【連載】Vol.130「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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キング・オブ・ブギ 三宅伸治ニュー・アルバムは “GOT to BLUES”ブギ ブギ ブギで乗り切ろう!5月の野音はブギブギブギ!!


ジャパニーズ・ミュージック・シーンを牽引するキング・オブ・ブギ、三宅伸治が昨年還暦記念で組んだ“三宅伸治&The Red Rocks”、このスペシャル・プロジェクトは『Red Thanks』に続きこの春、素晴らしい新作をリリースした。『GOT to BLUES”ブギ ブギ ブギで乗り切ろう!』(P-VAINE/PCD-18894)だ。タイトルでお分かりのようにブルース・アルバム。このニュー・アルバムについて三宅伸治にいろいろ聞いてみた……。

M(Mike):新作アルバム『GOT to BLUES』が素晴らしい出来栄え。先ずは本作の制作意図、アルバム・コンセプトなどをじっくりと語ってください。

S(Shinji):去年僕は還暦を迎え、仲間達がTHE RED ROCKSを組んでくれて真っ赤に燃えたのですが(笑)、今年は青になりました(笑)。新作は夢だった日本語のブルース・アルバムです。様々なブルースの曲を、自分なりの解釈で歌詞をつけ、自分達でアレンジしました。なので、構想40年録音1日です(笑)。ライブハウスを1日借りて、配信しながら録音しました。勿論歌も演奏も、せーので一発録りです。

M:THE RED ROCKSということでレコーディング・メンバーは前作と同じですネ……。
S:そうです。パーソネルは、
●三宅伸治/ヴォーカル、ギター、アレンジ(1) ●ウルフルケイスケ/ギター、ヴォーカル(1)、コーラス ●伊東ミキオ/ピアノ、ヴォーカル(1)、コーラス ●KOTEZ/ハーモニカ、ヴォーカル(1)、コーラス ●高橋“Jr.”知治/ベース、ヴォーカル(1)、コーラス ●AKANE/ドラムス、コーラス ●MONKY/テナー・サックス、ホーン・アレンジ●MAKOTO/トランペット


M:貴方がリスペクトするブルース・マン&ウーマンに捧げているということをプレスリリースで読みました。ところでブルースに目覚めたのはいつ頃、どんなことがきっかけで……。
S:4つ上の兄貴とその友人の影響でブルースが好きになりました。初めて見た外国人アーティストが、修学旅行をサボって名古屋で観たライトニン・ホプキンス、1978年のことです。それがブルースの 最初の衝撃でした。

M:ではではいつものように各トラックの セルフ・ライナー・ノーツお願い出来ますか? (1) It's Alright 、オープニングらしく華やかな雰囲気のエキサイティング・サウンド。ヴォーカリストが何人も登場!最後のヘイヘイが一発録リらしい。
S:全部、一発録りです(笑)。元々ずっとソロで歌ってた楽曲なのですが、今回はメンバーで歌い回しにしました。アレンジもホーン・アレンジをMONKYが担当してくれました。B.B.キング・タッチの オープニングにしました(笑)!

M:(2)ブルースの子ども 、KOTEZのハープから始まる音楽史作品。特に若いブルース未体験音楽ファンに聴いてもらいたいネ。歌詞にマディ・ウォーターズ、ジョニー・ウインター、オーティス・スパン、ジェイムス・コットン、永井ホトケ隆、妹尾隆一郎(ウィーピング・ハープ)が登場。
S:マディは日本で観ました。記憶が違わなければ、その日2回公演で、1回目を観てあまりに良かったので、トイレに隠れて2回目も観ました(笑)。素晴らしかったです。ジョニー・ウインターも好きでバンドのオープニングSEに彼の作品を使用したこともあります。勿論JWも日本で観ました。キャンセルになった最初のクラブチッタのチケットも買ってました。オーティス・スパンもジェイムス・コットンも大好きです。マディの77年『Hard Again』は僕のお気に入りブルース・アルバム、バックもたまりません。そしてホトケさん、妹尾さんはずっとブルースを歌い続けてきたすごい人。リスペクトを込めて歌詞にさせていただきました。

M:(3)お前はルーズ 、いかにもブルースらしい歌詞が印象的。KOTEZをはじめバックがすっごくブルージーなのだ。ブギ!
S:ギター・フレーズありのブルースなので、ケイヤンと二人で弾くと楽しいと思いました。もちろん、ミキオのピアノも転がりまくりで、KOTEZもJr.もAKANEもバッチリです。そこへホーン・セクションが入ると、ロックっぽいこの曲が途端にゴージャスになります。

