【インタビュー】cluppo(小鳩ミク)が伝えたい「“私らしく”でいいよ」

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8月10日が“鳩の日”なら、3月9日は“ミクの日”である。市販のカレンダーにはそんなふうには記されていないが、小鳩ミクがそう言うのだから間違いないはずだ。そして、今年のミクの日に登場するのが、cluppoの待望の1st EPである。

◆撮り下ろし画像

『hatofull』と銘打たれたこの作品には全6曲が収録されていて、まさにcluppoらしいとしか言いようのない世界が、意外性というスパイスとともに総天然色のカラフルさで詰め込まれている。彼女がこの作品に込めた思いを探るべく、2月のある日、都内某所で話を聞いた。

   ◆   ◆   ◆

■BAND-MAIDの小鳩感も色として入れていけたらいいなって考えていましたっぽ

──前回の衣装もカラフルでしたけど、今回はそれ以上の色鮮やかさですね!

cluppo:そうですっぽね。より原色感は強まりましたっぽ。BAND-MAIDではモノトーンが基調なのでそこのギャップをより深めていこうと思うと、やっぱりカラフルになりますっぽ。

──カラフルであり、今作のタイトルは『hatofull』。察するに、これはheartful(ハートフル)に重ねた言葉でもあるんでしょうか?

cluppo:もちろんheartfulにも掛けてるんですけど、“鳩がいっぱい”という意味にもなるので、平和の象徴がいっぱい集まってる感じですっぽ!

──餌を撒きすぎて鳩の大群が集まってきたりするとちょっと怖いですけどね(笑)。ただ、一瞬hateful(憎たらしい)と見間違えてしまいそうにもなります。

cluppo:そうですっぽね。それもあって、hatofullの表記についてもすごく考えてきて。いっぱいな状態を意味するfullの“l”をひとつにしちゃうとhatefulに見間違えちゃって真逆の意味になってしまうし、それを避けたかったのでfullという表記にして、あくまで“鳩がいっぱい”という言葉にしたんですっぽ。

▲ジャケット

──さすがに細かいところまで考えてますね! さて、cluppoは昨年の4月1日、エイプリルフールに指導して、鳩の日にフィジカル盤が出て、今回は“ミクの日”にこのEPが登場ということになったわけですが。

cluppo:ありがたいかぎりですっぽ。

──3月9日にきっと何かが起きるに違いないと読んでいた人は少なくないと思います。

cluppo:ふふっ。絶対いらっしゃると思いますっぽ。そもそも私、「小鳩ミク=581039」って名前を全部数字に置き換えられるので。となるので、いろいろ考えてくださる方がいらっしゃいますっぽね。同時にこちらとしては、こじつけもしやすいですっぽ(笑)。

──ただ、日付にちなんだ動き方などからするとすごく計画性がありそうに見えますけど、最初は本当に「PEACE&LOVE」1曲しかないところからのスタートだったわけで、本当に徐々に進んできたという感じですよね、実際には。

cluppo:そうですっぽね。徐々に徐々に話し合いながら「じゃあ1曲出してみよう」「もう1曲作ってシングルにしてみよう」「シングルができたから次はどうしようか?」みたいな感じでやってきましたっぽ。いちばん最初はもうホントに勢いから始まったようなものなので、自分でもどこまでやれるかっていうのはまったく考えてなかったんですけどっぽ、段階を踏まえながらやってきて、こうしてEPを初めて出すところまでこられたのは良かったなと思いますっぽね。ある意味、いろいろな物事の動きがゆっくりな今の情勢だからこそこうやってできたんじゃないかな、とも思ってますっぽ。

──世の中の動きが滞っているからこそ慌てる必要がなかったというか。

cluppo:そうですっぽ、そうですっぽ。いつもの状況だったならBAND-MAIDのツアーとかでバタバタで、多分できてなかったと思うので。とはいえもちろんバンドのほうを主軸でやりつつなんですけど、それでも無理なくcluppoの活動もできているのは、この状況だからだと思いますっぽ。

──勢いから始まったという発言が出ましたけど、当初はまさに「思い立ったが吉日」みたいな感じでのスタートだったわけですね?

cluppo:そうですっぽ。しかも自分が思い立ったというよりも「やってみる?」って言われて「やりましょう是非」となったところから一気に始まったので。そこに関してはホントに勢いというか、自分自身もびっくりという感じで始まりましたっぽ(笑)。それをこうして続けられているのはすごく嬉しいなって思いますっぽ。

