【ライブレポート】ベリーグッドマン、アットホームな空間を作りだしたツアーファイナル公演@Zepp DiverCity TOKYO

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2022年4月にデジタルEP『チョベリグ』をリリースしたベリーグッドマン。彼らが全国10箇所を回るライヴハウスツアー<ベリーグッドマン“チョベリグ”TOUR 2022>のファイナル公演を、Zepp DiverCity TOKYOにて開催した。

5曲入りEP『チョベリグ』は、“ベリーグッドマン史上最高のやりたい放題”のキャッチフレーズを持つ作品。歌詞サウンドともに方向性がまったく異なる個性的な5曲が揃っている。それゆえにこのツアーも、ベリーグッドマンの様々な魅力を体感できる1日となった。

壮大な効果音から「チョベリグ」のイントロにつながりライヴがスタート。トランス的なサウンドに、リズムに特化したラップやメロディ、飛び交うレーザーとステージに多数設置された棒状LED照明が一気に観客のテンションを上げると、ゴキゲンなレゲエナンバー「Nice Bokeh」へなだれ込む。MOCAは“かかってこいや!”などしきりに観客を煽り、Roverはあたたかい眼差しで客席を見渡しながら歌唱。クールな面持ちのHiDEXも、ソフトな歌声にこの日を迎えられた喜びを乗せていた。


観客が全身を動かして楽しめる「Trip」、エモーショナルかつ爽快感あふれる「Mornin’」とライヴにぴったりのハイテンションの楽曲を畳みかけ、MOCAの“毎日頑張っているみんなに応援歌を持ってきました”という言葉の後に披露したのは「ライオン」。熱い気持ちを歌に乗せ、日々戦い抜く人々にエールを送った。頭をからっぽにできるくらい突き抜けたリリックでストレスを発散させるのも、強いメッセージでしっかりと背中を押すのもベリーグッドマン。正反対だがどちらも彼らのカラーであり、観客の心の拠り所にもなっている。


Roverが“ファイナルということで、ばっちりいい感じで盛り上がっていけたらと思います!”、MOCAが“声出したらあかんとかあるけど、いつもどおりリラックスして楽しんでいけますか!?”と呼び掛けると、スマートに「いいね」へとつなぐ。リフレインするピアノのフレーズとやわらかいトラック、優しい歌声がこちらの心の傷を癒すようだ。観客も身体を揺らしながら手拍子をして、今この瞬間に湧き上がる喜びを3人へ伝えた。


ロマンチックなハーモニーで魅せるラブソング「それ以外の人生なんてありえないや」、父の日が近いことを受けてバラード「おとん~yat~」を続けざまに披露すると、Roverが“大切なみなさんへ”と告げ2022年第1弾楽曲「花束」へ。タイトルのとおり、花束を大切な人に向けて手渡すように歌声を届けた。

MOCAがRoverとHiDEXに求愛するというコント風のパフォーマンスを交えながら「君に恋をしています」を歌い上げ、トロピカルハウステイストの「GroovyでDancingなParty」で再びテンションを上げると、「TTS」でサポートDJのMANA-Bがステージ前方に登場。観客もタオルを回し、空いたDJブースに侵入したRoverがサンプラーを鳴らしたり、MOCAもDJブースに乗って観客を煽るなどし、場内がハッピームードで包まれた。


「Supernova(KSUKE Remix)」は照明の演出も見事で、サイバーかつ幻想的な空間を作り出す。MOCAが“この曲をやり終わった後はシーンとなる”と言っていたが、それだけこの曲が観客を圧倒するエネルギーや、心をぐっと引き込む感傷性を持っているということだろう。

力強い応援歌「ファンファーレ」をまっすぐ歌った後、Roverはこのツアーが自分たちにとってとても大切なものになったと語る。コロナ禍で思うようなライヴができないなか、会場に足を運んでくれた観客に励まされ、このツアーを完走することができたと感謝を告げるRover。“皆さんが僕らの音楽を聴いてくれるから僕らは音楽を作るし、皆さんがライヴに来てくれるから僕らは全国でライヴをしています。ベリーグッドマン10周年に向けて全力で走り抜けて、さらに10年、また10年と歩んでいきたいと思います”と続けると、客席からはあたたかい拍手が巻き起こった。


