【インタビュー】AI、アルバム『DREAM』に願い「メッセージを届け続けたい。私の方法は、やっぱり音楽」

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楽曲「アルデバラン」(NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」主題歌)が大ヒット中のAIから、ニューアルバム『DREAM』が届けられた。「アルデバラン」ほか、デジタルシングル曲「IN THE MIDDLE feat.三浦大知」「THE MOMENT feat.¥ellow Bucks」、さらに「First Time feat.RIEHATA」「パパへ」「WE HAVE A DREAM」などを収録した本作。R&B、HIP HOPとJ-POPをつなぐ音楽性をさらに進化させながら、現代に必要なメッセージを力強く打ち出した充実作だ。先ごろ公開したコラムのとおり、音楽だからこそ伝えられる、音楽にしか伝えられないメッセージがここにはある。

◆AI 画像

4年振りのオリジナルフルアルバムは、前述したようにミュージックビデオも話題となった三浦大知とのコラボ曲や、世界的トップダンサーダンサーRIEHATAをボーカリストに起用したデュエット曲など、フィーチャリング陣にも注目。限定盤特典映像には、2021年11月1日に東京国際フォーラムで行われたツアーファイナル<AI 20周年記念TOUR “IT'S ALL ME” FINAL ~AI Birthday Special>の模様を収録。代表曲を網羅したベストセットリストなライブを楽しむこともできる。

これまでになく真っ直ぐなタイトルに込めたのは、AIの願い。「いいものはいい、大事なことは大事。そう思ってタイトルを『DREAM』にしました」というAIに、本作に込めた思い、5月から始まる全国ツアーの展望などについて語ってもらった。

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■夢や目的があれば
■それが生きる理由になる

──ニューアルバム『DREAM』、素晴らしいです!

AI:嬉しいです! 作った甲斐がありました。

──AIさん自身のルーツになっている音楽が幅広いアーティストとのコラボレーションによってさらに広がっているし、何よりも前向きなメッセージに心を打たれました。まず『DREAM』というタイトルについて聞かせてもらえますか?

AI:アルバムの最後の曲「WE HAVE A DREAM」をレコーディングしているときに、スタッフに「そろそろタイトルを決めないと」と言われて。ぜんぜん思いつかなくて「タイトルなしじゃダメ?」とか言ってたんですけど(笑)、いろいろ考えているうちに、“カッコつけてもしょうがないな”と思い始めたんですよね。そのときパッと出てきたのが『DREAM』だったんです。周りの人たちは「え? シンプル過ぎない?」みたいな反応でしたけど。



──確かにめちゃくちゃストレートですよね。

AI:ちょっと前だったら私自身が、“シンプル過ぎる”と思っていたかもしれないですね。“DREAM”とか“LOVE”とか“PEACE”みたいな言葉って……私の子どもは“平和”って名前なんですけど(笑)。それは置いておいても、ちょっと嘘っぽく聞こえてた言葉かもなって。でも、今は1周も2周も回って、“これがいい”という感じになって。普段だったら、“ちょっとヒネくれてる人にも受け取ってもらえる言葉って何だろう?”と考えるし、なるべくみんなに納得してもらいたいと思うんですけど、そういうことも全部超えて、“いい言葉だから、これにしよう”と。いいものはいいし、大事なことは大事。ダサくても何でも『DREAM』で!という感じでした。ジャケット写真がモノクロで、顔のアップになることは決まってたから、「この写真に『DREAM』という文字が乗ってたら、よくない?」って話して。最終的にはスタッフのみんなも納得してくれましたね。

