【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>SHANKの音楽が持つ豊かさ

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熱い思いを曲間に語ったり、ゲストを迎えたりして、ドラマチックに盛り上げるわけではないけれど、1曲1曲にしっかりと熱を込め、SHANKは彼らにとって3年ぶりの出演となった<SATANIC CARNIVAL>のステージにその存在を確実に刻み込んだ。

◆SHANK ライブ写真

変に他のバンドと張り合うようなライブにせず、いつもと同じようにステージに臨んだことで、メロディックパンクとスカパンクの2本立てと思わせ、実はニュアンスに富んだSHANKのレパートリーの魅力もさることながら、何よりもストイックなバンドの姿勢が際立ったと思う。いや、それが当たり前のことだと思っているに違いないメンバー達は、そんなふうに言ったら、きっと困惑するかもしれないけれど。


それはさておき、ライブのイントロと言える「Surface」から「620」「Hope」「Life is…」と立て続けに繋げていった序盤から見どころは満載だった。スカパンクの「620」で観客のツーステップを誘った庵原将平(Vo, B)のグルービーなウォーキングベース、緊張感に満ちた松崎兵太(G, Cho)のギターソロは大きな聴きどころだったと思うし、メロディックパンクの「Hope」を挟んで、「<SATANIC>、踊ってってくれ!」(庵原)と演奏した「Life is…」の観客をジャンプさせたイントロのギターリフと池本雄季(Dr, Cho)のダイナミックなドラムプレイから感じられたラテンのフレーバーは、SHANKの音楽が持つ豊かさを物語るものだった。


直近のツアーが4月に一段落したため、<SATANIC CARNIVAL>が久しぶりのオンステージだったことから、「子供と嫁さんとしか会ってなかったから、人がたくさんいてびっくりした」(松崎)、「あんまり見ないで(笑)」(庵原)と言葉を繋げた、あまりにもざっくばらんなMCで観客を和ませてからの中盤も、メロウな味わいが滲む2ビートのメロディックパンクナンバー「Set the fire」や、ぐっと音が前に出た庵原のグルービーなベースが演奏をリードしたスかパンクナンバー「Take Me Back」と、どういう曲なのか伝えるため、便宜上加えたメロディックパンクやスカパンクと言う言葉にとどまらないニュアンスに満ちた曲を楽しませた。

そこから繋げた哀愁のサビを持つメロディックパンクの「Good Night Darling」、ポップパンクともパワーポップともメロディアスなロックンロールとも言える「It’s not a game」のポップな味わいも聴きどころだった。「It’s not a game」でサビの歌メロをなぞった松崎のギターソロにも思わずニヤリ。

スティーヴィー・ワンダーの「Isn’t She Lovely」も含め、この日のSHANKはポップな魅力が染みたのだ。


「<SATANIC>、開催おめでとうございます。PIZZA OF DEATH ありがとうございました。またやりましょう」(庵原)

レゲエのリズムが作る大きなグルーブに観客が心地よさそうに身を任せた「Wake Up Call」は、野外の大きなステージにぴったりだった。そして、メロディックパンクの「Honesty」から、時間が4分残ったため、急遽追加した「Two Sweet coffees a day」「submarine」と繋げ、SHANKはラストを締めくくったのだが、その2曲が持つハードな感触はポップな味わいが染みたセットリストの中で際立ち、最後の最後に大きな印象を残したのだった。


因みに「Two Sweet coffees a day」はたたみかけるようなメロディに滲む海外の民謡っぽいニュアンスに加え、観客を踊らせるドラムの4つ打ちとギターの裏打ちのカッティングのアンサンブルなど、メロディックパンクと思わせ、その一言に収まりきらない魅力が音源以上に際立っていたように聴こえたという意味で、相当に聴き応えがあったことを最後に付け加えておきたい。

取材・文◎山口智男
撮影◎中河原理英

【SHANK セットリスト】

1.Surface
2.620
3.Hope
4.Life is...
5.Set the fire
6.Take Me Back
7.Good Night Darling
8.It's not a game
9.Isn't She Lovely(スティーヴィー・ワンダー)
10.Bright Side
11.Wake Up Call
12.Honesty
13.Two sweet coffees a day
14.submarine

■<SATANIC CARNIVAL 2022>

6月4日(土) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
6月5日(日) 富士急ハイランド・コニファーフォレスト
・物販 / FOOD AREA:start09:30
・ライブ観覧エリア:open10:30 / start11:30 ※19:25終演予定
▼6月4日(土)出演ラインナップ
BRAHMAN
coldrain
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
KUZIRA
マキシマム ザ ホルモン
NOISEMAKER
SHADOWS
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Suspended 4th
w.o.d.
THE FOREVER YOUNG
[OA] FUNNY THINK
▼6月5日(日)出演ラインナップ
04 Limited Sazabys
10-FEET
Crossfaith
CVLTE
dustbox
ENTH
ハルカミライ
MAN WITH A MISSION
Paledusk
SHANK
SHIMA
WANIMA
山嵐
[OA]SABLE HILLS

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