【インタビュー】ファンモン、ニューシングル「ROUTE 16」は“聴き手によって色が変わる”自信作

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思い出のあの道を走って、あの頃の自分たちにもう一度会いに行こう──。FUNKY MONKEY BΛBY'S、ニューシングルのタイトルは、「ROUTE 16」。結成当時の若く美しい日々に思いをはせながら、今もまだここにある青春の続きをいとおしむような、優しさとエモさを兼ね備えた歌詞。夏がよく似合うアップテンポのリズムの中に、せつなさをぎゅっと閉じ込めたダンスホール調のトラック。伝家の宝刀、グッドメロディと高いラップスキルを両立させた、これが最新型ファンモンのアイデンティティだ。

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■青春で、もがいていた感じを出したいと思ったら、やっぱり16号

──「ROUTE16」=国道16号線は、横浜から八王子を通って、首都圏をぐるりと取り囲む道のことです。

ファンキー加藤:このタイトルになったのは、最初はそんなに意識していなくて。でも自然と、俺とモン吉のそれぞれのバースに「16号」というワードが出てきたので、このタイトルにしました。モンちゃん、最初に俺が書いてた言葉に引っ張られたの?

モン吉:引っ張られた。ファンちゃんのバースが、横浜のクラブに行く話だったんで。あの当時、青春で、もがいていた感じを出したいと思ったら、やっぱり16号かなと。でも二人とも同じ言葉じゃつまんないんで、俺は英語で「ROUTE 16」にしてみようと。

ファンキー加藤:八王子市民は、どこに行くにも国道16号を使ってたからね。今は圏央道があるけど、当時は16号で、横浜を目指して。

モン吉:129号に入って。

ファンキー加藤:そこから茅ヶ崎方面へ遊びに行く。国道16号は、僕ら地元民にとってはすごく重要な道なんですね。調べてみると、ユーミンさんとか、LITTLE(KICK THE CAN CREW)くんとか、地元の先輩にも国道16号について歌った曲があって、たくさんの思い出が詰まっている道ですね。



──それは、昔、MCで言っていた「シルクロード」と同じ道?

ファンキー加藤:そうだと思います。正しくは、別の道があったらしいですけど、基本的な道筋は16号と同じだと思います。横浜まで生糸を運ぶ道、という。

モン吉:八王子と横浜って、なんか繋がってるね。八王子から横浜に行って、生糸を卸して。俺たちは当時、週一で横浜に行って、新曲を卸して。

ファンキー加藤:手作りの曲をね(笑)。卸しに行きましたね、横浜まで。

──うまい。でも当時、渋谷とか新宿のクラブで活動するという選択肢はなかったんですか。

ファンキー加藤:あるはあったんですけど、新宿とか渋谷って、基本的に電車で行く場所だったんですよね。あと、国道20号(甲州街道)は上に中央道が走ってるんで、車で行く場合も、中央道の思い出になりがちなので。

モン吉:都内もいっぱい歌いに行ってたけど、ロゴス(横浜CLUB LOGOS)の思い出が強かったからね。

ファンキー加藤:この曲を書くちょっと前に、ファンクラブの動画で、当時のロゴスの店長に会いに行ったんですよ。俺らがよく歌ってたロゴスの店長が、今の事務所の社長を紹介してくれた、懸け橋になってくれた人なんですね。その人に会いに行った時に、自分の中で曲の構想がわーっと出てきて、楽しかっただけじゃなくて、しんどい思い出もひっくるめて、夏の思い出というものが頭の中に描かれてきて、これを曲に落とし込みたいなということで、作りましたね。

──とてもいい曲です。再始動第1弾「エール」は、ファンモンの応援ソングのアイデンティティを確かめ直すような曲でしたけど、これはさらにその先へ進んだ曲だと思います。まず、トラックは、どんなふうに?

▲ニューシングル「ROUTE 16」初回限定盤

モン吉:トラックは、石橋謙悟さんという、初めての方です。デモ段階で何曲か集めた中に、この方のオケがあって。これに挑戦してみようと思って、メロディを出したら、「このメロディ、いいね」ということになって、そのままアレンジも一緒にやっていこうという流れでしたね。最初はもっとキラキラしていて、ザ・ポップスという感じの音だったんですけど、自分たちの声がポップスなんで、ポップスとポップスが合わさると、引っかかりがなくなっちゃうから。もともとの僕たちの打ち込みっぽい要素と、今の時代っぽく音数を減らして、ローファイっぽくとか、そういうことを電話やZOOMでやり取りしながら作っていきましたね。だから、初めて、直接会わずに作ってるんですよ。

ファンキー加藤:福岡在住の方なので。そういう作り方は初めてで、勉強になりました。ZOOMと、LINEと、データのやり取りだけで、曲を作っていくことは。

モン吉:できるよね。

ファンキー加藤:できるできる。面白かった。

──リズムで言うと、レゲトンっぽい感じですかね。

モン吉:狙ったところは、ローファイ・レゲエというか、ローファイ・ダンスホールというか。あんまり聞いたことないので、参考になるものがなかったんで、そんな感じになったらいいなと思いつつ、結果、そんな感じになったかなとは思ってるんですけど。



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