【ライブレポート】vistlip、アルバム『M.E.T.A』へ向かうためのFCライブ「オマエたちは全員俺たちのいちばん」

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vistlipが3年4ヶ月ぶりのフルアルバム『M.E.T.A』のリリースに先駆けて
ファンクラブ限定の東名阪ライブ<V.I.P.&MEMBERS LIMITED ONE MAN LIVE TOUR「Before M」>を開催した。

◆ライブ写真

7枚目となる最新アルバムまでのvistlipのヒストリーを遡って、4月21日からスタートするアルバムツアー<vistlip ONE MAN LIVE TOUR 「META TOXIC」>に向かうという意味を持ったこのライブは、バンド史上、初の試み。これまでにリリースされた6枚のフルアルバムの楽曲たちが会場によって振り分けられたセットリストが組まれた。

ファイナルとなった3月25日の新宿BLAZEでのライブは1stフルアルバム『THEATER』(2009年)と6thアルバム『STYLE』(2018年)の曲を中心に据えた構成で、メンバーは『THEATER』当時の衣装で登場。会員限定ならではのアットホームな雰囲気の中、過去のナンバーをアップデートさせ、初披露となる新曲2曲もプレイされた。


開演前に流れたのは海(G)の声。白線で区切られたフロアーの升目の中に立って見るなど、新型コロナウイルス対策における観覧時の注意点がアナウンスされた。ステージをブルーの照明が照らし、ハンドクラップの中、メンバーが定位置につき、オープニングは「THEATER OF ENVY」。衣装もあいまって時間が巻き戻される感覚を覚える中、「Dead Cherry」ではフロアから一斉に拳が上がり、Yuh(G)が下手、海が上手にポジションをチェンジし、ギターをかき鳴らし、瑠伊(B)も前に出てきてアグレッシブにベースで煽る。

智(Vo)が「今日はみんな、予想通りかな。『THEATER』でキメてきました」と13年前の衣装について触れるとYuhから「Tohyaくんは令和の。『THEATER』」というツッコミが。Tohya(Dr)曰く、身体のサイズアップと衣装のサイズダウンが同時に起こってしまったとのことで自らベストを縫って作ったというエピソードが明かされる。MCは最初から和気藹々としたムードだ。


洗練されたファンクテイストのサウンドにラップが絡む「ELIZA」は“大人でセクシーでポップ”な質感を意識した『M.E.T.A』との共通項を感じさせるグルーヴィーなナンバーで、同じく『STYLE』からの楽曲「My Name is #Think.」は、よりブラックミュージックのエッセンスが注入されたノリで楽しませた。2022年のvistlipの呼吸と間合いを体感しつつ、赤く染まったステージの中、攻撃モードへとシフト。「Mr.Grim」、「And The Beast」と爆発力のあるナンバーを叩きつけ、大きな拍手が沸き起こった。

「楽しんでますか? 新宿!」と智が呼びかけ、「なかなか、こんなにたくさんの曲といっきに向き合うことないから、僕たち的も学ぶところも多いし、“次に行くんだな”っていう心の準備ができて、すごく楽しいライブになりました」と振り返り、メンバー同志のわちゃわちゃしたトークも会員限定ならではの親密さ。「日常にはまだ戻ってはいないですけど、戻っていきたいので──。このコロナ禍って忘れさせていくんですよ。“あの時、どんな感情だっけ?”って。それが戻ってほしいなと思って。俺たちもカッコよくステージに立つので、みんな、しっかりついて来てください」と智が締めた。


中盤では『THEATER』から美しいミドルチューン「星屑、ボクと君へ。」が奏でられ、七夕の周年ライブに欠かせない「-OZONE-」へと続くファンタジックワールドへといざない、躍動感たっぷりの「Hey You!」からシャウトする海の肩に智が手をかけた「Pavé au chocolat」へと。vistlipとファンの関係を紡いできた曲たちが放たれていった。

「HeyYou!」の“海鮮モッシュ”をファンが覚えていることに感心するやりとりがありつつ、話題はついに新曲のことに。「BGM「META FICTION」」の振りがまだ固まっていないと智がみんなに問いかけるものの、Yuhは「喋れないし、どうしようもないよね」とバッサリ(笑)。海作曲の「無音」については瑠伊が「(海から)のっそのっそ動くように言われた」と笑わせ、海が「大きく動く感じね」と訂正。みごとに性格が違う5人の掛け合いの面白さは健在である。


本ライブのハイライト。アルバム『M.E.T.A』発売前に披露された「BGM「META FICTION」はジャズ、ファンク、ヒップホップを混ぜ合わせたハイブリッドで洗練されたナンバー。今後のvistlipの期待を加速させる艶やかな歌と演奏が身体を気持ちよく揺らせ、海のエッジーなギターと楽器陣の間合いがスリリングな「無音」は切実でエモーショナルで刺さりまくり。智と海のツインボーカルのスタイルも含めて新しいフェーズに入ったバンドの今を如実に映し出していた。もちろん、それは新曲に限らず、過去曲にもフィードバックされている。瑠伊のスラップ、「Timer」でのTohyaのドラミングとYuhのギターの絡み合いなど、発見が散りばめられていた。

「アルバムのインタビューとか読んでもらうとわかるんだけど、こんな時代から貪欲でいようねって。欲深く、全部手に入れてやるっていう。自分にもみんなにも言い聞かせているようなテーマがちょっと入っているんですけど、ライブにも同じことが言えるなと思っています。お互いに求め合って最高の夜を作りたい」──智


そんなメッセージを伝え、ライブは後半戦に。「EVE」から「LION HEART」まで声は出せずともファンとひとつになって駆け抜けていった。

アンコールでは笑顔で智が「まだ遊びたいんですか?」と問いかけると盛大な拍手が。「じゃあ、Tohyaから始まるアレで」と暗黙の了解のようなやりとりで「偽善MASTER」を投下。ハンドクラップとジャンプで応酬するフロアとハッピーなエンディング。「オマエたちは全員、俺たちのいちばんです。愛してるぜ!」と結成15周年の変わらない愛を伝え、アルバム『M.E.T.A』から始まる新たなチャプターへと想いを繋げだ。

取材•文◎山本弘子

セットリスト

1.THEATER OF ENVY
2.零
3.Dead Cherry
4.ELIZA
5.My Name is #Think.
6.Mr.Grim
7.And The Beast.
8.星屑、ボクと君へ。
9.-OZONE-
10.Hey You!
11.Pave au chocolat
12.BGM「METAFICTION」
13.無音
14.FIVE BARKIN ANIMALS
15.Timer
16.EVE
17.浮世グラフィティ
18.[glider]
19.LION HEART

『M.E.T.A.』

2022年3月30日(水)リリース

■【Master Edition】(CD+DVD/初回生産限定)
MJSA-01339~40
¥5,940(税込)

[CD]
1.PW:Invitation
2.BGM「METAFICTION」
3."TOXIC"
4.CRACK&MARBLE CITY
5.ENTRY MODEL
6.Act
7.無音
8.ID:ID [Extend Song]
9.蟻とブレーメン
10.アンサンブル
11.STAR TREK
12.RED LIST [Extend Song]
13.PW:ReAct
[DVD]
1.BGM「METAFICTION」MV
2.メイキング映像[Master Edition ver.]
3.収録曲「無音」リリックビデオ
[初回特典]
・トレーディングカード(全10種ランダム)
・3形態連動購入特典全員サービス応募券&特典抽選券

※ヴィジュアルブックレット(28P)&スリーブケースの豪華コレクション仕様。

■【vister】(CD+DVD)
MJSA-01341~2
¥3,960(税込)

[CD]
1.PW:Invitation
2.BGM「METAFICTION」
3."TOXIC"
4.CRACK&MARBLE CITY
5.ENTRY MODEL
6.Act
7.無音
8.蟻とブレーメン
9.アンサンブル
10.STAR TREK
11.PW:ReAct
[DVD]
1.BGM「METAFICTION」MV
2.メイキング映像[LONG vister ver.]
3.オフショットフォトギャラリー
[初回特典]
・トレーディングカード(全10種ランダム)
・3形態連動購入特典全員サービス応募券&特典抽選券

■【lipper】(CD)
MJSA-01343
¥3,300(税込)
[CD]
1.PW:Invitation
2.BGM「METAFICTION」
3."TOXIC"
4.CRACK&MARBLE CITY
5.ENTRY MODEL
6.Act
7.無音
8.蟻とブレーメン
9.アンサンブル
10.STAR TREK
11.PW:ReAct
12.Sunday
・トレーディングカード(全10種ランダム)
・3形態連動購入特典全員サービス応募券&特典抽選券

発売元:マーベラス
販売元:ソニー・ミュージックマーケティング

<vistlip ONE MAN LIVE TOUR「META TOXIC」>

2022年4月21日(木) 名古屋
2022年4月28日(木) 大阪
2022年5月6日(金) 東京

◆vistlip オフィシャルサイト
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