【インタビュー】Ghost like girlfriend、3年ぶりアルバムにリベンジと変化「コミュニケーションをしたい。音楽を通してわかり合いたい」

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■自分がいかに足りない人間かということを
■あらゆる場面で自覚していくという作業

──緊急事態宣言中は特に人と物理的に距離を取らないといけなくて、ひとりで生活せざるを得なかったですよね。だからこそ、些細なことに対してすごくしんどくなってしまった人もいただろうし、逆に“ここをちゃんとしたらいいのかも”と気づいて生活に立ち返った人もいたと思うのですが、岡林くんはどうですか?

GLG:僕はすごく生活というものに立ち返っていた気がします。同時に、それまでは楽しさを生むことを人に頼っていたなと気づいたので、徹底してひとりで暮らすということをテーマにして、ちゃんと三食ごはんを食べるとか、改めて楽しみながらラジオを聴くとか、ひとりの時間をどうやって誰かの存在なしでも楽しくできるかをすごく考えていたんですよね。僕はマネージャーがいないですし、さらにコロナで誰にも会わずに過ごすことを余儀なくされて、“自立したい、自立しなきゃ”と自分に言い聞かせていました。ちゃんとひとりで全部できると思っていたんですけど、やっぱりひとりには限度があるし、全部ひとりは無理だなって。頼るところは人に頼って、ちょっとだけルーズにならないとって気づきました。でも、ひとりで暮らしたからこそ、身の回りで起きたことを形にできたと思いますね。

──つまり、理想を突き詰めて形にした1stフルアルバムから滲み出てしまっていた驕りやプライドが、ある種崩れていった感じでもあったのでしょうか?

GLG:そうですね。崩されたし、自分でも崩しにかかりました。一度、自分のなかを更地にして今作を作りましたね。1stフルアルバムはどこかでカリスマになりたいって気持ちがありましたけど、“その器じゃない”って自覚しないと、どんどん等身大の自分と理想の自分が遠ざかっていく。理想の自分のみを形にし続けると、“果たしてこれは俺なのか?”っていう作品ができあがっていくだろうし、それは違うなって思ったんです。だから、自分がいかに足りない人間かということをあらゆる場面で自覚していくという作業を2019年の後半からやっていました。理想よりも、素の自分と音楽を近づけていく作業をしなきゃいけないなと。



──自分のプライドや驕りに向き合って、しかもそれを崩していくとなると、結構しんどいと思いますし、ましてやその姿ってあまり人に見られたくないじゃないですか。だから、より人と距離を取ったり、人嫌いになってもいいものの、よくここまで人を求める歌詞が書けたなと。

GLG:やっぱり自立したいと思ったことが大きいですね。そのためには自分を更地にしなきゃいけなかったし、カッコ悪くなれるタイミングとしてはここしかなかったと思います。まだ終わりきっていない作業だから、相反する気持ちもやっぱりあるんですよね。人といたいという気持ちと、ひとりでも大丈夫でありたいという気持ちが同居しているのもそうです。ありきたりな表現ですが、孤独に酔いしれたり、傷ついている自分に酔いたいみたいな感覚が昔からあって。しっかり向き合ってる感があるし、作品のネタにもなりやすかったりもするので、自分がどういうふうに傷ついているかを分析することが、ある種自分の仕事でもある気がします。でも、ここ2〜3年それをやりすぎて疲れてはいるかもしれないです。

──岡林くんには、自分のことをメタで見ている視点があるなと思うのですが、傷ついている実在の岡林くんと、それを見ているメタ岡林くんがいることによって、それこそ1stフルアルバムの時に感じたように自分自身がバラバラになるような感覚はないのですか?

GLG:意外とそういう感じはしなくて。明らかに傷ついているなっていう時は逆に俯瞰しないとやってられない時もあって。ライフハックとしての俯瞰というか(笑)。

──そういう目線の違いや意識の変化が、今作だと8曲目の「Midnight crusing」から出ていると思うんです。ここから明確にアルバムの雰囲気が変わりますが、それはなぜでしょう?

