【ライブレポート】the GazettE、20周年。どの時代の輝きもそのままに

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現在から20年前の2002年に結成され、同年3月10日に目黒鹿鳴館で1stライブを行ったthe GazettE。以降着実にスケールアップを果たし、アリーナ公演や海外進出も実現させるなど、彼らはヴィジュアル系を代表するアーティストのひとつとして君臨し続けている。そんなthe GazettEが20周年を記念したライブ<20th ANNIVERSARY -HERESY->を、3月10日に国立代々木競技場 第一体育館で行なった。

◆ライブ写真

the GazettEは2020年3月10日に武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナで18周年公演を開催する予定だったが、コロナ禍が起こったことを受けて中止を決断。その後2021年後半まで一切のライブ活動をストップさせたため、今回の公演は5年ぶりのアニバーサリーライブとなった。さらに、ライブ活動の再開を告げた<LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE>(2021年9月から12月にかけて東名阪で実施)に続くライブという位置づけだったこともポイントといえる。

<LIVE 2021 -DEMONSTRATION EXPERIMENT- BLINDING HOPE>が素晴らしいライブだっただけに、the GazettEとファンの双方がモチベーションの高い状態で今回のライブに向かっていったことは想像に難くない。当日の国立代々木競技場 第一体育館は2階スタンド席の最後列までオーディエンスで埋まり、場内は開演前から熱気に包まれていた。


ライブは「UNDYING」「Filth in the beauty」「DAWN」というハードチューンを続けて聴かせる流れからスタート。メンバー全員がカッチリとしたシルエットのブラックジャケットを纏い、激しいステージングを展開しながら会場を揺する轟音を響かせる姿は最高にカッコいい。そんなthe GazettEに応えてオーディエンスもオープニングからヘッドバンギングや折り畳みといった熱いリアクションを見せ、ライブは上々の滑り出しとなった。

「二十歳になりました。コロナ禍の中、こんなに沢山の人が来てくれるとはちょっと思っていない部分もあったんですけど、来た以上は精一杯全力でみんなのことを楽しませるので、よろしくお願いします。俺らが、お前達に20年分の感謝を届けたい。そんな日にしたいと思います」というRUKI(Vo)のMCを挟んだ後、セカンドブロックではアッパーな「INSIDE BEAST」や妖艶さを放ちながら疾走する「ガンジスに紅い薔薇」、ハイテンションな「裏切る舌」などが相次いで演奏された。ステージ両サイドに設けられたサブステージまで使い切るスケールの大きなパフォーマンスは観応えがあるし、常にサウンドがタイトなのも実に見事。“the GazettEはデカい会場が本当に似合うな”と、あらためて思わずにいられなかった。


ライブ中盤では重厚なサウンドとRUKIの激情的なボーカルを活かした「Falling」やエモーショナルなスローチューンの「紅蓮」、ダーク&ヘヴィな「BABYLON’S TABOO」「DOGMA」などをプレイ。いわゆる“引きずり込み系”のナンバーを並べていながら中だるみしたり、グジャッとした印象にならないことに驚かされた。これは楽曲の良質さに加えて、メンバー全員のプレイヤーとしての優れたスキルによるところが大きい。the GazettEが20年に亘って築いてきたバンドとしての表現力の高さは圧倒的で、ストーリー性を感じさせながら世界観を深めていく流れに惹き込まれた。

「今頃には普通に声を出してライブができるかなと思ったんですけど。久しくさ、お前らの声を聞いてないわけよ、俺ら。だから淋しいけど、今日は今までで1番デカい拍手を聞かせてよ。俺らもめちゃくちゃデカい音でお前らに応えるから暴れていこうぜ。声なんかなくても関係ねぇよな! 俺らは、俺ららしく暴れようぜ!」というRUKIのアジテーションに続いて、ライブ後半では躍動感に溢れた「VORTEX」や“尖ったレトロ感”を打ち出した「赤いワンピース」、切迫感を放つ歌中とキャッチー&パワフルなサビを配した「TOMORROW NEVER DIES」などが畳みかけるように演奏された。