本編ラストは『チョベリグ』のラストを飾る「明日」。彼らの応援歌には戦っていく姿勢を書き記したものが多いが、この曲は胸に宿る感傷や弱音なども綴られている。涙を丁寧に描いた同曲を真摯に歌う3人の声に、心が洗われていった。

アンコールでスカ×レゲエナンバー「She’s my beautiful girl」、絶対に夢を叶えるという強い気持ちを優しいメロディに乗せた「ドリームキャッチャー」の2曲を届けた後、今年9月のアルバムリリースと、そのアルバムを引っ提げた全国13箇所を回るホールツアーの開催を発表。“また皆さんと会える約束ができた”とMOCAも喜びを露わにした。


Roverが“また笑顔でお会いましょうという願いを込めて”と観客に呼び掛け、3人がツアーの締めくくりに選んだのは「アイカタ」。最後のサビで“お互い頑張ろうな”と歌いながらMANA-Bを含めた4人で肩を組む様子からも、ファンと自分たちが相方同士のような関係性であることを告げるようだった。聴き手の日々の暮らしに寄り添う楽曲を歌い続けるベリーグッドマン。そんな彼らだからこそ、Zepp規模のライヴハウスでもアットホームな空間を作れたのだと実感する時間だった。

取材・文:沖さやこ
撮影:Shun Fujita(ARIGATO MUSIC)

セットリスト

<ベリーグッドマン“チョベリグ”TOUR 2022>@Zepp DiverCity TOKYO
1 チョベリグ
2 Nice Bokeh
3 Trip
4 Mornin'
-MC-
5 ライオン
-MC-
6 いいね
7 それ以外の人生なんてありえないや
8 おとん~yat~
-MC-
9 花束
10 君に恋をしています
-MC-
11 GroovyでDancingなParty
12 TTS
13 Supernova (KSUKE Remix)
14 ファンファーレ
-MC-
15 明日
アンコール
EN-1 She's my beautiful girl
-MC-
EN-2 ドリームキャッチャー
-MC-
EN-3 アイカタ

アルバム情報

2022年9月28日(水)リリース

初回限定盤(CD+M-CARD)
CRCP-40648 定価¥4,000(税抜価格¥3,636)

通常盤(CD)
CRCP-40649 定価¥3,000(税抜価格¥2,727)

ライブ・イベント情報

<ベリーグッドマン ホールTOUR 2022-2023(仮)>
10月29日(土)神戸文化ホール 大ホール 17:00/18:00
11月12日(土)岡山市民会館 17:00/18:00
11月13日(日)なら100年会館 大ホール 17:00/18:00
11月25日(金)札幌市教育文化会館 18:00/19:00
12月10日(土)文化パルク城陽プラムホール 17:00/18:00
12月11日(日)大津市民会館 大ホール 17:00/18:00
12月23日(金)福岡国際会議場 メインホール 18:00/19:00
12月25日(日)愛知県・一宮市民会館 17:00/18:00
2023年
1月7日(土)トークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホール 17:00/18:00
1月9日(月・祝)大阪国際会議場 メインホール 17:00/18:00
1月14日(土)松山市総合コミュニティセンター  17:00/18:00
1月15日(日)広島上野学園ホール 17:00/18:00
1月21日(土)TOKYO DOME CITY HALL 17:00/18:00

チケット一般発売日:2022年公演/2022年9月4日(日)10:00
          2023年公演/2022年10月29日(土)10:00
チケット料金:一般7000円(税込)
中学生以下学割チケット5000円(税込) ※紙チケットのみ
特設ページ:https://berrygoodman.com/contents/531395

<ベリーグッドマン 超好感祭 2022 ~史上最強のビーチパーティー編~>
2022年9月3日(土)大阪/泉南・SENNAN LONG PARK
OPEN 13:00 / START15:00 / END16:30
入場無料(要入場整理券) 整理券配布中
特設ページ:https://berrygoodman.com/contents/517588
お問い合わせ(平日・土曜11:00~16:00):キョードーインフォメーション /
TEL : 0570-200-888
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