【速レポ】＜KITAKAZE ROCK FES＞TOTALFAT、「来年、再来年ともっとでっかくしていこうぜ」

1曲目がいきなり誰もが認めるTOTALFATの代表的パーティアンセムの「PARTY PARTY」なんだから、＜KITAKAZE ROCK FES＞に臨む3人の気合が窺える。ステージに走り出てきて、定位置につくやいなや、観客の気持ちを煽るように「オイ！オイ！オイ！」とBunta(Dr, Cho)が声を上げ、観客が手拍子で応える中、“Na Na Na Na” “Party! Party!”とJose(Vo, G)とShun(Vo, B)が掛け合いながら、「Party Party」になだれこむ。早速、スタンディングエリアに集まっている観客の頭が揺れ始めた。

◆＜KITAKAZE ROCK FES. 2022＞ 画像

「さあ、準備はいいか？ SHADOWSからヤバいバトンが渡ってきた。俺らもNOISEMAKERに繋げるぜ！」──Shun


文末のセットリストを見たら、この7曲なら盛り上がらないわけはないと誰もが思うだろう。しかし、言っておきたい。自分達のツアーの勢いのまま駆け付けたからなのか、＜KITAKAZE＞というシチュエーションがそうさせたのか、この日のTOTALFATは、そんな想像をはるかに超えてきた、と。

敢えて同期でも鳴らしたギターリフやアクセントに加えたラテンのエッセンスが新機軸を印象づけた新曲「Dirty Party」はもちろん、もう何年もやり続けている代表曲の「Room45」さえもShunの歌に跳ねるリズムのニュアンスが加えられ、さらに磨きが掛けられているように感じられたところにバンドの絶好調が窺える。




「2年もお預けを食らったんだ。NOISEMAKERとぶちあげるぞ！」──Shun

その言葉通り、アンセミックな「ONE FOR THE DREAMS」からの後半戦は、アイリッシュテイスト満点のパーティアンセム「Welcome to Our Neighborhood」に加え、“一足早く＜KITAKAZE＞を夏に染めてください”というNOISEMAKERからのリクエストに応えた「夏のトカゲ」で観客を存分に踊らせる。気温13度の札幌に一瞬夏が訪れたとここでは書いておこう。

そして、スタンディングエリアにいる観客全員がワイプで応えるという壮観な景色を作り出した「夏のトカゲ」のオチサビからフロアタムの怒涛の連打をきっかけに演奏はクライマックスになだれ込む！




「めっちゃ楽しい、ありがとう。＜KITAKAZE＞、NOISEMAKER、ハートが強すぎる。あと俺達にできることと言ったら、＜KITAKAZE＞に行けばよかったと思う奴を増やしていくこと。来年、再来年ともっとでっかくしていこうぜ。そして、俺達もそこにいられるようにやり続けることを約束します」──Shun

ラストを締めくくった「Place to Try」は、TOTALFATがもう10年以上演奏しつづけているシンガロング必至のアンセム。コロナ禍以降は、もちろん観客は一緒に歌えないのだが、Shunの伸びやかな歌声、JoseとShunが重ねるハーモニー、演奏するたびエモーショナルになっていくJoseのギターソロなど、聴きどころは幾つもある。

中でも“何も怖くなんてないんだ”というサビのパンチラインは、NOISEMAKERが3年越しで開催を実現させた＜KITAKAZE ROCKE FES＞のステージだからこそ、いつも以上にリアルに響いたんじゃないか。それはNOISEMAKERと、この日ここに集まった全ての人達に対するTOTALFATからの最高のエールのように思えた。


取材・文◎山口智男
撮影◎TAKASHI KONUMA


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