【インタビュー】LM.C、アルバム『怪物園』に新たな表現と覚悟「全11曲、どれもが怪物級」

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■ライヴをやれることが幸せなうえに
■新しい曲を披露できる喜びがある

──アルバム全体はロックでアッパーなナンバーやエレクトロな曲がありつつ、先行配信された「Campanella」や「Lost Summer」のような切なくてメロディックな名曲が挟み込まれている構成が素晴らしい。ギターだけではなく鍵盤も含めてシンプルでセンスのあるサウンドも印象的でした。

Aiji: LM.Cは自分にとってライフワークであり、常に”今”が自分にとってのベストだと信じています。そういう意味では今作も楽曲、アレンジ、サウンドデザインも含めて、今自分ができる最大限でした。そこを突き詰めて自分がいいと思えるものを素直に出した結果ですね。これまでと違うのは締め切りがないってこと。自分のモチベーションを上げつつ、とにかく楽曲と向き合い倒せました。

──創作活動に、より集中できたんですね。

Aiji:そうですね。さっき言っていただいたギター以外の楽器のディテールも突き詰められたというか、サラッと流されてしまう部分にもこだわりましたね。それと曲によっては音数をなるべく少なくしてみようとも思っていたので、より洗練されたというか。

──洗練されてひとつひとつの音が際立っています。

Aiji:そこは目指していたところでもあり、そういう部分で15周年を意識していたのかもしれない。15年経って明らかに変わった部分と変わっていない部分を見せたかったっていうのはありますね。

──なるほど。先ほどmayaさんからサブスクの話も出ましたが、音楽の聴き方が変わっている時代だから、アルバム収録曲をリリースに先駆けて、9日連続でYouTubeプレミア公開したんでしょうか?

Aiji:そうですね。今はCD屋さんだけではなくYouTube上で出会う人も多いと思うので、たまたま、すれ違うような出会いを求めている部分もありますしね。

maya:そうですね。


──最後に開催中のツアー<LM.C TOUR 2022 「怪物園」>で、今、感じている手応えを教えてください。コロナ禍で久々にライヴに参戦する人もいると思うんですよね。

Aiji:現状で3本やらせてもらってて、リリース前にアルバム曲を全曲披露しているんですけど、おっしゃったように2年ぶりにLM.Cのライヴを見る人もいるので、ライヴに対する特別な想いを感じる中、さらに新曲を届けることができるという嬉しさがあって、とにかくありがたい空間でしたね。ファンの人たちにとっても帰ってくる場所として、“ここなんだな”ってたぶん感じてもらえたんじゃないかと思うんですよ。リリース後は音源を聴いてもらった上でのライヴになるなので、ちょっと違うモードになっていくと思いますが、相乗効果で盛り上がる右肩上がりのライブになっていけばいいなと。

──新曲もアップデートしていくだろうし。

Aiji:そうですね。ただ多くは求めていないです。こういう状況下だし、ライヴは存在証明というか生存確認がお互いにできる場でもありますよね。戦争はいつの時代も絶えないけど、今現在ゴハンを食べることすらも厳しい人たちがいる中、一緒に音楽を楽しめる状況、時間を大事にしていきたいですね。俺たちもそうですけど、一瞬一瞬を大切に、生きている実感をもっともっと味わいたいです。コロナ禍以降は、もうそれ以上は求めなくなってきていますね。極論を言えば、どんな曲を演奏するかよりも、そこで感じられる感覚とか感情を共有できるだけでいいと思っています。

──mayaさんはどんな想いでいますか?

maya:まず、以前のような本数を廻れるわけではないですけど、ツアーという形でライヴができるのは幸せだなと思いますね。何本か終えて、新曲を全曲披露して、前とは違う感動があるなと。以前は初めての曲だと演者も聴く側もちょっと構えるところがあったんですけど、今はライヴをやれることが幸せなうえに15年続けてきて、新しい曲を披露できる喜びがある。歓声がなくても最終的にはLM.Cらしい盛り上がり方で終われるし、単純にライヴってやっぱり楽しいなって思っています。あとは参加してくれているサポートのメンバーを含めて、楽屋で話したり、ライヴの合間にマスクして一緒に出かけたり、ツアーを一緒に過ごしている貴重な時間がたくさんあって。

──それも久々の感覚ですね。

maya:以前はずっとホテルに1人でいて、メンバーとツアーの合間に行動を共にすることがほとんどなかったんですけど、今回はそういう時間もライヴに活かしたいと思ったんです。特に何をするっていうわけではなくて、くだらない話をしているんですが、今更ながら、そういうのが大事だなって。歌も楽器も生なので、今まで以上に気持ちを反映させるライヴにしたいと思ってます。あとは9月に15周年記念ライヴがLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)であるので、そういう未来の予定があるだけでハッピーですね。現時点で9月のライヴに向かうイメージができつつあります。

──改装して名称も変わったとは言え、渋谷公会堂はLM.Cにとって思い入れのある会場ですからね。

maya:そうですね。何度もやってきている会場に久しぶりに帰れるので、それも楽しみではありますね。

取材・文◎山本弘子

■アルバム『怪物園』

【通常盤 (CD)】WHR-0003 ¥3,300(tax-in)
※タワーレコード他、全国CDショップで予約受付中
01. 開園
02. Elephant in the Room
03. Valhalla
04. No Emotion
05. Panic Time
06. Campanella
07. Montage
08. Lost Summer
09. Happy Zombies
10. End of the End
11. 閉園

■ライヴツアー<LM.C TOUR 2022「怪物園」>

3月21日(月/祝) 東京・白金高輪 SELENE b2
open16:00 / start16:30
3月24日(木) 大阪・ESAKAMUSE
open18:00 / start18:30
3月25日(金) 愛知・名古屋 Electric Lady Land
open18:00 / start18:30
4月08日(金) 宮城・仙台darwin
open17:30 / start18:00
4月10日(日) 神奈川・川崎セルビアンナイト
open16:00 / start16:30
4月16日(土) 愛知・名古屋 ell fit's all
open16:30 / start17:00
4月17日(日) 大阪・ESAKAMUSE
open16:00 / start16:30
4月21日(木) 千葉・柏 PALOOZA
open18:00 / start18:30
4月22日(金) 東京・白金高輪 SELENE b2
open18:00 / start18:30
4月26日(火)  東京・恵比寿 リキッドルーム
open18:00 / start18:30

■15周年記念ライブ開催決定

2022年9月25日(日) LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
※詳細後日発表


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