【コラム】idom、ドラマ『競争の番人』主題歌からハマりこむ多彩な音楽世界

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最初に記述するべきことがある。1曲だけでidomを判断するのは危険すぎる。
その言葉を頭の片隅に置きながら、彼にとって起爆剤となるだろう新曲「GLOW」を聴いてもらいたい。先日始まった月9ドラマ『競争の番人』の主題歌となる「GLOW」で、“idom”(イドム)という名前を知る人も多いことだろう。力強く、でも憂いがある歌声と、身体中に響き渡る重低音の上で、軽やかに、ドラマティックに鳴り響くストリングスと、叫びの様なコーラス、そしてそのなかを泳ぐような歌声は、切なくも甘美でしなやかで誰もが耳を、心を奪われるはずだ。

そのサウンドに乗るのは、《僕らはなぜ 失うまで気づけないのだろう》と後悔を歌いながらも、本当に大事な物をしっかりと見つめなおし、もがいてもいい、ありのままで進めという、飾らないメッセージ。ドラマは、杏と坂口健太郎が演じる“公取”こと、公正取引委員会が、真実を暴いていきながら、一体何が正義なのか、そして自分の芯を信じ抜くことをテーマに描いていく。この「GLOW」のメッセージは、上手くドラマと絡み合い、視聴者だけでなく、多くの人の共感を呼び、この時代のエールソングとして響くはずだ。

(c)フジテレビ


さて。一体彼は何者なのか。プロフィールには、兵庫県出身、岡山県在住の24歳とあり、2020年にはデザイナーとしてイタリアのデザイン事務所に就職予定だったという。しかしコロナ禍となり、その夢を断念。以前から興味のあった楽曲制作にこの時点で初めて挑戦し、音楽活動1年半でトラックメイク、ラップ、映像制作、イラスト制作すべてこなす新世代型マルチクリエイターへと変貌を遂げた。そのクリエイティブセンスを業界が放っておくわけがなく、翌年の7月には「Awake」がソニーXperia 1Ⅲ CMタイアップソングに起用。

この曲のMVはidomのYouTubeチャンネルにアップされているのでぜひ観てもらいたい。壮大な映画の幕開け、まさに彼が“Awake=覚醒”したかのようなオープニングから、一気に世界に引き込む英語詞の“すべては自分のために用意された”という独特な世界観は、浮遊感漂うトラックが次々と波のように身体中に襲い掛かり、包み込み、一気に彼の魅力の虜となってしまう。1曲の中で何度も展開する自由な楽曲は、J-POP、洋楽、K-POPどのジャンルを愛している人たちにも響くはずだ。



かと思えば、アコースティックなイントロから始まる「二人」では、低音が強調された歌声で、大切な人を失った喪失感を疾走感溢れるラップで表現。「Awake」と全く違う表情で、まるで違うアーティストのよう。そして1st EP『i’s』に収録されている「帰り路」は『競争の番人』プロデューサーの目にとまり、“はかなさや弱さを抱えている歌声”という感想を引き出してもいる。その他、これまでに彼はYouTubeでiriや宇多田ヒカル、藤井風、Anne-Marie(これは絶品!)などをカバー。圧倒的な色気とたまに裏返る心地よく気持ちのいい歌いまわしですべてidomの楽曲へと転換していくのだからこそ、おもしろい。

いま、月9の主題歌として世に放たれる「GLOW」は、彼の名刺的な作品、そしてより多くの人が彼を耳にする入り口的な存在となることだろう。でも、この曲を入り口に、彼が思いきり腕を引っ張り、連れ込んだ先は、あらたな音楽の“沼”。良質で、遊び心に溢れていて、それでいてどこか危なっかしい魅力を持つ彼の音楽を、これからも楽しみにしていたい。

文◎吉田可奈

ドラマ『競争の番人』

2022年7月11日(月)より
毎週(月) 21時~21時54分放送

出演者:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎/小日向文世/黒羽麻璃央、大西礼芳、石川萌香/寺島しのぶ 他
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
脚本:丑尾健太郎、神田 優、穴吹一朗、蓼内健太
音楽:やまだ 豊
主題歌:idom「GLOW」
プロデュース:野田悠介
演出:相沢秀幸、森脇智延
制作・著作:フジテレビ

【番組公式HP】https://www.fujitv.co.jp/kyosonobannin/
【番組公式Twitter】@kyoso_fujitv
【番組公式Instagram】@kyoso_fujitv

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