【インタビュー】JOSUKE、国境を越えた反応を集める“再構築”の芸術。1st AL『Beyond The Sin』

ツイート

■「僕にとっては今回のアルバムってすごくミクスチャーなんです」

──「届かぬ想いに遊みながら」のようなロック的な要素が反映された曲もありますが、現在のJOSUKEさんの主軸となっているのは、やはりダンスミュージックですね。「SEVENTH HEAVEN」「BREATH」「Melody」とかクラブで流したら盛り上がりそうなフロアユースなサウンドですから。

JOSUKE:いろんな曲のアレンジをしてくださった菅原さんが結構音マニアというか。エクスペリメンタル、アンビエント的なサウンドを普段やっていて、スタジオでもハイエンドのスピーカーを鳴らしていますし、低音をすごく意識しているというか。だから海外のクリエイターに近い環境なんだと思います。普通の環境では鳴らないような帯域も捉えてグルーヴを作っているので、ものすごくいい巡り合わせの中で曲を形にできています。


──その結果、結構ダブステップとかのサウンドになっていますよね。

JOSUKE:はい。「SEVENTH HEAVEN」とかまさにそうですし、ダブステップ、フューチャーベースは、かなり取り入れています。

──「Melody」も旋律自体は切ないですけど、ものすごく踊れるサウンドです。

JOSUKE:この曲はコンプがかなり利いているんですよね。コンプの加減によってグルーヴを作っているというか。まさにEDMっていう感じのサウンドです。

──日本のクラブミュージックのクリエイターは90年代辺りから海外で評価されるようになっていますし、JOSUKEさんの曲がどこかの国のクラブでかかって、お客さんが盛り上がるようなことが起こったら面白いと思います。

JOSUKE: そうなっていくためにも、何かしらの仕掛けみたいなものが必要なのかもしれないです。海外からの反応をいただきつつも、現地で何が起こっているのかわからなかったりもするので。たまにインスタのDMで「バズってるよ」みたいなメッセージをもらってもイメージが掴めないんですよ。そこら辺が見えてくると活動の仕方がもっとわかってくるんですけどね。でも、アルバムが完成して国内のメディアにこうして取り上げてもらえているので、日本人のリスナーにももっと聴いていただきたいです。

──最新のクラブミュージック的なサウンドに仕上がっていると同時に、ヴィジュアル系的なメロディの哀愁もあるこの感じ、幅広いリスナー層にとって新鮮だと思います。

JOSUKE:意外とこういうのはないですか?

──ないと思います。JOSUKEさんのような背景のアーティストの曲が、こういうサウンドの仕上がりに着地するってあまりない気がしますから。

JOSUKE:僕にとっては今回のアルバムってすごくミクスチャーなんです。ヴィジュアル系というもので多くの人がイメージするようなメロディと、現代のEDMサウンドが合わさった結果、気になる音楽になっていたら嬉しいです。


──昨年の7月に配信した「CELESTIAL BLUE」もユニークなサウンドですね。

JOSUKE:これもダブステップの要素を持ってきています。シンセの他にハープも実は使っていたりするんですよ。わりとキャッチーですし、独特な感じになっていると思います。

──要素の配合の面白さは、全曲に共通していますね。

JOSUKE: はい。アレンジャーの菅原さんとやり取りをする中で何回もやり直す曲が結構あるんです。“Ver.9”とかまで行くこともあるので。菅原さんも「新しいことにチャレンジしたい」って言ってくれています。


──「セレナーデ」は今回のアルバムで“Piano Vibe Remix”となって収録されましたが、ピアノを主体としたウィンターソングに仕上がっていて、今回のアルバムの中で独特な雰囲気だと思いました。2018年12月に配信したものとはかなりアレンジが変化しました?