──なるほど。“DERAM”、今の社会に必要な言葉だと思います。

AI:そうですよね。私自身にも必要というか、“DERAM”が足りないと感じていて。こういう仕事を始めた頃は、“グラミー賞を獲りたい!”とか“あのアーティストとコラボしたい!”とか、たくさん夢があったんです。その後、いろんな経験を積むなかで、打ちのめされたり上手くいったりしていくうちに、だんだん夢がなくなってきた気がする。それはたぶん私だけじゃなくて、大人になるにつれて、“夢を語るのが恥ずかしい”とか“夢そのものがなくなった”という人も多いと思うんですよね。でも、やっぱり夢は大事。目的や夢があれば、それが生きる理由になるので。

──特にコロナ禍以降は、思い描いていた目標がとん挫した人も多いだろうし……。

AI:夢を諦めざるを得なかった人もたくさんいると思います。身近なところだと、大好きでよく行ってたお店がなくなってしまったり。世界中でそういうことが起きてる。だけど、この先に進むためには新しい夢や目標が必要なんですよね。そういうメッセージも、今回のアルバムに込めています。


──ちなみにAIさんの今の夢は?

AI:えーと、まずは部屋を掃除することですね。

──ははは。大事です。

AI:そう、すごく大事なんですよ! 毎年「今年の目標は部屋を片付けること」と言ってるんですけど、ぜんぜんできないので。洋服やバックが山積みになっててドアが開かなくなったこともあるし(笑)、それこそこの前、飼ってる猫がそこに閉じ込められちゃったり。部屋の掃除って、いざやろうと思ったらすごくパワーがいるし。夢が叶ったら、たぶん泣くでしょうね(笑)。

──大きな夢だけじゃなくて、日常的な夢も必要ですよね。

AI:そうですよ。こういう状況だと、今年1年、健康で過ごせるだけでありがたいなって……まあ、それはコロナの前からずっとそうなんですけど。何事もなく、元気で歌えることって奇跡ですよ。

──では、収録曲についても聞かせてください。まずは「アルデバラン」。NHK朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の主題歌として話題を集めて、今も多くのリスナーの共感を集め続けています。

AI:音楽番組やイベントなどで歌う機会もたくさんあって、歌えば歌うほど鍛えられる感じがしますね。新しい曲なんですけど、「Story」や「ハピネス」と同じくらい大事な曲になりつつあります。

──YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』のパフォーマンスも最高でした。

AI:ありがとうございます。あのときはピアノ1本のアレンジだったから、私のテンポで歌えて、すごくやりやすかったんですよ。コーラス隊も素晴らしくて、“この人たちがいたら、何でもやれる!”という感じでした。ライブにも参加してくれた植松陽介さん、高橋あず美さんを中心にしたコーラス隊なんですけど、それぞれがアーティストだし、すごい才能の持ち主ばかりなんです。「アルデバラン」を通して、彼らのこともぜひ知ってほしいなって思いますね。



──新曲も充実していて。まずは「Welcome Rain」は“晴れの日だけじゃ 花は育たない”という歌詞が印象的なナンバーです。透明感と浮遊感のあるメロディも素敵ですが、普段の歌い方とはかなり違うイメージですよね。

AI:この曲のレコーディング、大変だったんですよ(笑)。Nao‘ymtくんが作ってくれた曲で、歌詞もトラックもメロディも素晴らしくて。すぐに“歌いたい!”と思って仮歌を入れたんだけど、ぜんぜんダメだったんです(笑)。というのも、Aメロのところは“息がいくらあっても足りない”という感じだし、ビブラートをかけずに、真っ直ぐに歌うことも難しくて。感情を抑えるところからスタートして、“Welcome Rain”という一節から始まるサビではしっかり感情を込めてるんですけど、そのバランスを掴むことにも時間がかかりましたね。

──AIさんにとっても新しいチャレンジだった、と。

AI:そうですね。今までに歌ったことないテイストだったし、“こういう世界には入ったことがないな”って。すごくいい曲だから、どうしても自分で掴みたかったんですよ。いろんな歌い方を試したし、コード進行もハモリのフレーズも新鮮。最終的には、歌詞を感じながら歌えたので、それはよかったなって。

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