華やかなオーラを発しながらステージを行き来して、情熱的な歌声を聴かせるRUKI。内面の熱さを露わにしたステージングと華麗なギターソロで魅了する麗(G)。クールな表情でソリッドなバッキングとエモーショナルなリードワークを展開する葵(G)。ベースを膝の辺りに構えたシルエットと怒涛の重低音が魅力的なREITA(B)。手数の多い凝ったパターンを全力で叩ききるドラミングでバンドの屋台骨を支える戒(Dr)。5つの異なる個性が生み出すケミストリーやバンド感が一層強固なものになっていることを感じずにいられない。オーディエンスも激しさと一体感を併せ持った熱狂的なリアクションを見せ、盛大な盛り上がりで本編は締め括られた。

アンコールではスタイリッシュな「SHIVER」や翳りを帯びたミディアムチューンの「Cassis」、パンクに通じる爽快感を活かした「LINDA~candydive Pinky heaven~」などを披露。重厚さを打ち出した本編とは一味違って瞬発力やキレのよさで魅せるアンコールも楽しめ、懐かしいナンバーの連続にオーディエンスは喜びを炸裂させていた。広大な国立代々木競技場 第一体育館は完全にthe GazettEの世界となり、メンバーやオーディエンス、スタッフといった総ての人の心に強く残る一夜になったことを感じさせ、the GazettEはステージから去っていった。


約3年ぶりとなるアリーナ公演で、濃密なライブを披露してみせたthe GazettE。今回のライブはアニバーサリーライブにふさわしく新旧織り交ぜたセットリストになっていて、彼らが常に進化や変化を遂げてきたことや彼らの音楽性の高さなどを再確認できた。いつの時期の楽曲も非常に良質で、the GazettEが常に真摯な姿勢で音楽と向き合い、厳しい姿勢で作品を作ってきたことは疑う余地がない。特異な存在感やキャラクター面で語られることが多いthe GazettEだが、彼らは非常に厳格な音楽至上主義のバンドといえる。だからこそ彼らは20年に亘ってリスナーから厚い支持を得続けていて、それは今後も変わることはないだろう。20周年という大きな節目もthe GazettEにとっては単なる通過点に過ぎず、ここからさらに魅力を増していくことを強く予感させるライブだった。


最後に、今回のライブでメンバーそれぞれが語った言葉を記しておこう。

「やっぱり20年って長いよね。夢を見続けるというのは正直言ってそんなに簡単に守れることじゃなくて、全然平坦な道ではなかったと思います。変わらずにバンドをここに立たせてくれる、この場所を守ってくれているのはthe GazettEが好きだと言ってくれているみんな、ここにいる1人1人だと俺は思います。ここに集まってくれたみんなが同じ夢を見てくれるという奇跡があって、みんなが照らしてくれているからこそ、このステージが成り立っているんだなと思います。ここまで付いてきてくれて、ありがとうございます。この先もみんなで同じ夢を、人生の中でできるだけ長く一緒に見てください。20年間支えてくれたことを、心から感謝します」(RUKI)

「皆さん、今日はありがとうございました。僕らも初めてライブをやってから20年。その間多くの方に支えられて、多くのことを学びながら歩むことができました。その総てが自分を磨いてくれて、自分達を輝かせてくれているんだと思っています。僕は一番飽き性で、ちゃらんぽらんなところがあって、そのたびに4人に助けられながらやってきました。この4人でなければ自分にとって意味のないことなんじゃないかなと思っています。(メンバーに向かって)そんな僕の手を離さずに一緒に歩いてくれて、どうもありがとうございました。そして、みんなも本当に、どうもありがとう」(葵)

