【速レポ】<京都大作戦2022>Creepy Nuts、「進化した俺たちで帰ってこれた」

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ヤバイTシャツ屋さんに続いて登場したのは、<京都大作戦>2度目の出演となるCreepy Nuts。「朝っぱらから、合法的にトンでいけますか」というR-指定の声でスタートしたのはもちろんこの曲「合法的トビ方ノススメ」だ。

◆Creepy Nuts ライブ写真

雨足が強くなったり弱くなったりで、地面はぬかるんだ状態だったが、オーディエンスはビートに乗って手をあげ、そしてジャンプする。「京都大作戦、足元悪いけどもっと飛び跳ねて行こうか」「とびはねろ」とR-指定、DJ松永の煽りとともに、ジャンプはさらに大きくなる。多少の泥の汚れなんぞおかまいなしで、体を揺らすオーディエンス。長年、京都大作戦に通っているライブキッズは、雨やぬかるみは折り込み済みとみえ、雨の装備をした上で存分に楽しんでいる。


そんな会場を見ながら、「Creepy Nutsです、よろしくお願いします。太陽が隠れたから、夜の歌、歌ってもいいですか」(R-指定)という言葉に続いたのは「よふかしのうた」。低音が効いたグルーヴィなサウンドが心地よく、細やかな歌の表情とアクセントや緩急も滑らかなラップとの相乗効果で、曲のスピードがグイグイと加速していくスリリングな体感もある。さらにDJ松永がスクラッチで魅せる。


そして、6月にリリースした「2way nice guy」はアッパーなサウンドと高揚感のあるラップで、雨をもふり飛ばすようにオーディエンスに手を降らせ、踊らせていく。マイクとターンテーブルというシンプルで、ミニマムな構成だが、その吸引力というか、自分たちのグルーヴ、リズムに引っ張り込んでいく馬力が凄まじい。<京都大作戦>だけでなく、さまざまなロックフェスやジャンルを横断するイベントに名を連ねるCreepy Nutsは、どんな土俵でも自分たちの武器を存分に振るえる術を心得ている。

MC等ではキャッチーで柔らかなユーモアが滲むが、オーディエンスと対峙するその横顔には本気で闘う人の鋭い緊張感が映る。その剛柔のせめぎ合いもまた、爽快な爆発感を生んでいる感じだ。


「改めましてCreepy Nutsです、よろしくお願いします。雨は止んで……ない?」(R-指定)、「降ってるね」(DJ松永)、「ちょい降りという、MCしづらい天候ですね」(R-指定)というふたり。そしてこの雨が降っている感じもまた<京都大作戦>っぽいとも語る。「Creepy Nutsは2017年に初めて京都大作戦に呼んでいただいて、その後、2020年、2021年にも出演をする予定だった。それがいろんなことが重なって、2年越しのリベンジということで戻ってまいりました。初めて出演をしたときは、マイクとターンテーブルでどれだけかませるか試していた時期だった」とR-指定は振り返る。その後、ロックフェスや対バンなどを経験しながらこのマイクとターンテーブルでどれだけ人々を掴んでいけるかを追求してきた。

「いろんな対バンやフェスで戦ってきてわかることがある。ギターやベース、ドラムでバンドという形をとった人間と、ヒップホップという形をとった人間。見た目も表現方法もちがうけれど、根っこは一緒。爆発させたい気持ちがあるのは一緒」(R-指定)と言い、それはライブに行く人やここにいるみんなも一緒だと語る。そんな心の内側で何かくすぶる何かを燃やし、そして大きく爆発させていくかのように、「Bad Orangez」をエモーショナルに源氏ノ舞台に叩き込んでいく。胸が熱くなったところで、「かつて天才だった俺たちへ」、「パッと咲いて散って灰に」とドラマを加速させて、容赦無くパンチ力ある言葉を連打していった。


「楽しんでいますか。ヤバイTシャツ屋さんからご紹介にあずかりました、3連続ロン毛の2番目です。この後、全ロン毛(G-FREAK FACTORY)が出てきますから」(R-指定)としっかりリレーをつないでいくのもまたフェスの醍醐味か。

