【インタビュー】BREAKERZ、15周年の起承転結を語る「前しか見てなかった。奇跡だなって思います」

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■3人が尊重し合っているだけじゃなく
■各自が自分を大事にしている

──<JACK IN THE BOX>、<a-nation>、VAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY>など大規模イベントに出演するようになったのも、この頃からですよね。勢いの波に乗りつつ、俯瞰で自分たちを見ていたところもありました?

SHINPEI:俯瞰では見られなかったんじゃないかな。曲を作ってライブをやることに全力を注いで、1つ1つクリアしていって受け入れられた喜びや実感があったし。武道館に辿り着くまで、いろいろな力が味方になってくれる中、追い風が吹いているのを感じていたし。“先陣切って止まらずに行こう!”って思ってたから、前しか見てなかったと思います。奇跡だなって思いますよ。

AKIHIDE:僕自身は舞い上がる部分ももちろんあったんですけど、今、振り返って思うのは当時、Acid Black Cherryでギターを弾かせてもらっていたので、BREAKERZと並行して活動していたんですよ。そんな中、ステージから落下して足をケガしたんです。そのアクシデントがあったせいか、一歩退いて俯瞰で見ていたかもしれないって今、改めて思いました。

──なるほど。

AKIHIDE:武道館という会場に関しては、最初のバンド(FAIRY FORE)のときにイベントで立たせてもらったことがあったし、Acid Black Cherryでも経験していたので、ステージからの景色は知ってたんです。だから、自分のバンドで立てる嬉しさはもちろんあったんですけど、“追い風が吹いてるな”って、ちょっと冷静に認識していた気がします。DAIGOくんの露出がすごく増えていた時期で、TVで知ってくれた人も多かったし、yasu (Acid Black Cherry)さんを通して知ってくれた人もいただろうし。まぁ今、振り返って感じることですけどね。


▲SHINPEI (G)

──BREAKERZを語る上で大きな時期ですよね。

DAIGO:正直、永遠に人気がある人ってなかなかいないと思うんです。だからこそ、熱い時期にガンガンいこうって思ってたし、それがやれて良かったと今も思いますね。爆発的なヒット曲を出したわけでもないのに4年連続で武道館に立てたのは応援してくれたみなさんがいるからで、BREAKERZ自身もファンの皆さんを大事に活動してきたから、自信にもなったし、本当にありがたかった。

──そんな活動を経て、BREAKERZは2013年に活動休止、ソロ活動期間に入りますが、ここは起承転結の“転”に当たるのかなと思います。バンドを一旦離れることが必要だった一番の理由というのは?

DAIGO:BREAKERZって最初の5年ぐらいは本当に駆け抜けたと思うんですよね。短いスパンで音源をリリースしてライブをやってきたので、5年経って、一回フラットに戻すことも必要だったし、そういう時期だった。各自ソロ活動をして得たものをまたバンドで集まった時にぶちかませればいいかなと思ったことが、一番の理由でしたね。仲が悪くなったとか、そういうことではなく、ホントに前向きなソロ期間でしたね。

──放出するものが多い5年間で、疲弊していたところもあったのですか?

AKIHIDE:疲弊はしてないんですよ。ひと呼吸つきたかったというか。

──マラソンでいう給水ポイントみたいな。

AKIHIDE:そう。“キツい” “ムリ”じゃなかったんですよね。

SHINPEI:5周年ベストアルバム『BREAKERZ BEST~SINGLE COLLECTION~』のツアーを終えたところで、ちょうどいいタイミングだったのかもしれないですね。僕自身も、例えるならクローゼットがパンパンだったみたいな。整理整頓しないとなって。

──今や整理収納アドバイザーの資格を持っているのに(笑)。

SHINPE:ははは。買い過ぎたかなって。クローゼットから一回全部の服を出して、“やっぱりこの一着だな”って選び直す時間だったんでしょうね。ひと息入れて、今後のBREAKERZに必要なものは何なのかを考えるっていう。いったん、それぞれの場所で活動することができたのも今思えば良かったと思います。

DAIGO:走り続けてきたから、一回ピットインした感じですよね。

──だからこそ、無期限の活動休止ではなく、ライブでファンを前に「戻ってくる」と約束した上での休止だったのですか?