「お疲れ様でした。こんな世の中ですけども、これだけの人に今日祝ってもらって本当に幸せです。そして、今日来れなかったヤツラのね、生霊がこの辺にうじゃうじゃいるので拍手してやってください。20年やっているバンドはそれなりにいますけど、20年ずっと走り続けたバンドはなかなかいないと思っています。そして、俺達はそれができていると思っているし、これからも走り続けるつもりなので、皆さん一緒に走りましょう。本当に今日は、ありがとうございました。愛しています」(REITA)

「ありがとうございます。20年間変わらず、こういう空間を作り続けていられるのは本当にみんなのお陰です。変わらないということは、すごく難しいことなんですよ、実は。すごくパワーが必要なことで、みんなが変わらないでいてくれるから俺らもスタイルを変えずに貫いていけるんだなと思っています。なので、これからも変わらずに、よろしくお願いします。ありがとうございました」(戒)

「20年バンドをやってきてシンプルに思うことは、これまで支えてくれたファンの皆さんへの感謝の気持ちに尽きます。本当に、皆さんありがとうございます。20年やってきて、深い絆を感じます。その絆で20年経ったけど、これから先も30年40年と、50年60年と、70年80年と、90年100年と突っ走っていきましょう(笑)。よろしくお願いします。ありがとうございました」(麗)


取材・文◎村上孝之
写真◎Keiko Tanabe, Kyoka Uemizo, Yoshihiro Mori


セットリスト

1.UNDYING
2.Filth in the beauty
3.DAWN
4.INSIDE BEAST
5.REGRET
6.ガンジスに紅い薔薇
7.裏切る舌
8.THE SUICIDE CIRCUS
9.Falling
10.紅蓮
11.飼育れた春、変われぬ春
12.BABYLON’S TABOO
13.DOGMA
14.VORTEX
15.赤いワンピース
16.UGLY
17.TOMORROW NEVER DIES
18.UNFINISHED

EN1.SHIVER
EN2.Cassis
EN3.貴女ノ為ノ此ノ命。
EN4.LINDA~candydive Pinky heaven~
EN5.未成年

WEN1.春雪の頃
WEM2.LAST SONG

<the GazettE LIVE TOUR2022 -MASS- / PHASE 01-COUNT "DECEM">

2022年5月13日(金) 羽生市産業文化ホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

2022年5月14日(土) 羽生市産業文化ホール
OPEN17:15 / START18:00
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

2022年5月21日(土) 千葉県文化会館 大ホール
OPEN17:15 / START18:00
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

2022年5月27日(金) 福岡市民会館 大ホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] キョードー西日本 TEL:0570-09-2424
※11:00~17:00・日曜日/祝日休

2022年6月1日(水) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] サンデーフォークプロモーション TEL:052-320-9100

2022年6月5日(日) 仙台サンプラザホール
OPEN17:15 / START18:00
[INFORMATION] キョードー東北 TEL:022-217-7788

2022年6月9日(木) 相模女子大学 グリーンホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

2022年6月12日(日) ホクト文化ホール 中ホール
OPEN17:15 / START18:00
[INFORMATION] FOB新潟 TEL:025-229-5000

2022年6月17日(金) よこすか芸術劇場
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

2022年6月22日(水) フェニーチェ堺
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] キョードーインフォメーション TEL:0570-200-888

2022年7月2日(土) カナモトホール(札幌市民ホール)
OPEN17:15 / START18:00
[INFORMATION] WESS info@wess.co.jp
※メールからのお問い合わせのみとなります

2022年7月8日(金) 広島 JMSアステールプラザ 大ホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] 夢番地広島 TEL:082-249-3571

2022年7月14日(木) 中野サンプラザホール
OPEN17:45 / START18:30
[INFORMATION] DISK GARAGE TEL:050-5533-0888