JOSUKE:はい。前に配信した時は別のアレンジャーさんで、それもすごく良かったんですけど、もっと大人な雰囲気の“ウィンター”“ロマンチック”っていう感じにしたかったんです。

──「Love Song For You」もそうですけど、歌詞に関しては恋愛の描写が中心になっていますね。

JOSUKE: もともとやっていたバンドのSINSEMILLAの曲は、そっち系が多かったというのもあるので。今歌詞を書くと全然違う感じになるのかもしれないですけど。

──今後に関してはSINSEMILLAの曲ではなく、新たに書き下ろすことも考えていますか?

JOSUKE: はい。リリースはしていなくても音楽は継続的に作り続けてきたので、これからはそういうものも出していくと思います。英語の歌詞で作ったものも多いですし、今やりたいことを100%やっていきたいです。今回のアルバムはリメイク、セルフカバーみたいな感じなんですけど。

──今作を作ったことで新たなスタートラインに立った感覚ですか?

JOSUKE: まさにその通りです。だから今までと全然違う感じのものも出てくるでしょうね。

──今後の活動に関しては、全世界に向けてのオンラインライブ配信も計画しているそうですね?

JOSUKE:はい。自社のスタジオがありますし、今の状況の中でできることも加味すると、VJ、プロジェクションマッピングも使って何かをやるのが面白いのかなと。ライブのアプリケーションを通じて独自のユーザー体験を作っていくことに価値を感じています。

──配信ライブだからこそできることもありますよね?

JOSUKE:そうなんですよね。コロナ禍が始まる前からビジョンとして抱いていたことが、コロナ以降の状況にフィットした感じもあって。僕はライブに行くことももちろんあったんですけど、もともとライブ映像を観ることが好きだったんです。ライブにも世界観があって、それ自体が作品ですけど、映像を通してしかわからないこともあるというか。例えばカメラワークによっても表現できることがあるので、ライブ映像は作品としてのクオリティが高いんですよね。だから“ライブ映像を配信する”というビジョンは自分の中に最初からありましたし、今の状況の中でユーザー側もその価値に気づきだしているのかもしれないです。そういう中でライブ配信に改めて向き合って飛び込んで行くのは面白そうだなと思っています。

──やりたいことがたくさんあるようですね?

JOSUKE:はい(笑)。やりたいことだらけです。「現地の夜帯の時間に合わせて配信するオンラインワールドツアーみたいなのをやりたい」っていう構想もあったりして。そんな感じでこれからもいろいろなことをやっていきますけど、日本人のみなさんからの反応もいただけると嬉しいです。SNSとかを通じても何らかの反応があるとありがたいですね。国内での受け止められ方は未知なので、すごく楽しみです。今回のアルバムは1月から配信していますけどCD盤も限定で出しますので、ぜひ聴いていただきたいです。

取材・文◎田中大


JOSUKE 1st ALBUM『BEYOND THE SIN』

2022年1月29日 デジタル配信版 先行リリース
Artwork:古市将揮(ARTORY Inc.)
Photography:林佑樹(ARTORY Inc.)

【収録曲】
M1.Intro
作曲:菅原一樹(anre*f Inc.)

M2.花化粧 (2022 Remaster)
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲:菅原一樹(anre*f Inc.)
Mix:澤本哲朗(Aobadai studio inc.)

M3.届かぬ想いに遊みながら
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)
Guitar:野嵜徹(ex:SINSEMILLA、50HEARTS)

M4.SEVENTH HEAVEN
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

M5.CELESTIAL BLUE
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

M6.蜉蝣 (2022 Remaster)
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲:Yocke(High Kick Entertainment Inc.)
Mix:滝澤武士(High Kick Entertainment Inc.)

M7.セレナーデ (Piano Vibe Remix)
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

M8.BREATH
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

M9.夢の中で (2022 Remaster)
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲:菅原一樹(anre*f Inc.)
Mix:澤本哲朗(Aobadai studio inc.)

M10.Melody
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

M11.Love Song For You
作詞・作曲:JOSUKE / 編曲・Mix:菅原一樹(anre*f Inc.)

◆JOSUKE オフィシャルサイト
◆JOSUKE オフィシャルYouTubeチャンネル
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス