【速レポ】<KITAKAZE ROCK FES>coldrain、盟友に捧げるステージ「音楽を止めずに続けていきましょう」
SEに合わせハンドクラップを巻き起こし、今度はメロウィックサインがあちこちから上がる客席エリア。熱狂的に大歓迎するオーディエンスの前に、まず姿を表したのは黒い衣装に身を包んだY.K.C(G)、RxYxO(B)、Katsuma(Ds)、Sugi(G)。最後にステージに出てきたMasato(Vo)は、ストロングなデスヴォイスで「WHAT'S UP, KITAKAZE!」と挨拶。7月にニュー・アルバム『Nonnegative』をリリースするcoldrainがステージを占拠した。
◆<KITAKAZE ROCK FES. 2022> 画像
この<KITAKAZE ROCK FES. 2022>を主催するNOISEMAKERとcoldrainの付き合いは10年近く、一緒に何度か北海道ツアーをしたことも。分かり合える盟友と呼んでもいい間柄だ。その盟友が企画しながら、コロナ禍により2年続けて中止になってしまった<KITAKAZE ROCK FES>。NOISEMAKERが味わった悔しさも、coldrainは充分に分かっている。
この日、coldrainが1曲目に選んだのは「THE REVELATION」。“自分を奮い立たせろ、もっと頑張ったら自由はオマエのものだ”といった意味合いのメッセージが込められている。2年越しで実現に至った初の野外での<KITAKAZE ROCK FES>というシチュエーションやcoldrainとNOISEMAKERとのつながりを知ると、この曲はNOISEMAKERに向けた愛情たっぷりな曲にも響く。
もちろんそういったストーリーは知らなくても、感情をかき乱してくれる。なにしろcoldrainの放つバンドサウンドは、ヘヴィネスにしてラウド、そして尖りまくり。しかしサビではMasatoの武器のひとつでもある伸びやかなメロディもたっぷり。激しくも、フックだらけのcoldrainナンバーに、オーディエンスも持てる限りのエネルギーを炸裂させながらバンドとひとつになっていった。
「フェスに参加するときは、俺達としてはやることはひとつ。トリのバンドを“なんでアイツらを呼んじゃったんだろ”とビビらせるためにやってきました」
その言葉どおり本領をさらに発揮していくcoldrain。声質も歌いっぷりも七変化させながら迫るMasato、激しいライブパフォームをしながら弾き続けるSugi、フロントに出てフラッシーなソロを炸裂させるY.K.C、全身をうねらせながらグルーヴをとどろかせるRxYxO、エグいほどの音数と音圧で決めるKatsuma。バンドの曲に合わせて振り上がる腕や、首がもげるほどのヘッドバンギングのオーディエンス。凄まじい光景が繰り広げられていった。
「今日は自分達のライブをしに来たんですけど、兄弟のようなバンドが倒れているとき、どうしても俺らも何とかしなきゃって気持ちじゃないですけど、ギターのSugiが“どうしても俺は、<KIAKAZE>にSiMの音楽を届けたい”って」
そうMasatoが言葉を続けると、気持ちの高まったSugiがギターをかき鳴らし始めた。こうして始まったのはSiMの「KiLLiNG ME」。もちろん予定外のことだ。目の前で起こるサプライズと、愛情深きcoldrainの心意気に、大喜びしながらもSiMのライブを楽しむようにステップも踏むオーディエンス。曲は1番で終わったが、すかさず始まったのはこれまたSiMの「Get Up,Get Up」だった。RxYxOがSiMのSINを思わせるステップを決める場面も。しかしこれもエンディングまで披露することはなく、「続きは来年、SiMにやらせてあげてください」とMasato。
そして「ここからはSiMのことなんて忘れちまえ!!」と、北海道で初披露するナンバー「CALLING」からcoldrain本来のライブへと戻り、オーディエンスの気持ちを熱さでとことんまでかき乱し続けた。
「NOISEMAKERとはめちゃくちゃ長い仲間です。だからどうしてもひとこと言いたくて。今日がこのフェスのスタートだって信じたいし、これがこの場所だったり北海道の文化になるように望んで、今日、このステージに立ってます。でも、あいつらバカだからさ、野外を押さえちゃってさ。フェスをやるって辛いんですよ、簡単なことじゃなくて。天気も味方してくれないし。でもそういうバカなところが仲間として愛しているところであって、今日、ここに来れて本当に光栄だし、仲間であることも光栄。<KITAKAZE>にもまた出たいし、あなた達の力と僕らの力で、またやれるように音楽を止めずに続けていきましょう」
物事の始まり。バンドにとってメジャーデビュー作の1曲目でもあったナンバー「FINAL DESTINATION」が、この<KITAKAZE ROCK FES. 2022>と盟友に捧げるようにかき鳴らされた。それにしても今日のcoldrain、仲間達への思いに満ち溢れた男泣かせのステージでもあった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎TAKASHI KONUMA
【coldrain セットリスト】
02. REVOLUTION
03. PARADISE (Kill The Silence)
04. KiLLiNG ME
05. Get Up,Get Up
06. CALLING
07. F.T.T.T
08. Final destination
◆BARKS内<KITAKAZE ROCK FES. 2022>特集
■ NOISEMAKER主催フェス<KITAKAZE ROCK FES. 2022>
5月29日(日) 北海道 札幌芸術の森 野外ステージ
open11:30 / start13:00
【28日出演者】
NOISEMAKER / coldrain / dustbox / FOMARE / KOTORI / HEY-SMITH / HIKAGE
【29日出演者】
NOISEMAKER / KNOCK OUT MONKEY / ROTTENGRAFFTY / The BONEZ / TOTALFAT / SHADOWS / CVLTE
▼チケット
入場券:通し入場券 ¥12,000(税込) / 28日入場券 ¥6,500(税込) / 29日入場券 ¥6,500(税込)
駐車券:通し駐車券 ¥1,000(税込) / 28日駐車券 ¥500(税込) / 29日駐車券 ¥500(税込)
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