【ライブレポート】miwa、久しぶりの有観客ツアーで届けた多彩な輝きと“今の自分らしさ”

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miwaによる東名阪ツアー<miwa concert tour 2022 "Sparkle">が、本日3月20日の愛知公演でツアーファイナルを迎えた。本記事では前日19日に行われた東京公演の模様をレポートでお届けする。

◆ライブ写真

今年2月23日に、最新作『Sparkle』をリリースしたmiwa。前作『SPLASH☆WORLD』(2017年2月)から5年ぶりとなるオリジナルアルバムを完成させて、さらにレコ発当日から東名阪ツアーも開催するという彼女の動きに、“この日が来るのを、首を長くして待っていた!”と歓喜したリスナーは多かったに違いない。それを裏づけるようにツアー初日を飾った大阪・オリックス劇場は大盛況となり、miwaへの期待がさらに高まる中3月19日にTOKYO DOME CITY HALLで東京公演が行われた。

miwaのニューアルバム『Sparkle』は“自分らしくあれ”というメッセージが全体を覆うテーマとしてありつつ音楽性の面では多彩さをみせていることが印象的だ。ウォームなナンバーや壮大なスケール感を放つ曲、ロック・テイストを打ち出したもの、アンプラグド……等々、全曲が異なるテイストともいえるカラフルなアルバムとなっている。そんな作品を携えたツアーにふさわしい表情豊かなライブになるのか? もしくは、『Sparkle』の一面を押し出したライブになるのか? どんなライブになるのだろうと思いを巡らしながら開演を待った。

場内が暗転して客席から熱い拍手が湧き起こる中miwaがステージに姿を表し、ライブはロック感を放つ「Storyteller」と「again×again」を続けて聴かせる流れからスタート。ステージ中央にスッと立ち、ストラトキャスターを弾きながら歌うmiwaの姿は存在感に満ちているし、パワフルなサウンドと透明感を湛えた歌声の取り合わせは独自の魅力を放っている。力強い幕開けにオーディエンスも熱いリアクションを見せ、ライブが始まると同時に場内は華やかな空間へと染まった。

「こんばんは、miwaでーす! 本当に久しぶりのアルバムで、久しぶりのツアーで、こうやって今日はみんなと会うことができて本当に嬉しく思っています。皆さん大変な、大変な毎日だと思いますが、今日この瞬間だけはいろんなことを忘れて、一緒に思いきり楽しめたらいいなといいなと思います。最後まで、よろしくね」という最初のMCを挟んだ後は、サンバが香る「君に出会えたから」と爽やかな「ミラクル」を披露。抜群の安定感を誇るボーカルと心地よく気持ちを引き上げるサウンド、そして間奏やアウトロで笑顔を浮かべながらステージを行き来するmiwaの姿などに、客席は終始いいムードで盛り上がっていた。

ライブ中盤では、かつての恋を思い返す心情を弾き語りで歌う「Dear days」や繊細かつメロディアスな「君の声が」、翳りを帯びた世界から始まり後半に向けてクレッシェンドしていく「神無-KANNA-」を続けてプレイ。こういったナンバーを聴くと、miwaが世界観作りに長けていることを強く感じさせられる。それは、それぞれの楽曲で伝えたいことや描きたい情景が明確なことに加えて、彼女の秀でた歌唱力によるところが大きい。ピッチやリズムのよさや豊かな表現力を備えたmiwaの歌は本当に聴き応えがあったし、楽曲のカラーに合わせて歌うのではなく、彼女の歌が生み出す世界観をバックのサウンドが増幅させているように感じることが印象的だった。

miwaの素顔に触れられる和やかなMCも交えつつライブは進み、軽快に疾走する「chAngE」からライブは後半へ。クールな歌中とアッパーなサビのコントラストを活かした「アイヲトウ」とウォームな「CLEAR」でオーディエンスをさらに沸かせた後、煌びやかさを放つミディアム・チューンの「Who I Am」と「ヒカリへ」が届けられた。力強さや前向きさを放ちながら外に向かって弾けるのではなく、深く心に染みるというmiwaならではの持ち味はライブで一層映える。場内を埋めたオーディエンスが強く惹き込まれて、miwaの世界に浸っていることが如実に感じられた。

