【インタビュー】松下優也、表現者のこだわりと果てなき欲求が詰まったカバーAL『うたふぇち 伝わりますか』

ポスト

■歌をちゃんと表現したいんですよ。
■歌が上手い人はいくらでもいるけど、表現力のある人ってどれだけいる?って思っていて。


──環境の変化やここ2〜3年の活動で得たものが、今回のカバー・アルバムに繋がっている部分もあるかもしれないですよね。

松下優也:だから今回、だいぶディープな選曲になりましたし、ただ曲を歌いたいだけじゃなくて、歌をちゃんと表現したいんですよ。歌が上手い人はいくらでもいるけど、表現力のある人ってどれだけいる?って思っていて。特に自分は芝居をやっているから、余計に敏感なのかもしれないです。もちろん歌のテクニック的な部分もあるけど、表現力は大切にしたかった。それと、歌でも芝居でも、感覚でものを作る時は、感覚と感覚の間にそうではないものを挟んでいくのが一番いいと思っていて。まず感覚で受け入れてから頭で考えて、感覚ではないところで構築していって、最後は感覚でいく。あと、感覚の話だと、尾崎豊さんって、映像で見た時にすごくエモーショナルなライブするじゃないですか。あれってそうそうできることじゃないし、たまにしか出ないと思うんですよ。それこそ感覚ですよね。羨ましいと思うのは、そういう部分で、それがいつか出る日を願いながら、常に練習をする。一表現者として、自分もたまに出たらいいなと思います。今回のカバー・アルバムもそうだし、表現をすることにおいて、大切にしたいポイントです。

──先ほどの芝居をする上で本物になるよう持っていく話じゃないですが、内側から発せられるものを一番美しく出したいという部分が出てるアルバムですよね。

松下優也:ありがとうございます。この間やっていた舞台の演出の白井(晃)さんが「松下は自分に嘘をつけないやつだよな」って仰っていて、すごいわかってくれているなって思ったんですよね。自分で言うのも変だけど、俺、めちゃくちゃ素直な人間だし、いいとか悪いとか全部顔に出ちゃうから、思ってもいないことは絶対にできない。だから表現においても、取り繕うことじゃなくて、自分に嘘をつかないことを意識しますね。

──難しい曲もクリアしていくことが楽しかった部分もありますか?

松下優也:ありますね。自分は自分より優れている人たちが好きだし、ちょっと頑張らなきゃ超えられない壁の方が面白いじゃないですか。人生って一生レベル上げのゲームだと思っていて。余裕でできちゃうものなんてなにも楽しくないし、雑魚ばっかりと戦っていてもレベルは上がらないから、無理してでもボスと戦わないとっていう。全部それですね。

──最後に、アルバムのタイトルの話も伺いたいんですが、『うたふぇち 伝わりますか』というタイトルもユニークですよね。

松下優也:これだけ日本語の曲ばかりなのに、さっきの話じゃないですけど『YUYA MATSUSHITAなんちゃらかんちゃら…』みたいなのにはしたくなくて。人がやっていないことを考えつつ、一発で覚えてもらえるようなものにしたかったから、『歌なんとか』みたいなのがいいなって元々考えていました。そうしたら打ち合わせの時にディレクターの方が、「俺は〈うたふぇち〉なんだよ」って話をしていて、それええなって思って、タイトルそれでいいじゃないですかと。

──うたふぇちって、具体的にどういうフェチなんでしょうね?(笑)

松下優也:わかんないです(笑)。でも、それぞれが自分なりのうたふぇちを持っているだろうし、自分も結構うたふぇちな方だと思うんで。上手い人がどんどん出てきていることも素晴らしいとは思うけど、自分の好きな人たちってみんなクセのある人たちばかりだし、好き嫌いもあるから、そういう意味でうたふぇちだなって思います。


▲『うたふぇち 伝わりますか』通常盤

──改めてお話を聞いてからアーティスト写真を見ると、フェチっていうものとリンクしている表情だなと感じました。

松下優也:写真はこだわりました。アー写もそうだし、ジャケ写もそうなんですけど、ちょうどいいものって一番難しい。尾崎豊さんの写真って自分から見るとフラットに写っていてかっこいいなと思って。そういうのって意外と多くないんですよね。自分が見ていて自然とかっこいいなと思う人がそういう写真だったんです。だから今回はデザイナーさんにも伝えましたし、結果的にナチュラルだけど、カッコつけていないカッコよさを表現したものになりました。首が曲がっているところもフェチっぽい?それは偶然ですね(笑)。でもそうやって捉えてくれているのはありがたいです。

──第二弾の構想はありますか?

松下優也:続きをやりたいですねって話は出ていて、自分もやりたいなって思っています。今回の『うたふぇち 伝わりますか』を出すことによって、こういう曲が聴きたいっていうリクエストが出てくるかもしれないし、やるなら今回とは違うテイストにしたいですね。

取材・文◎長澤香奈

■邦楽カバーアルバム『うたふぇち 伝わりますか』

2022年3月30日(水)リリース
【初回限定盤】[1CD+1DVD]
TECI-1777/¥5,500
DVD収録内容:レコーディング、Jacket撮影メイキング映像(68分)

【通常盤】[1CD]
TECI-1778/¥3,300

【テイチクオンラインショップ限定 初回生産限定セット】
価格:¥16,500
・松下優也「うたふぇち 伝わりますか」初回限定盤(TECI-1777)/アルバムCD+DVD
・松下優也オリジナルTシャツ(ネイビー/Lサイズのみ/オリジナルロゴ入り衣類圧縮袋入り)
・松下優也オリジナルキーケース(ネイビー)

テイチクオンラインショップ
https://teichiku-shop.com/products/detail/TES0001NYV

[収録曲](全10曲)初回限定盤/通常盤 共通
01. スローなブギにしてくれ(I want you)
02. 傘がない
03. 行かないで
04. 最後の雨
05. 伝わりますか
06. ノンフィクション
07. 僕が死のうと思ったのは
08. 生きてることが辛いなら
09. ファイト!
10. 僕が僕であるために

【発売記念イベント】
日程:2022年4月10日(日)
時間:12:00~
配信ミニライブ

詳細:
https://www.teichiku.co.jp/artist/matsushita-yuya/

◆『うたふぇち 伝わりますか』初回生産限定セット詳細(テイチクオンラインショップ)
◆松下優也 オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報