【速レポ】<KITAKAZE ROCK FES>NOISEMAKER、祝福と感動の大団円「あなた達がいれば間違いない」
2日間に渡って開催されてきた<KITAKAZE ROCK FES.2022>も、残された時間はあとわずか。札幌芸術の森を見守ってきた青空も、夕暮れの刻に近づき、青のトーンを弱め始めていた。そんな18時50分、ロケット発射のカウントダウンをフィーチャーしたSEが会場に鳴り響く。青いライトが幻想的に浮かび上がらせるステージに登場したのはもちろんNOISEMAKER。
◆<KITAKAZE ROCK FES. 2022> 画像
「行くぞ、札幌!!」
AG(Vo)の力強い言葉を合図に「Hunter or Prey」でライブはスタート。最新EP「AXIS」からの曲だが、ファンにはすっかり浸透しているナンバーでもある。スタンディングエリアはもちろん、芝生エリアのオーディエンスも総立ちになり、曲に飛び込んでいく。さらに曲が続く中で生まれる強力な一体感。そして改めて驚くべきは、NOISEMAKERの描き出すスケール感。でっかい北海道で生まれ育った血がそうさせるのか。広がりと深さあるアンサンブルや突き抜けるメロディやフレーズ。とにかく、この野外の大舞台がよく似合う。
「今日、3年分、思いっきり特別なもの見せてやるからな!」
そんな言葉からSHADOWSのTakahiroとKazukiがNOISEMAKERに加わる。SHADOWSのメンバーがFACTで活動中だった約10年前からの付き合いでもある。出会ったときはFACTは先輩で、NOISEMAKERは後輩という立場だったが、バンドマンとして様々な経験を積み重ねた今は、同志である。HIDE(G)とTakahiroが表情を確かめ合いながら弾いたと思えば、YU-KI(B)とKazukiが横並びになって弾く。それを満足そうに見つめながら強靭なリズムを刻むのはYUTA(Dr)。全員が熱いものを音に込め、大地を揺るがし、大空に響かせていった。
▲with Takahiro
▲with Kazuki
「CVLTE、KNOCK OUT MONKEY、SHADOWS、TOTALFAT、The BONEZ、ROTTENGRAFFTY。この数年間、一緒にこの神輿を担いでくれて、本当にありがとうございます。俺達だけじゃ、本当にできなかったです。今日、昨日、来てくれたみんな。本当にありがとうございます。お待たせいたしました。まだまだ小さいフェスです。足りないところもいっぱいあるけど、一番大事なものは揃っていると思いました。あなた達がいれば、間違いないって。正直、この<KITAKAZE>、未来のことなんて分からないです。だけど1個、分かっていることがあります。この<KITAKAZE>、北海道で一番ヤバいフェスになるってことです。2020年、ワケの分からない流行り病でとん挫して、2021年、また中止になりました。そして2022年5月28日・29日、ついに北風は吹いたぜ、札幌!」
勝利の旗を高く掲げるように突入したのは「Flag」。約15年前からの付き合いがあるKNOCK OUT MONKEYのw-shunがNOISEMAKERに加わる。対バンなどを通じて切磋琢磨してきた間柄だが、今日は強力な相棒だ。
▲with w-shun
▲with NOBUYA
さらに「SORA」ではROTTENGRAFFTYのNOBUYAが。ROTTENGRAFFTYとも10年以上前からの付き合い。生命力と意欲に溢れる「SORA」に、NOBUYAは“KITAKAZE、必ず来年も開催してくれ”と歌詞をその場で変え、NOISEMAKERにエールも送った。
「18年間、バンドをやり続けてきて、18年間、これをやるって言い続けてきました。言い続けて、言い続けて、やっと今日、辿り着けました。第一歩です、今日は。日本中を巻き込むでっかい風を起こすぞ! 声を上げ続けろ!」
▲with JESSE
自分を信じ、そして有言実行に移した彼ら。まだ始まったばかりのフェスとはいえ、夢を実現させた。だからこそ「SPEAK UP」の説得力はこれまで以上。しかしNOISEMAKERが達成感に溺れるはずなどなく、彼らの視線にはすでに次への野望も。その強い意気込みは続く「Wings」に込められてゆく。The BONEZのJESSEも加わり、AGを挑発するようにラップで煽る。さらにスタンディングエリアのフェンスにAGとJESSEは立ち上がり、オーディエンスと魂でぶつかり合う。
バンドマンの熱く強い絆と、同じぐらい熱いオーディエンスの気持ち。バンド主催フェスの主役はいつだってそこだ。この<KITAKAZE ROCK FES. 2022>にも主役は間違いなくいた。
そしてライブ後半、「To Live is」に入るときだった。
「生きるということ、2度倒れても、3度目に立ち上がるということ。生きるということ、<KITAKAZE>でオマエたちと音楽を楽しむということ」
普段ならその曲に入るとき、生きることの大変さを語るAGだが、今日は違う。一生懸命やった末に掴み取った喜びが表情にも溢れていた。さらにラストとしてNOISEMAKERが選んだ曲は「NAME」。感謝の気持ちを音に込め、オーディエンス全員の全身に響かせていくNOISEMAKER。オーディエンスからは感動と、いろんなありがとうの拍手がどんどんでかくなり響いていく。そしてステージ袖からNOISEMAKERのステージやオーディエンスの姿を見守る多くのバンドマン。最高潮の光景がそこにあった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎TAKASHI KONUMA
【NOISEMAKER セットリスト】
02. THIS IS ME
03. Change My Life feat. Kazuki / Takahiro (SHADOWS)
04. Flag feat. w-shun (KNOCK OUT MONKEY)
05. SORA feat. NOBUYA (ROTTENGRAFFTY)
06. SPEAK UP
07. Wings feat. JESSE (The BONEZ)
08. Something New
09. To Live Is
10. NAME
◆BARKS内<KITAKAZE ROCK FES. 2022>特集
■ NOISEMAKER主催フェス<KITAKAZE ROCK FES. 2022>
5月29日(日) 北海道 札幌芸術の森 野外ステージ
open11:30 / start13:00
【28日出演者】
NOISEMAKER / coldrain / dustbox / FOMARE / KOTORI / HEY-SMITH / HIKAGE
【29日出演者】
NOISEMAKER / KNOCK OUT MONKEY / ROTTENGRAFFTY / The BONEZ / TOTALFAT / SHADOWS / CVLTE
▼チケット
入場券:通し入場券 ¥12,000(税込) / 28日入場券 ¥6,500(税込) / 29日入場券 ¥6,500(税込)
駐車券:通し駐車券 ¥1,000(税込) / 28日駐車券 ¥500(税込) / 29日駐車券 ¥500(税込)
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