【ライブレポート】PIGGS「ぶーちゃんズとならどんなに大きな壁だって楽しく乗り越えていける」

ツイート

PIGGSは歌心を持った誇り高きアイドルであり、抜群のエンターテインメント集団である――その事実を突きつけられ続ける堂々たる2時間だった。7月に全国5ヶ所を回った<BECAUSE I LOVE PIGGS TOUR>のファイナル公演の会場は、PIGGS史上最大規模となるZepp Haneda。今日に至るまでにもリスナーを巻き込んでいく様々な企画が組まれていたが、この日のステージ上には鉄骨のステージセットが組まれ、中央にはLEDモニター、ステージ前方の両脇にはお立ち台が設置されていた。いくらZepp規模とはいえかなり力の入ったセットを目の当たりにし、彼女たちは楽しませることに対して妥協がないのだと思い知る。

黒で揃えた衣装を身にまとった5人が入場と同時にパフォーマンスを開始し、一気にPIGGSワールドへと引き込むと、1曲目は「BURNING PRIDE」。歌詞のとおりアドレナリンをぶっ飛ばすような熱量の高い歌唱とダンスで観客の心を引き付けると、BAN-BANが“ツアーファイナル、がちんこの愛ぶつけようぜ!”と煽り「KICKS」へとなだれ込む。キャッチーな楽曲と振り付けにはメンバー同士のチームワークが映え、5人一丸となり観客をさらに巻き込んでいく。

「THANK YOU FUCK YOU」「LINK EMOTION」とSHELLMEが観客に積極的に観客に呼び掛け、コミュニケーションを取る。ダークとポップが交錯する楽曲や、エンジン全開のロックなどを歌う彼女たち。PIGGSはロックを歌っていても、泥くさいことを叫んでいても、どうしたってアイドルでしかないのが興味深い。それはPIGGSが“Produce IDOL Go to world is Good Society”という、アイドルとしての矜持のもと展開されるコンテンツでありアーティストだからだろう。





アイドルの既成概念を壊した第1期BiSのシンボル的存在であるプー・ルイが、様々な活動やグループを経てたどり着いた、アイドルグループの理想形。加えてそれがメンバー全員の個性を生かした、5人一丸となって会場を引っ張っていくグループであるというのは、やはりとても胸に迫るものがある。

個々の自己紹介の後、BAN-BANとSHELLMEが見せたやり取りをプー・ルイが“昨日リビングで考えてたやつだ”と話したり、SHELLMEが“(ツアータイトルのとおり)もっと愛を深めていこうぜ! 愛を深めるために乾杯するぞ!”という一連のくだりにほかのメンバーが合いの手やツッコミを入れたりと、テンポのいいトークで観客を楽しませていく。5人の共同生活は、グルーヴにもかなり影響を及ぼしているのだろう。

ユーモラスかつ硬派に届けた「NAKED BORN NAKED DIE」、エモーショナルな歌声が心を掴む「VISITOR」とギアを上げると、「骨伝導massive」では5人全員で椅子をひとつ持ち出し、KINCHANがそれを使いコンテンポラリーダンスを取り入れてパフォーマンスをする。次々と放射されるレーザーは儀式ムードをさらに高めるものの、PIGGSが表現するとシリアスになりすぎずに解放感があるのも印象的だった。メンバーの“わたしたち、こんなパフォーマンスもできるグループなんだからね”と言わんばかりの得意げな笑顔には、観ているこちらもさらに前のめりにならざるを得ない。5人の熱い歌声が観客の心を揺さぶる「フォーエバー・ヤング」はまさに前半戦のクライマックス。特に終盤のプー・ルイからCHIYO-Pにマイクをつなぎ、シンガロングパートに入るシーンは、視線を逸らすことができないほどの気迫だった。