[チケット情報]
全席指定 前売¥7,500(税込)
※未就学児入場不可、諸サービス手数料別

《FC.HERESY最速先行受付》
お申し込み受付期間:3月10日(木)22:00~3月21日(月・祝)23:59
抽選結果確認期間:3月26日(土)13:00~3月28日(月)18:00
入金期間:3月26日(土)13:00~3月29日(火)21:00
最速先行受付に関する詳細はコチラ▷ https://fc-heresy.com/ja/free/ticket/

[OFFICIAL FAN CLUB「HERESY」新規入会のご案内]
3月20日(日)までにOFFICIAL FAN CLUB「HERESY」へご入会(入金等のお手続き含む)されたお客様は、最速先行受付へお申し込みいただけます。
※受付期間内に会員番号が発行されますとご応募が可能となります。
ご入会はコチラ▷ http://fc-heresy.com/ja/entry/

《チケット一般発売日》
5月13日(金)~5月27日(金) 開催公演:4月30日(土)発売
6月1日(水)~7月14日(木) 開催公演:5月21日(土)発売

アルバム『MASS』

2021年5月26日(水)リリース

Streaming & Download
https://smr.lnk.to/BLINDING_HOPE_

■【LIMITED EDITION BOX A (完全生産限定)】
CD+Blu-ray+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様
10,500円(税込) SRCL-11770~11772
[CD収録内容]
全11曲
[Blu-ray収録内容]
“BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO

■【LIMITED EDITION BOX B (完全生産限定)】
CD+DVD+特製アートブックを同梱した豪華BOX仕様
10,500円(税込) SRCL-11773~11775
[CD収録内容]
全11曲
[DVD収録内容]
“BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO

■【初回生産限定盤】
CD+DVD 2枚組仕様
4,600円(税込) SRCL-11776~11777
[CD収録内容]
全11曲
[DVD収録内容]
“BLINDING HOPE“MUSIC VIDEO+Making of “BLINDING HOPE“ MUSIC VIDEO

■【通常盤】
CD only
3,300円(税込) SRCL-11778
[CD収録内容] 全11曲

トラックリスト
01. COUNT-10
02. BLINDING HOPE 03. ROLLIN'
04. NOX
05. HOLD
06. 濁
07. THE PALE
08. MOMENT
09. BARBARIAN
10. FRENZY
11. LAST SONG

ライブ映像作品 商品情報

the GazettE DVDライブ映像全6作品(通常盤のみ) Blu-ray盤登場
2022年3月9日(水)発売

詳細:
https://the-gazette.com/2022_BDrelease/

(1)THE NAMELESS LIBERTY AT 10.12.26 TOKYO DOME
6,380円(税込)/5,800円(税抜)
SRXL-323
(DVD:2011年4月6日リリース)

(2)TOUR11-12 VENOMOUS CELL FINALE OMEGA LIVE AT 01.14 YOKOHAMA ARENA
6,380円(税込)/5,800円(税抜)
SRXL-324
(DVD:2012年5月9日リリース)

(3)the GazettE 10TH ANNIVERSARY THE DECADE LIVE AT 03.10 MAKUHARI MESSE
5,856円(税込)/5,324円(税抜)
SRXL-325
(DVD:2013年1月9日リリース)

(4)the GazettE LIVE TOUR 12-13【DIVISION】FINAL MELT LIVE AT 03.10
SAITAMA SUPER ARENA
6,380円(税込)/5,800円(税抜)
SRXL-326
(DVD:2013年6月26日リリース)

(5)the GazettE LIVE TOUR13-14 [MAGNIFICENT MALFORMED BOX] FINAL CODA LIVE AT 01.11 YOKOHAMA ARENA
6,380円(税込)/5,800円(税抜)
SRXL-327
(DVD:2014年5月21日リリース)

(6)STANDING LIVE TOUR 14 HERESY LIMITED -再定義- 
6,050円(税込)/ 5,500円(税抜)
SRXL-328
(DVD:2015年3月11日リリース)

◆the GazettE オフィシャルサイト
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