【インタビュー】SARD UNDERGROUND、『名探偵コナン』エンディング曲に「私の芯の部分を見てほしいという気持ち」

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■信用できるのかな、できないのかな
■そういう思いを歌っています

──神野さんに、歌詞について聞きますね。これは、どんなテーマで書いていった?

神野:『名探偵コナン』のイメージで歌詞を書こうと思っていました。候補が3曲あって、どれも歌詞をつけて、3曲提出した中から、一番『名探偵コナン』っぽく書けたかな?と思った曲が選ばれました。

──“っぽく”というのは、たとえばどういうところが?

神野:実際にエンディングで使っていただく一番の歌詞は、探偵のイメージに合うワードをなるべく多く入れていきたいなと思って、"謎"や"解き終わる"、拳銃に弾を込める時の“リロード”などといった言葉を選びました。そういったワードを使いながら恋愛の歌詞を書いたので、コナンくん(新一くん)と蘭ちゃんに少しでも重なれば、うれしいなと思います。

坂本:私も、初めて聴いた時に、新一くんと蘭ちゃんの二人を想像して聴いちゃました。あとは“♪空っぽの心に愛をリロードしてく”とか、カッコいい歌詞がぴったりだなと思って、そういうところも好きです。

──“愛をリロードしてく”って、確かにカッコいい。

杉岡:友亜ちゃんの歌詞って、“え、どういう意味だっけ?”って、ついつい調べたくなるんですよ。前も、“螺旋階段”という言葉があって、“螺旋階段って何やったっけ?”って。

神野:螺旋階段はわかりますよね(笑)。ただの、言葉を知らない人みたいになってますよ(笑)。

杉岡:なんか、調べたくなる単語が絶対に入っているんですよ。“♪不精と不満を語る”の“ふしょう”とかも、“何やったっけ?”って。

神野:それは“ぶしょう (不精)”です(笑)。

杉岡:あ、そうか(笑)。“不精って何やったっけ?”って、調べました。

──神野さんの歌詞は、独特の比喩もあるし、調べたくなる気持ちはわかります。ひとつだけ、“これ何だろう?”と思ったのが、2番サビの“♪空っぽの心 底が抜けてる 色のついたものは全て 落ちていくから注がないで”のところ。これって、どういうイメージなんだろう?

神野:心を見ずに始まる、見た目重視の恋愛ってあるじゃないですか。そういうものはいらない、というイメージで書いた言葉ですね。私の芯の部分を見てほしい、という気持ちを込めています。

──あー、なるほど! わかりました。「空っぽの心」という表現も、そこにあなたの思いを注いでほしいという、比喩なわけですよね。

神野:そうですね。相手を信用していいのか、この恋を始めていいのか、始めないほうがいいのか、そういう思いを歌っています。

坂本:恋する前の心ですね。

神野:でも最後は、本能に負けているという。

──そうですね(笑)。自分で自分の思いをばらしちゃう。

神野:恋愛って、そういうものなのかな?って思うんですね。“信用できるのかな、できないのかな”とか思いながらも、もう相手に向かって進んでしまっている自分がいる、みたいな感じです。

──歌入れは、スムーズに行きました?

神野:そうですね。1回で終わりました。その代わり、カップリングに今回は苦戦しました。

──おっと。ではカップリングの話、行きましょうか。3種類のCDパッケージに、すべてZARDのカバー曲で、それぞれ違うカップリングが1曲ずつ。まず初回限定盤収録の「I still remember」は、なんでこんないい曲を、今までZARDトリビュート作品にも入れずにきたんだろう?とか思いました。

神野:これはけっこう技術がいる曲なので。いい曲だからこそ、もっとよく聴こえるような歌を歌わなきゃいけないということで、何回も歌い直しました。満足度は、100%です。

──素晴らしい。でもこの神野さんの歌は本当にいいと思います。感情がこもって、説得力があって。

神野:歌う前は、“大丈夫かな、ちゃんとできるかな”と思っていたんですけど、やっていくうちに…OKをもらったテイクを歌った時に、“あ、これはOKをもらえる”と思いました。

杉岡:一番いい歌だと思います。声も切なくて、初めて聴いた時に泣きそうになりました。すごく感動しました。

──これをライブでやって、みんながシーンとなって聴き入っている場面が目に浮かびます。

坂本:イントロが始まった瞬間にグッときて、友亜ちゃんの声で本当に泣きそうになりました。ライブで演奏するのは、楽しみもあるんですけど、すごく緊張するだろうなと思います。

──そして、名探偵コナン盤に入っているのが、「悲しいほど貴方が好き」。これはかつて、『名探偵コナン』エンディングテーマとしてZARDが世に出した曲です。

神野:これは、ZARDさんの曲を聴いている時から、すごく大人で切ない曲だなと思っていたので。これこそ、“今の私が表現できるのかな?”というリストに入っていたような曲だったんですけど、でも歌ってみると、自分の声というか、歌い方に合ってるのかな?と思いました。歌いやすかったです、意外と。

──それはメロディが、それとも詞が?

神野:メロディも言葉も、ですね。ただ、溜めの位置は、けっこう難しかったです。

──それは、前にも言ってましたよね。坂井泉水さんは溜めの位置が独特だから、同じことをするのは難しいって。

神野:そうなんですよ。すごく細かくて、難しかった。

──“悲しいほど好き”っていう、坂井さんらしい独特な表現。神野さんは、どんなふうに解釈します?

神野:愛の大きさがすごく伝わる一行だなと思います。最後、“♪七色に染めた”で終わってるので、この曲の主人公の女性が、きれいな心で終わって良かったなって思いました。この歌詞は、最初は失恋ソングに見えるんですけど…。

坂本:でも最後に“♪新しい世界”が出てくるから。

神野:そうなんです。“♪恋は綱引き”とか。

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