M:(4)海の底、ここでもマディ登場、ぐっとヘヴィーな歌詞にドキッとさせられます。途中&後半のテンポ・アップ・パートが曲をより印象深いものにしています……。
S:この曲は、もう30年も前から演ってたんですが、やはりホーン・セクションが入る事で、スピード感が増して聴こえます。僕はフルアコのギターを使ってるので、フィードバック寸前で弾いてます。因みに使用ギターの60年代ギブソン175は、内田勘太郎さんからずいぶん前に頂いたものです。


M:(5)切り刻む風呂で、メンフィス・ソウル・タッチのファンキー・ブルース!
S:これもギター・フレーズありきのブルースですが、ホーンを入れたらソウルっぽくなりました。最後のシャウトは、女性に殺されたシャウトです(笑)。

M:(6)GOT TO BLUESはアルバム・タイトル・チューン。Ahパートの ところが堪らなくgoodなのです。I GOT TO BLUES, WE GOT TO BLUES! KOTEZ大活躍しています。
S:ありがとうございます!!レコーディング前日に作って持って行った曲です。”YOU GOT TO MOVE”のムードです(笑)。ここでの間奏ソロはKOTEZと決めたのです。

M:(7)俺ももうだめだ 、三宅伸治の ヴォーカルをドラマティックにフィーチャーしたまさにブルーなサッド・ブルース。
S:スライドギターも僕なのですが、せーのでやってるので、他のマイクロフォンに被らないようにするのがとても大変でした(笑)。因みにKOTEZは被らないようにとアンプを使わずに全曲、マイクロフォンで頑張って貰った。スロー・ブルースは、難しいけど……やっと自分なりに出来る様になりました(笑)。


M:(8)歩くよ、これは未来に向かって頑張ろうというブルースかな。現況下に於ける、まさに今のBlues!
S:そうです。歌詞は、少し前に書いたのですが、今の現状を踏まえて前に進んでいく歌詞になったと思いました。これは、ケイヤンの紹介で、ウルフルズをずっと撮ってきた竹内監督が、前作と同様にMVを撮ってくれました。1カメで、撮ったのですが、隅田川遊歩道を俺ら歩いています。ここは一発撮りで決まりました。録音も撮影も一発です(笑)。


M:(9)ハウンドキャット、これはオーソドックスなブルース歌詞。痺れます。
S:要するに、これはハウンドドックなのですが(笑)、歌詞を書いたら、これは俺が歌うなら………キャットなのかと思って(笑)。皆んなで、ニャーニャー言いながら、演奏も楽しかったです。ケイヤンは、ギター・ソロ止めてニャーと言ってます(笑)。

M:(10)説教ブルース 、ここにはボブが登場!
S:ロバート・ジョンソンです。ボブはサン・ハウスにインスパイアされたのです。アレンジはもちろんオリジナルです。ワンコードなのですがホーン・セクションが絶妙です。ここでもスライド弾きながら歌うのはとても大変でした。

M:(11)ブギシンジ、ラストは“キング・オブ・ブギ”、三宅伸治さん。自身をシャウトしているブギ、ブギ~!ロケット88が歌詞の中に登場する、ジャッキー・ブレンストン、アイク・ターナー。
S:そうです。ブギがこの世で最高です(笑)!アルバムのキャッチフレーズにも使いましたが、こんな世の中、こんな世界だからブギブギブギで乗り切ろう!

M:一番最後の歓声が楽しみながらレコーディングしている雰囲気を象徴しているように感じます。
S:楽しかったですね。ありがとうございます。

M:音楽をクリエイトする基本姿勢をダイレクトに感じさせる痛快な出来栄えのアルバムでしたよ。
S:再びありがとうございます。The Red Rocksだからこの企画が実現出来たと思います。素晴らしいバンドです。

M:Tokyo Blues Carnival 2022 への抱負を語ってください。


S:5月の野音でブルースなんて………もう最高に楽しみにしています。blues.the-butcher-590213、吾妻光良&The Swinging Boppersと一緒です、とても光栄です。俺らのゲストは鮎川誠さん!勿論このアルバム『GOT to BLUES』からも演りますが、鮎川さんとの ロッキン・ブルースも楽しみにしてください。

https://www.mandicompany.co.jp/BluesCarnival/

※↑山岸潤史の追加出演も決定

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