【俺の楽器・私の愛機】811「衝撃のアーティストに憧れて」

【Vanzandt STV】（三重県　Blues Man　50代）


就職間もない30年前ごろ、音楽と言えば未だバンドブーム的な時代を引きずって聞いていたいた時に、「BLUESイイよ！ BLUESを聞きなよ！」ってある知人に勧められ、何となくB.B.Kingなど名だたる有名どころを聞いてみましたが、何だかあの薄っぺらく感じるギター音にしっくり来ず全然馴染めない時に別の知人から「レイヴォーンを聞いてみたら？しっくり来るんじゃない？」って勧められ、ひとまずBEST盤を購入した途端「これもBLUES？」と衝撃を受け、そこからどっぷりと全世代のBLUESにハマりました。

その数年後、CHAR主催の江戸屋レーベルのFesで「Lightning Blues Guitar Festival」があり、たまたまスペースシャワーTVでの放送を見る機会があり、激震が走りました！

そこには、ICHIROさんがストラトでインスト曲をかき鳴らしていたんです！今では有名なギタリストですが、当時ほぼ無名のICHIROさんが、ギターの弦を切りながらも、弾きまくるBLUES ROCK GUITARを見て、日本にもレイヴォーンの様な熱いギタリストが居るんだと感動しました！

その時にICHIROさんが弾いていたギターが、GUTARS R US製のバーガンディミストのローズ指板ストラトだったんです。中々見かけないレアカラーと、とにかく弾いている姿がカッコよくて、即虜になりました。当時、大阪のAIR MUSICに行った時も、ICHIROさんと同じ仕様で作れますよ？って言われたのですが、流石に当時は30数万も出せる余裕もなく憧れで終わりました。それから10年近く経った時、ヤフオクでこのVanzandtを見つけ、急にあの頃の物欲が沸き上がり必死で競り落としました。

レギュラーでないカラーに、PUはFullerToneが乗っていて、最高のヴィジュアルと最高の仕上がり、SPECにとにかく大事な1本です。

しかしながら…

これだけの仕様で材も造りもパーツも全て最高なのですが何だか鳴らないんです。地元の有名なリペアショップで相談したんですが、「あれ？本当やね？良い素材なのに…何でかな？」って、組み込み含め細かい調整をしてもらい、少し改善しましたが、未だ未だ全然本領を発揮出来ていない状況だと思っています。

CHARの有名なバーガンディミストも、日本に来た時鳴らなくてしばらく放置したら、急に鳴るようになったっていう記事を見て、こいつもきっとそうだ！と思って、大事にじっと待っています。

これまで10本以上の、F社カスタムショップ、ヴィンテージを所有し手放してきましたし、大半がこいつより良い音のギターばかりでした。

でも、待っているんです！絶対に手放せない一生物の1本です！





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そうだ、待つのだ。そのこはまだ自分の力量に気付いていない。ふと「自分ってもっといけるんじゃね？」と突如鳴り出すという経験、私にもあります。私の場合はレスポール・カスタムでしたが、なんだか鈍重な鳴りでオープンで開いた感じがないなと放置していたのですが、あるときケースから出してみたらズギョギョゴーンと鳴るようになってました。んー…気のせいだったのかな。でもね、気のせいでもいいんです。そういう気持ちの高揚がフレーズ、サウンドやトーンに表れるのが音楽なのですから。楽器の変化・進化ではなく、そいつのスイートスポットを引き出せるようになった自分の進化説もあるんですけど、ね。（JMN統括編集長 烏丸）


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