GLG:まず6曲目の「音楽」以降は明確に他者が出てくる曲になっているんですよね。流れが変わるという意味で言うと、「音楽」の“ねぇ もうずっと譲って来たし そろそろ良いでしょ”っていう歌詞から、“自立しなきゃ”みたいなところからちょっと解放されるみたいな。次の「Highway」はお互いヘコんでるから気晴らしにドライブでも行きますかって曲になっていて。で、「Midnight crusing」は“自立しなきゃ”から解放された、もうちょっと人に迷惑かけてもいいよねっていうルーズさのピークにきている感じです。

──なるほど。

GLG:自分の作家性として、一見暗いムードじゃない曲でも、センチメンタルや闇みたいなものが絡んでいて欲しいと思っていて。それをどこまで小規模に落とし込めるか実験した曲でもあります。今まではAメロ、Bメロ、各セクションに闇がないといけないと自分に課していたのですが、それをミニマムにしても作家性を担保できるんじゃないかと思って。だから、“せめてどこまでも優しい時間にしようよ”っていうサビの“せめて”というたった3文字だけで、この曲の裏側にある暗さとかやるせなさみたいなものが出てたらいいなと。この3文字に闇を閉じ込めることを意識して、あとは風通し良く、景気良くいきたいなって。そういう実験もあって、アレンジもどんどん華やかになっていきました。


──4月半ばにアルバムが完成して、親しい人にはすでに聴いてもらったと伺いました。周りの反応はいかがですか?

GLG:感想をいただくと、“人恋しさ”みたいなワードが必ずついて回るんです。人に会えない抑圧された気持ちが知らず知らずにすごく出ていると思うし、自立したいとは言いつつも“ひとりでもやっていけます”とか“僕は強いです”って最後まで言い切れなかった。でも、言い切れなくて“実は”っていうことが漏れ出たからこそ、人恋しさや人懐っこさがアルバムに出てくれたんじゃないかなと思います。

──いい意味で身の丈を知ったからこそ、リアルに共感できる言葉が並んでいると思うし、それが人恋しさや人懐っこさに繋がっている気がします。

GLG:身の丈は確かに思い知る瞬間がたくさんありました。だからこそ自分の限界もわかってきました。これからはあまり背伸びしなくなると思います。これまで目指していた理想に対して、自分を更地にしていく過程で折り合いをつけられたから、きっとここから楽になっていくんだと思います。

──このアルバムを通して、どんなコミュニケーションをしたいですか?

GLG:とある作家さんが、「自分の書いた本をどう受け取って欲しいか?」っていう質問に対して、「椅子に読者をぐるぐる巻きにして縛って、顔と顔を突き合わせて唾を吐きかけるくらいの距離で、書いたことがそのままの意図で伝わって欲しい」みたいなことを言っていたんです。前は僕もそうだったし、そのためにはカリスマ性があって、理想を形にしないといけないと思っていました。でも今はもう、聴いてもらえたらいいやって。一対一で正座して向き合うように聴いてもらってもいいですし、BGMでも、“なんとなくいいな”って聴いてもらってもいい。僕が求めていたのはコミュニケーションということだから、どんな形でも聴いて欲しいと思っています。

取材・文◎飯嶋藍子



2ndアルバム『ERAM』

2022年6月8日(水)発売
UPCH-20621 ¥3,300(税込)
01. ERAM
02. 光線
03. laundry
04. Rainof○○○
05. 面影
06. 音楽
07. Highway
08. Midnight crusing
09. Birthday
10. Flannel
11. マリアージュ

▼アルバム『ERAM』配信情報
iTunes、レコチョク、Apple Music、LINE MUSIC、Spotifyなどの音楽配信サイトにて配信中
https://lnk.to/glgeram

■<Ghost like girlfriend弾き語り単独公演 「雨、雨、雨」>

7月17日(日) 下北沢SPREAD
open16:00 / start17:00
8月19日(金) 名古屋KDハポン
open18:00 / start19:00
8月20日(土) 大阪cafe Room
open16:00 / start17:00
▼チケット
¥3,800(税別) +1ドリンク
【オフィシャル先行受付(抽選)】
受付期間:6/8(水)20:00~6/12(日)23:59
https://eplus.jp/ghostlikegirlfriend/


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