長渕剛、アコースティックツアー最終公演の模様をWOWOWで

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長渕剛が2021年12月に東京・LINE CUBE SHIBUYAで開催した<Tsuyoshi Nagabuchi Acoustic Tour 2021 REBORN>最終公演の模様が、2月20日にWOWOWで放送・配信される。以下、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

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デビュー以来40年以上にわたり、魂を込めた楽曲を作り上げ、壮絶なライブパフォーマンスを通じてオーディエンスとの連帯を築いてきた長渕剛。しかし、2020年。突如襲った新型コロナウイルスによる脅威。人類は見えざる敵との戦いに恐怖し疲弊していった。

暗い世相、人々の断絶。悲惨な報道ばかりが目についた。彼もまた、喪失感を抱え苦悩や葛藤に苦しんだという。だが、長渕は自分自身と向き合い、原点に立ち戻った。それは、命の限り生きること。誰かのために歌うことだ。2021年12月、彼はギター一本で有観客の舞台に還って来た。関東圏のみ、歓声を上げることが出来ない制約付きながら行なわれたアコースティックツアー。ステージと客席が音楽でひとつになり、新たな感動を巻き起こした。

そして、12月29日。東京・LINE CUBE SHIBUYAにてファイナル公演が行なわれた。

定刻が過ぎ、割れんばかりの拍手の中、長渕が登場する。自身も大きく拍手を返す。「ようこそ、今日がラストだぞ! こういう時だからこそ、みんなで最高の時を作ろう。いいね!」そう言って、シークエンスをバックに歌い始めたのは「Myself」。《真っ直ぐ生きてえ》という言葉が、傷だらけの胸に染みる。

続いてギターを抱え、夏に発表されたばかりの「アゲハチョウの子守唄」を歌う。荒れ地と化した時代を生きるすべての者へ捧げるアンセムだ。3曲目は東日本大震災後の石巻の様子を歌った「六月の鯉のぼり」。赤いレーザーが照らされ、命の尊さや刹那さがありのままに描かれる。

続く「君のそばに…」は痛い程に無垢なラブソング。胸の底から熱い涙がこみ上げるのは、いつ以来だろう。コロナ禍で失われていた“心”が脈を打つ。「東京青春朝焼物語」では、自身が上京した頃のことを振り返って歌う。そして、かつての全国ツアーの思い出を語り、聴衆の気持ちをくすぐって「僕のギターにはいつもHeavy Gauge」へ。いつも以上に多くを語り掛ける彼の表情には、傷みを気遣う優しさがあった。

会場中が手拍子で迎えた「JEEP」は、普段なら観衆が歌うパートも自ら歌う。「長いな! いつもはみんなが歌ってくれてたんだもんな!」と、感慨深く頷く。屈強のバンドを引き連れたハードな長渕のライブも圧巻だが、ギターをつま弾く指先の感触まで伝わるようなこの夜の演奏もまた格別だ。

悴んでいた心が解れたところで、コロナ禍での日々を語る。たやすく希望を歌えなくなったこと。それでも、命を賭して歌う理由。そんな想いが詰まった「しゃくなげ色の空」は圧巻だった。《勝つ為に》というリフレインに合わせて、白い光がステージから場内を照らす。彼にしか歌えないゴスペルに誰もが心を震わせていた。

本編終盤に歌われた「とんぼ」もまた素晴らしかった。長渕とオーディエンスがハミングで呼応する、コロナ禍での新しいコールアンドレスポンス。まるで永遠に続くかのような魂の交感がそこにあった。そして、ラストの曲は「TIME GOES AROUND」。音楽家・長渕剛の面目躍如の一曲で本編が終了した。

割れんばかりの拍手の中でアンコールに応える彼はタンクトップ姿。鍛え上げられた剛腕が露わになる。ここでの3曲は、圧倒的なスケール感と荘厳さに満ちていた。人生のすべてが込められたかのような「STAY DREAM」。音楽で魂が浄化される瞬間を共有した「乾杯」。長渕はギターをかきむしり、叫ぶ。ギター1本でここまで圧倒的な音楽表現が出来るアーティストが世界にいるだろうか。純度の高い生への賛歌が鳴り響いた。最後は今回のツアーのために書き下ろした新曲「REBORN」。「人は何度でも生まれ変われるさ」と絞り出すように歌う。願い、祈り、誓い。静かで、それでいて力強く深い余韻に“永遠”を感じた。

「最高です。来年は全国回るからさ。頑張ろうぜ!」そう言って袖へと下がる後ろ姿に満場の拍手が注がれた。

そして、二度目のアンコールに姿をみせた彼は、とても穏やかな笑顔を浮かべていた。歌われたのは、80年代の名曲「愛してるのに」と「すべてほんとだよ!!」。「また会おう! 約束だよ、ありがとう!」サングラスをかけて、長渕は去っていった。意を新たに次なる戦いへ向かう男の背中がみえた。

しかし、加熱した熱狂空間のヒートは簡単には収まらない。声に出せない魂の剛コールが木魂し、拍手の渦が巻き起こる。しばらくして現われた彼も「いい加減にしろよ」と言いながら、嬉しそうだ。最後の最後に歌われたのは「さようならの唄」。40年以上歌われてきた、再会を約束する歌だ。「またどこかで会えるね」という最高のメッセージで、特別な夜は終わりを告げた。

喜びや悲しみ、怒りや憎しみ。人として生きる感情の彩り全てを歌に込めてきた長渕剛。ステージから離れて2年、深い哀しみと向き合っていた彼が再び立ち上がった。歌とギターで己の原点に還流した長渕が見つめる先には、きっと希望がある。再生へ向けた大いなる序章とも言える、最高のプロローグだった。

『長渕剛 Acoustic Tour 2021 REBORN』

2022年2月20日(日)午後7:00
[WOWOWプライム][WOWOWオンデマンド]
収録日:2021年12月29日
収録場所:東京・LINE CUBE SHIBUYA
※この番組はWOWOWオンデマンドの無料トライアル対象外です

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