【ライブレポート】石原夏織、“会いたい”というお互いの願いが通じ合った瞬間

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3月21日に、アーティストデビュー4周年を迎えた石原夏織が、ワンマンライブ<石原夏織 LIVE 2022「Starcast」-Altair->公演を行った。前回の<Vega>公演から、より“男性らしさ”を意識したというセットリストで届けた千秋楽の模様をレポートする。

◆ライブ写真

心の距離をテーマにしたシングル「Starcast」(2021年11月24日発売)。そこから天の川を連想し、天の川の両岸にあること座のべガ(織姫星)とわし座のアルタイル(彦星)をタイトルを冠して行われたライブ。3月12日に行われたのが<Vega>公演で、今回、3月27日に行われたのが<Altair>公演となる。


1日2公演行われたライブの夜の部は、石原夏織の朗読(モノローグ)が流れるオープニングムービーから始まる。そして心臓の鼓動に合わせるかのような波形がスクリーンに浮かぶと、ステージに現れた石原が1曲目に歌ったのが「Diorama-Drama」。どこか懐かしいメロディとフレーズが魅力的な楽曲を、大人っぽいダンスとともに披露すると、「Against.」では4人のダンサーが加わり、息の合ったパフォーマンスを披露。MCで観客を煽りつつ、「Singularity Point」へ。徐々にエモーショナルになるヴォーカルと激しいダンスに、会場もどんどん熱くなっていく。「Orange Note」から始まった<Vega>公演とは、またガラッと印象が変わる始まりだ。

この3曲でファンとの距離を一気に縮めると、MCでは親近感のあるトークで場を和ませていく。彼女の声に含まれる切なさが感じられる「わざと触れた。」(「Starcast」のカップリング曲)は、最後に吐息っぽく歌うのが絶妙だったし、キャッチーなメロディの「Plastic Smile」では、ダンサーと1対1で踊る演出が素晴らしかった。

オープニングの続きとなる幕間の朗読の映像では、都会を流れる車のヘッドライトの光を天の川に見立てて、大好きな「君」に会いに行きたい「彼」の想いを紡いでいく。


石原が衣装チェンジをして真っ白なドレスをまとって現れると、アコースティックアレンジでバラード「キミしきる」を歌っていく。歌詞をスクリーンに出しての歌唱だったが、やなぎなぎの歌詞が胸に沁みたし、その透き通る歌声に大きな拍手が送られていた。初となる生バンドによるライブということもあって、より感動的なステージになっており、パーカッションが印象的に響く「雨模様リグレット」でもステージの真ん中で心地良さそうに歌う彼女の歌声に酔いしれてしまった。生音のぬくもり、そして何より歌とサウンドの一体感が素晴らしかった。

「驚きましたでしょうか? 今回のライブではアコースティックに初挑戦してみました」と、バンドメンバーを紹介しつつ、ちょっとしたトークを楽しんでいく。さらにこのバンドでアップテンポな「夜とワンダーランド」を歌っていく。会場もペンライトを青くして夜を演出し、いい雰囲気を作り上げていた。そして、ピアノのイントロで会場がどよめく。あまりにも有名なそのフレーズに、誰もが瞬時にsupercellの「君の知らない物語」だと理解したのだ。


今回のライブタイトル、さらに「Starcast」がやなぎなぎによる作詞であることなど、文脈的にこの曲にたどり着くのは必然だし、カヴァーすることを予想していた人は多かったように思う(※「君の知らない物語」の歌詞には“あれがデネブ、アルタイル、ベガ”というフレーズがある。ボーカルもnagi名義だが、やなぎなぎが担当している)。ファルセットの美しさ、後半の情熱的な歌唱など、完璧に歌い上げて大きな拍手を誘っていた。ちなみに昼の部は「星間飛行」(ランカ・リー=中島愛)を歌っていて、こちらの選曲も石原が主演した『輪廻のラグランジェ』の主題歌を歌っていたのが中島愛、という関係性まで考えると、エモいものがある。

アコースティックコーナーの最後は、スモークが立ち込めて幻想的になったステージで、ジャジーな「キミに空とクローバー」を歌い、大きなクラップで会場が一つになった。幕間映像最後の朗読では、「君」と「彼」が出会うという感動的なラストを迎える。そして青いドレスを着た石原が現れると、ライブもラストスパートで一気に盛り上がっていく。


「Page Flip」では、これまでのライブの映像をスクリーンに映し出すという演出が。4年間の歩みを振り返ることができて、ファンにとってはグッと来るものがあったし、直後のMCでは、ソロアーティストデビュー4周年を迎えたことについて語られた。石原夏織自身もプレミア公開されていた過去のミュージックビデオを見たそうで、「デビューのときの私、すごくかわいらしい(笑)。たったの4年だけど、すごく昔の自分に見えて、こうやって見ると、時が経っていたんだなってしみじみ感じたんです」と感慨深そうに語り、そこからみんなで一緒に手を取り合って歩んできたこれまでのことを振り返っていく。体調を崩した1月末には、みんなからの言葉で進んでこれたと感謝を伝える。

そして歌った「虹のソルフェージュ」。ファンが作る虹色のカラフルなペンライトの海がとても美しい。歌いながらいろいろなことが頭をよぎったのか、涙を浮かべてしまうが、それでも最後まで止まることなく必死に歌い切った石原夏織。本編ラストは、ダンサー4人と「Starcast」を会場の隅々まで届けていく。ライブは、会いたいというお互いの願いが通じ合った場所だ。ライブで一緒に気持ちを共有することが当たり前のことではないと気づいたこの2年間だったが、それでもやはり、こうやって思いが通じることは素敵なことなんだと、この曲を聴きながらしみじみと思った。


大きな拍手を受けてのアンコールは、これまでのライブではカッコいいダンスゾーンで歌われていた人気曲「Ray Rule」から勢いよくスタートする。いつもはヘッドセットでばりばりに踊るのだが、今回はハンドマイクでラフに歌い、2番で振りを入れるような演出が行われたのもレアだった。そしてMCでは今日のライブを振り返っていく。

「今まで歌ってきた曲も、歌うタイミングとか流れでいろいろ(印象が)変わるんだな~って感じました。今回は『虹のソルフェージュ』にだいぶやられました……(笑)」と言うと、「君の知らない物語」をカバーした喜びや、選んだ理由などを語っていく。ちなみに、<Vega>公演では男性ボーカルの曲をカバー、<Altair>公演では女性ボーカルの曲をカバーしているのだが、これについては「セットリストの中盤で2人が出会えたいたらいいなという気持ちを込めて、チェンジさせていました」と説明する。

アンコールの2曲目では、4月27日に発売される新曲の「Cherish」を披露。とびきりキャッチーで楽しい楽曲。ダンサーのワチャワチャ感など、目で見ても楽しめる楽曲だった。そして「You&I」、千秋楽ということでさらにもう1曲「Sunny You」を、黄色いペンライトのシャワーの中熱唱し、ライブを締めくくった。

取材・文◎塚越淳一

■<石原夏織 LIVE 2022「Starcast」>セットリスト プレイリスト

<石原夏織 LIVE 2022「Starcast」-Vega->:https://lnk.to/LIVE2022_Vega
<石原夏織 LIVE 2022「Starcast」-Altair->:https://lnk.to/LIVE2022_Altair

■8thシングル「Cherish」

2022年4月27日(水)発売
■初回限定盤
品番:PCCG-2108/価格:¥2,200(税込)

■通常盤
品番:PCCG-2109/定価:¥1,500(税込)
※描き下ろしアニメイラストジャケット仕様

収録内容:
1. Cherish
作詞:磯谷佳江
作曲・編曲:ヒゲドライバー
2. Remember Heart, Remember Love
作詞:結城アイラ
作曲・編曲:藤井健太郎(HANO)
3. Cherish TV size ver.
4. Cherish Instrumental
5. Remember Heart, Remember Love Instrumental

※初回限定盤特典
・「Cherish」MUSIC VIDEO
・「Cherish」MUSIC VIDEO MAKING収録のDVD付き

◆石原夏織 オフィシャルサイト
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