DAIGO:そうですね。BREAKERZをずっとやり続けていきたいので、ちょっとお休みするぐらいの感覚だったんです。ファンのみなさんに悲観的になってもらいたくなかったっていうのはありますよね。


▲『BREAKERZ BEST -SINGLEZ-』通常盤

──事実、それぞれのソロ活動が1年経過した頃に<BATTLE ROYALE ZEPP 2014 ~第1回 BREAKERZソロ報告会~>で、ソロとして三つ巴のライブ対決を実施したわけで。それぞれの音楽的な飛躍を感じられましたし、不仲なんて微塵も感じませんでしたから。2013年はひとつの大きなターニングポイントだったとしても、これまで解散という言葉が出たことはなかったんですか?

全員:なかったですね。

──意見が食い違ってバチバチになったこととか?

DAIGO:それもないんですよ。解散とか脱退というワードは出たことがない。

──15年続けてきて、それはすごいことですよね。なぜだと思います?

SHINPEI:いろいろな理由があると思うんですけど、僕は、最初からいい意味で距離感があった3人だからじゃないかと思います。BREAKERZという名のもとに集まったメンバーなので、プライベートで一緒に釣りに行くとか野球するとかは最初からなくて。同じ船に乗った仲間のような感覚なんですよね。それぞれの時間がありつつ、BREAKERZになったら全力を注ぐスタンスは最初から変わらないので、その距離感の保ち方が今となっては良かったんだろうなと。

DAIGO:尊重し合っているから、モメないでやれてきたのは大きいと思うし、やっぱり人間性ですよね。音楽性に関しては、やりたいことがよほど違ったら問題かもしれないですけど。例えばSHINPEIが「僕は今後、バイオリニストとしてオーケストラでやりたい」って言ったら一緒にやれないじゃないですか(笑)。でも、そうじゃなければ、それぞれの音楽性は曲に反映できる。優しくてよくできた連中が集まったと思ってますけどね。

──ソロ期間があったからこそ、15周年のBREAKERZが存在しているという側面もあると思いますが、各自が“バンドに持ち帰ってやる”と思っていたことは?

DAIGO:ソロをやったからこそ、バンドに戻ってきた時に今後のBREAKERZをどうしていきたいかが、客観的に見えたんだと思うんですよね。休止期間を経て発表したシングル「WE GO」(2015年)は、“これがBREAKERZだよね”っていうところに立ち返った1曲でもあったんです。ツインギターから始まって、キャッチーだけどロックしてる。ソロ期間がなかったらできなかった曲かもしれない。

AKIHIDE:ちょっと話は戻りますけど、3人が尊重し合っているだけじゃなく、各自が自分を大事にしているんじゃないかなって思うんですよ。尊重し合うだけだと、ストレスが溜まって崩れていくけど、そうじゃない。だからバンドに持ち帰ろうという感覚じゃなくて、得たものを自然と提示したくなるんです。お互いに認め合えるから、進化していくし、みんな意図があって歩みを止めたわけじゃなかったんじゃないかな。だから、15年続けてこられたのかなって。

──変な気遣いがない関係だからこそ。

AKIHIDE:気は遣うけど、全員、自分をないがしろにはしないんですよ。

DAIGO:そうですね。ソロも3人がやりたいと思わなければやらなかっただろうし、今もソロと並行してやっていますからね。それは個々を大事にしてきたからこそ。

──なるほど。ある意味、似てる3人なのかもしれないですね。

DAIGO:似てるかどうかはちょっとわからないけど(笑)、細かいところだと、言い方とか伝え方もよかったんでしょうね。“ふざけんじゃねーよ!”みたいなやりとりは過去一回もないので。

──確かに想像できません(笑)。

DAIGO:だから人柄ですよね。

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