そして改めて2017年に初めて<京都大作戦>に出て、「このフェスのヤバさにやられて、今回2年越しのリベンジ」となったことに触れて、「コロナとかいろいろあっての2年間だったけれど、きっと2020年や2021年に出た時よりも、進化した俺たちで帰ってこれた。手ぶらで来たわけじゃない。みなさんも手拍子や拍手をしたり、肉体的なレスポンスが2年前より上手くなっている、みなさんも2年前から進化した状態でここに来ているんですよ。しっかりと膝曲げて飛び上がる準備をしてきた」(R-指定)と、困難も前向きに捉え、その時々に順応し、あるいは制限があるからこその創意工夫で進んで来た時間だったことを、オーディエンスと分かち合った。


「この期間を空白とは呼びたくない」。R-指定のこの言葉から披露されたのは「のびしろ」。会場が歓喜で満ちるなか、しなやかに、また遊び心をもって突き進んでいる今をポップに体現させてくれた「のびしろ」。“俺らまだのびしろしかないわ”というラストフレーズが華麗に舞い上がると、いつの間にか降り続いていた雨が止んでいて、晴れ間がのぞいていることにも気づく。結果、そんなドラマをも引っ張り込んで来たCreepy Nutsだった。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN

セットリスト

1.合法的トビ方ノススメ
2.よふかしのうた
3.2way nice guy
4.Bad Orangez
5.かつて天才だった俺たちへ
6.パッと咲いて散って灰に
7.のびしろ

■10-FEET主催<京都大作戦2022 〜今年こそ全フェス開祭!〜>MISSION IMPOSSIBLE-KYOTO 2022 ~Hope for whole day festivals this year!~

2022年7月02日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月03日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月09日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2022年7月10日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30/start11:00

■出演アーティスト ※50音順■
▼7月02日(土)
【源氏ノ舞台】打首獄門同好会 / ウルフルズ / SHISHAMO / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
【牛若ノ舞台】Unblock / Suspended 4th / NAMBA69 / HERO COMPLEX / 夜の本気ダンス / LABRET
▼7月03日(日)
【源氏ノ舞台】Creepy Nuts / G-FREAK FACTORY / SiM / 四星球 / 10-FEET / ヤバイTシャツ屋さん / WANIMA
【牛若ノ舞台】Age Factory / THE冠 / SHADOWS / SHANK / Hakubi / LONGMAN
▼7月09日(土)
【源氏ノ舞台】ACIDMAN / The BONEZ / サンボマスター / 10-FEET / Dragon Ash / Vaundy / My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】上江洌.清作&The BK Sounds!! / go!go!vanillas / SHE'll SLEEP / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / Dizzy Sunfist / NOISEMAKER
▼7月10日(日)
【源氏ノ舞台】クリープハイプ / Ken Yokoyama / 湘南乃風 / SUPER BEAVER / dustbox / 10-FEET / マキシマム ザ ホルモン
【牛若ノ舞台】KOTORI / Saucy Dog / SHIMA / TETORA / Paledusk / HOTSQUALL
※アーティストは都合により変更になる場合がございます。その際チケット代金の払戻しは行いませんので、予めご了承下さい。

▼チケット料金
1日券 8,778円(税込) /前2日券 17,556円(税込) /後2日券 17,556円(税込)

▼チケットに関するお問い合わせ
(問)インフォメーションセンター(平日のみ)
https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact

▼公演に関するお問い合わせ
(問)サウンドクリエーター https://www.sound-c.co.jp/contact/
電話でのお問い合わせ:06-6357-4400 (月・金12:00~15:00 ※祝日を除く)

【京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策について】
「京都大作戦2022」では、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止及び、お客様・出演者・スタッフの安全を確保するべく、感染症対策ガイドラインを定め、対応に最善を尽くして参ります。チケットのご購入ならびにご来場に際しましては、必ずご確認いただき、ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。(オフィシャルサイト掲載文言抜粋)
京都大作戦2022 新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン:https://kyoto-daisakusen.kyoto/22/guideline/

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