【レポート】石原詢子、念願の<初吟会>開催「詩吟の良さをもっとうまく伝えたい」

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▲詢風会家元としての挨拶

演歌歌手である石原詢子は、亡き父から受け継いだ詩吟流派 揖水流の家元として指導にもあたる吟詠家の顔を持っている。コロナ禍でも全国の愛吟家へリモートで指導し続け、このたび念願の自身主催の吟詠会<揖水流 詢風会 初吟会2022>を3月22日に大阪会場、3月25日に東京会場で開催した。

◆石原詢子 画像

幼い頃より家元である父から詩吟の指導を受けてきた石原詢子は1988年に演歌歌手デビュー。「みれん酒」「ふたり傘」で過去2度の『NHK紅白歌合戦』出場を果たしている。そんな石原のもうひとつの顔が、詩吟の家元だ。揖水流宗家の長女として生まれた石原は、亡き父親の遺志を継ぎ、演歌歌手としての活動を続けながら自らが師となり、2018年に東京、大阪を拠点とした詩吟教室を開講した。


▲真剣な眼差しで見つめる生徒の吟詠

新型コロナウィルス感染拡大によって対面講義を行うことが難しくなった、2020年。しかし、その苦境に屈することなくオンライン授業のクラスを新設することで講義を継続し、新たに“初心者クラス”も開講した。オンラインによって、これまで東京や大阪の教室に通えなかった地域の在住者も参加ができるようになるなど、受講者は全国的に増えていったという。

教室は3つのクラスに分かれている。健康維持を目的とした“趣味・健康クラス”、吟詠能力の向上を目指す“上達クラス”、師範を目指す“育成クラス”だ。<初吟会>は、各クラスの生徒の練習の成果を発表する場として開催されたものであり、東京および大阪の2会場では石原の指導を受けた全国の詩吟愛好家約50名が、晴れの舞台で自慢の喉を披露した。


▲生徒の席に交じって見守る舞台

生徒たちは今回の<初吟会>に向けて、それぞれがリモート教室等での指導の下に自主練習を重ね、その成果を余すことなく発揮。春にふさわしく、晴れ晴れしい華やかな会となった。コロナ対策のため、吟詠会恒例の参加者全員で一斉に詩吟を吟ずる“合吟”はなかったものの、締めくくりに家元の石原が力強い詩吟で会のさらなる発展を約束し、参加者たちの心をひとつにした。

「多くのみなさまが詩吟に興味を持っていただき、今まで続けてきてくださっていることがとても嬉しいですね。詩吟の奥深さ、楽しさが少しでもみなさんに伝わっているのかなと思うと、これからますます頑張らないと!と思います。詩吟教室に参加してくださるみなさんはとても熱心な方が多いので、みなさんがこれまでたくさん練習してきたことの結果と披露できる歓びを感じることができた今回の初吟会で、改めて私自身のモチベーションも高まりますし、もっと多くの方に詩吟を知っていただきたい、もっと詩吟の良さをうまく伝えたいという欲が出てきます。
 今後は若い世代、特に今の子供たちにも日本古来の伝統である詩吟に興味を持ってもらうために、10代の方に無料で詩吟教室を体験してもらいたいと考えています。大会出場や師範として詩吟の世界で活躍出来るような若い世代がこれから先、育ってくれることが今の目標です」──石原詢子


▲演歌歌手・石原詢子として歌声も披露

参加者は、家元としての石原詢子の印象について「優しくて懇切丁寧に教えてくれる」「厳しさの中に優しさがあるので毎回頑張ろうと思える」「リモートでも壁は全く感じさせず、本当に丁寧な指導で、詢風会での詩吟はオススメです」と語った。また今後の目標として「武道館で吟じること」「自身の住む地域に支部を作って詩吟の奥深さ、楽しさを広めたい」「師範になって教えられるようになりたい」など、参加者それぞれに高い志を持って詩吟に臨む様子がうかがえた。

石原詢子は、シンガーソングライター古内東子提供楽曲「ただそばにいてくれて」で新境地を開拓。最近ではSNSで発信する2匹の愛猫との生活が話題となった。そして、2022年10月よりデビュー35周年イヤーがスタートする。

■石原詢子 詩吟略歴

昭和50年 第19回中部九県詩吟大会中部幼少年の部優勝
昭和51年 第20回中部九県詩吟大会少年の部優勝
昭和52年 第21回中部九県詩吟大会少年の部優勝
昭和53年 日本コロンビア詩吟音楽会中部幼年の部優勝、日本コロンビア詩吟音楽会全国大会最優秀賞受賞
昭和55年 師範代任命
昭和56年 財団法人日本詩吟大会少年の部岐阜地区優勝、財団法人日本詩吟大会少年の部中部地区優勝、財団法人日本詩吟大会少年の部全国大会第7位入賞、全国吟道祭中部地区代表
昭和58年 財団法人日本吟詠大会青年の部岐阜県優勝、財団法人日本吟詠大会青年の部中部地区3位入賞
平成30年 家元継承

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