「『Sparkle』というアルバムは“自分らしくあるために”というメッセージが沢山込められています。そんな中で、「Sparkle」は“自分らしく輝く”ということをテーマにした曲だと思っています。みんな、なかなか自分らしくいられなくて、どうしたらいいんだろうと思い悩む日もあると思います。そんなときに自分が自分の一番の味方であれるように、自分で自分の背中を押せるように。そんな勇気が湧いてくるように、この「Sparkle」を歌いたいと思います」というmiwaの言葉と共に本編の締め括りとして「Sparkle」が演奏された。「Who I Am」や「ヒカリへ」のテイストをより高い次元に昇華した感のある「Sparkle」は非常に良質な1曲だ。多幸感や壮大なスケール感を湛えた「Sparkle」を歌い終えてmiwaがステージから去ったTOKYO DOME CITY HALLの場内は感動的な余韻に包まれていた。




久しぶりのツアーでブランクを感じさせないどころか、より進化を遂げた姿を見せたmiwa。今回のライブは『Sparkle』というアルバムと同じく幅広さを見せ、そのどれもが上質なことに圧倒された。多面性が散漫さに繋がることなく、総ての要素がお互いを一層引き立て合う形になっていたのはさすがといえる。そして、そういうスタイルが今のmiwaの“自分らしさ”なんだなということを強く感じることができた。

『Sparkle』のリリースを機に、miwaはさらなるスケールアップを果たすに違いない……そんなことを予感させる良質なライブだったこともあり、今後の彼女の活躍が本当に楽しみだ。

取材・文◎村上孝之
写真◎佐藤薫

セットリスト<miwa concert tour 2022 "Sparkle">東京公演

2022年3月19日(土)TOKYO DOME CITY HALL
1.Storyteller
2.again×again
3.リブート
4.君に出会えたから
5.ミラクル
6.Dear days
7.君の声が
8.神無-KANNA-
9.chAngE
10.アイヲトウ
11.CLEAR
12.Who I Am
13.ヒカリへ
14.Sparkle
EN1.441
EN2.リトルガール
EN3.春になったら

アルバム『Sparkle』

2022年2月23日(水)発売
https://miwa.lnk.to/sparkle

【初回生産限定盤A (CD+Blu-ray+豪華ブックレット)】 ¥6,100(税込)SRCL-12054-12055
【初回生産限定盤B (CD+Blu-ray)】 ¥5,500(税込) SRCL-12056-12057
【初回仕様限定盤(CD)】 ¥3,300(税込) SRCL-12058

<CD>(全形態共通)
1. Sparkle
2. CLEAR
3. リブート
4. UUU
5. DAITAN!
6. ティーンエイジドリーム
7. Holiday
8. Aye
9. アイヲトウ
10. Storyteller
11. 神無-KANNA-
12. 君の声が
13. Who I Am (Album Version)

<初回生産限定盤A / Blu-ray>
miwa Billboard Live Tour 2021 “miwa CLASSIC” – LIVE at Billboard Live TOKYO
1.Delight
2.friend ~君が笑えば~
3.アイヲトウ
4.みんなでお楽しみメドレー (春になったら / ミラクル / シャイニー / 君に出会えたから)
5.月食 ~winter moon~
6.片想い
7.オトシモノ
8.Faith
9.ヒカリへ
10.神無-KANNA-

<初回生産限定盤B / Blu-ray>
miwa clips vol.3
1. Princess
2. 結 -ゆい-
3. シャイニー
4. アップデート
5. タイトル
6. RUN FUN RUN
7. リブート
8. Storyteller
9. ティーンエイジドリーム
10. DAITAN!
11. 神無-KANNA-
12. アイヲトウ
13. Sparkle
14. Sparkle (Music Video Making)

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