──音楽的な意味でも徐々に進んできたと思うんですよ。まず1曲作ってみようという段階では「cluppoというのはこういうものなんだ」というのを1曲で表せるようなものにしようと考えるはず。そこから「PEACE&LOVE」が生まれ、次の「Flapping wings」で広がりが出てきて、その先どうなるかと思っていたら『hatofull』ではさらに広がっていて。

cluppo:そうですっぽね。今回はまたちょっと違ったテイストも入れつつ、という感じになってますっぽ。

──EDM的な要素がより強くなっているものもあれば、スイング感のある曲も。こうしたヴァリエーションは自ら希望したものでもあったんですか?

cluppo:もちろん自分からも希望をたくさん言わせていただいて、「次どういうのをやりたい?」みたいなお話を制作チームからもらったり、何曲か聴いて「こっちの雰囲気がいいです」とか、そういった自分の意向はたくさん言わせてもらってますっぽ。しかも私が言う以外にも制作チーム側がいろんなテイストを組み込んできてくれたり、何パターンか提示して「どの感じがいいかな?」みたいに聞いてきてくださったりするので、自分だけでは絶対に出せない味がまた出せてるなって思いますっぽ。


──全体を通して聴いてみて感じたのは、各曲の方向性は違うのに、とても自然な流れで聴けるということ。それはやはり、歌声がすべてを繋いでいるからだと思うんです。ただ「どこまで幅を広げていいんだろう?」みたいな線引きは難しくもあったんじゃないですか?

cluppo:はい、そうですっぽね。ただ、BAND-MAIDとは違う感じの自分を出そうというのはもちろんあるんですけど、EPとなると曲数がある程度はあるので、ちょっとBAND-MAIDの小鳩感も、いい感じで色として入れていけたらいいなって今回は考えていましたっぽ。

──つまりBAND-MAID的な感触がちょっとしたスパイスになるような?

cluppo: BAND-MAIDでは当然、SAIKI寄りの強い歌い方が主軸なんですけど、こっちは「ハッピーなんだけど強さもスパイスとして入れられる」みたいな。逆に今後、BAND-MAIDではこっちの歌い方をスパイスとして使えるようにできたらいいな、と思いながら歌ったりしてますっぽ。

──せっかくの機会なので各収録曲について聞かせてください。先に既発表の2曲、「PEACE&LOVE」と「Flapping wings」について聞いておきたいんですけど、やっぱりcluppoの始まりとなった楽曲たちだけに、特別な思い入れのあるものになったはずですよね?

cluppo:そうですっぽね。やっぱり自分の中では、この2曲があることによって今回のEPがまとまってる感じがとてもありますっぽ。特に「PEACE&LOVE」の始まり方はすごく特徴的じゃないですか。新曲がどれも雰囲気がバラバラなので、「曲順どうしようかな?」って結構迷ったんですけど、その2曲を入れることでちゃんとまとまったなって思いますっぽ。雰囲気としても、曲順としても。

──「PEACE&LOVE」については、最初の1曲でcluppoとしてのテーマ、つまり世界平和ということを掲げられたことも大きかったと思うんです。

cluppo:そうですっぽね。最初に私がいちばん伝えたい気持ちを全部詰め込んだ曲になっているので。

──そういう意味では、最初の1曲であるがゆえに歌詞を書くうえでは慎重にならざるを得ないところもあったのでは? そこで第一印象を左右されることにもなるだけに。

cluppo:そうですっぽね。キャッチーさも大事だし、自分の伝えたいこともたくさんあるし。「PEACE&LOVE」を出すのが決まった時点では、こんなに続けられるかどうかもわかってなかったですし。のちのちEPとかを出すなんていう話も毛頭なかったので、この1曲をどう料理しようかっていうところですごく悩みましたっぽね。



──先々のことを考える前に、まず目の前の1曲に詰め込もう、と?

cluppo:はい、でも、「PEACE&LOVE」があったからこそ、そこで言い切れなかった世界平和についてのことなんかを他の曲に角度の違うところから書けたりもしたので、それもとても大きかったですっぽね。

──あの曲がcluppoのスタンスを示す原点というか、ゼロ座標に位置するものになったわけですね。

cluppo:ホントにその通りだと思いますっぽ。

──実際、他の曲にもLOVEやPEACE、その同義語は出てきますしね。

cluppo:共通性というか、それを感じられるようにっていう意識を持ちながら書きましたっぽ。

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