい暗いことを言おうと思ったんですけど、曲が明るいということでお蔵入りになるところだったんです。でも、私はすごく気に入っていたので、カップリングに入れることにしました。TVアニメ『薔薇王の葬列』のタイアップシングルのカップリングにふさわしい曲にしたいと思ったので、実はある登場人物をモチーフに歌詞は書いているんです。

──この曲も候補だったというのは意外でした。ただただカッコいい曲だと思っていたので。

ZAQ：めちゃめちゃカッコいいですよね！　最近こういう曲が大好きで（笑）。ギターソロがとち狂っていて、跳ねのビートで言葉数が非常に多いというのが。まぁ、歌うのはめちゃめちゃ難しいんですけど（笑）。

──ギターも結構本数を重ねて、厚みがありますよね。

ZAQ：マストは4本で、アコギが刻みで入っていて、エレキはクリーンとディストーションがあって、あとは好きにお願いしますという感じで。ギターソロもとにかく病んでいる感じにしたくて、エフェクターを持ってきてもらって、それを踏んでノイズを足したり、ゲインを上げて音をわざと割らせたりしながら作ってもらいました。

──すごく音作りにこだわっているんだろうなとは感じました。

ZAQ：とにかく“みみなり”っぽくしたくて、ノイズ感は欲しかったんです。“みみなり”って自分にしか聞こえないもので、他人には全然わからない。その煩わしさをギターで表現してくださいと言っていたし、歌詞に＜怪物＞という言葉が出てくるんですけど、それもギターで表現してくださいとお願いしていました。

──歌詞はわりと難解ですよね？

ZAQ：歌詞はあまり深く読みすぎないほうがいいかもしれないです。メッセージ性があるわけではないので、曲のグルーヴとギターのサウンド。そしてメロディで踊れる感じを楽しんでいただければなと思います。

──ボーカルは感情的でしたが。

ZAQ：この曲の歌い方ではリズムを意識して歌っていて、「悪夢」では感情を込めないようにしていたけど、この曲では感情を込めまくっているんです。とにかく感情の浮き沈みの激しさを表現したくて、喜怒哀楽をすべて入れ込んで歌っています。


──ZAQさんは今年の10月24日にアーティストデビュー10周年を迎えるそうですが、1月から9月まで連続リリースが決定しています。その第一弾が配信シングル「ZIGZAG」で、今回のシングルが第二弾となります。「ZIGZAG」はシンプルなギターロックでしたね。

ZAQ：青春ロックで、バンドを始めたばかりの上京してきた19歳で、サマソニの小さいステージに立ちたい子のイメージで作っています（笑）。なので編成もシンプルで、楽器はほぼないというか、シンセもあまり入れないような曲になっています。2月の「悪夢」のあとがまだ決まっていなく、4月はTVアニメ『ブラック★★ロックシューター DAWN FALL』のオープニングテーマ「ASEED」のリリースが決まっています。この曲はZAQの大好きなカッコいいを全部詰め込んだ楽曲になるので、これ以上カッコいい曲はしばらく書けないなって思っています（笑）。

──すでに「ASEED」が流れているアニメのティザーPVが公開されていますが、映像も含めてかなりカッコ良かったです。

ZAQ：映像もカッコいいですよね！　このタイトルも実は造語で、歌詞を見るとその意味がわかるので、リリースを楽しみにしていてください。



──毎月新曲が聴けるのは、すごく楽しみです。

ZAQ：9ヶ月連続リリースの果てに何があるのかというのもあるし、配信リリースの曲に関してはノンタイアップ曲になるので、自分のやりたいことや自分のメッセージを込められると思っています。「ZIGZAG」は自分自身のことを歌っているところがあるんですけど、次からは人のことを歌っていたり、誰かのことを言っていたり、いろんな立場になって、いろんな曲調で表現していきたいと思っているので、ZAQの七変化を楽しんでもらえたらいいなと思っています

取材・文：塚越淳一


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