「I don’t believe in ADULT」の後、CHIYO-PとBAN-BANのふたりでパワフル&キュートなパフォーマンスを追求したエレクトロナンバー「スナッチャー」、白いスカートの衣装に着替えたプー・ルイとSHELLMEとKINCHANがノスタルジックでロマンチックな世界を作った「夢を見させて」と各々の強みを再確認させるセクションを経て、再度5人が揃うと「ゴースト」。ギターリフが楽曲をドライブするオルタナ/エモナンバーは、彼女たちの風通しのいい歌声を心地よく届けてくれた。

MCでメジャーデビューが控えていることに触れると、5人は“メジャーになったらやりたいこと”を発表していく。アドトラックを10台走らせる、東京ドームで泡パーティーライヴ、自主企画フェスを開催したい、山口県徳山駅のふぐ像を自分の像にしたい、『ミュージックステーション』に出たい、ずっと5人で暮らしたい、みんなの夢を叶えたい……などなどPIGGSの奔放さが痛快だ。

ここからはラストスパート。「I CANT’ BE」「カッシーニ」「フューチャー・スターダスト」「小さな叫び」「NOT PIG」などスケールのある楽曲群に、夢に胸を焦がす人間ならではの勢いがほとばしる。本編ラストは「豚反骨精神論」。5人のユニゾンがまっすぐと響いていく様は、新しい物語の幕開けを告げるファンファーレのようだった。



メンバーがステージから去ると、<#PIGGSメジャーへの挑戦>の最終投票が行われる。メジャーの第1弾シングルのプロデュース権をかけて、メジャーレーベル制作陣が集ったTEAMメジャーと、プープーランド制作陣が集ったTEAMインディーが、身元を隠したうえで様々なクリエイティブを発表し、リスナーが支持したいチームに投票するという企画。結果はTEAM A=プープーランド制作陣が票を多く集めた。

メジャーレーベルの正体がアリオラジャパンであることが明かされると、同レーベルのA&R・ブタ山氏がステージに登場。結果に落胆するブタ山氏に、プー・ルイは“(企画が始動してからの)この2ヶ月間、いろんなことを考えたんです。絶対にプープーランド制作チームでないと嫌だ!と思ってたんですけど、PIGGSにとって良いものを探していくことがPIGGSにとっていちばん大事なんだなと心の底から思えた2ヶ月間でした”と語る。さらに“これからもいっぱい一緒にいろいろ考えて、一緒に頑張ってくれますか!?”と続けると、ブタ山氏は“もちろんです!”と即答。両者は固い握手を交わし、プー・ルイは観客へ“メジャーデビューシングル、期待して待っていてください!”と晴れやかに呼び掛けた。



ブタ山氏がステージから去ると、5人は2023年1月29日に日比谷野外大音楽堂でワンマンライヴを行うことを発表。プー・ルイもこれまでのキャリアで、ワンマンをしたことがないという野音のステージにPIGGSが立つことも感慨深い。“今のPIGGSにとって野音はとっても大きな挑戦です。でもぶーちゃんズ(ファンのみんな)とならどんなに大きな壁だって、楽しく乗り越えていける気がしています。この2ヶ月間でPIGGSは何があってもPIGGSであると気付けたので、これからもPIGGSは進化して変化して、どんどん前に進んでいきます! これからもみんなで夢を叶えましょう”とプー・ルイが高らかに決意表明をすると、観客も拍手でその思いに応えた。

5人は「とらえる」と「PIGGS-モナ・リザ-」を届け、ツアーをエネルギッシュに締めくくった。彼女たちがステージから去った後にも消えなかった余韻は、間違いなく“はじまり”の合図そのもの。終始ポジティブな空気で満たされていた。お互いのクリエイティブをぶつけあったPIGGSとメジャーレーベルがしっかりと手を組んで同じ方向を向いたら、どんなものが生まれるのだろうか。さらに強力な仲間を増やしたPIGGSの新章、大いに期待したい。

取材・文:沖さやこ
撮影:Viola Kam (V'z Twinkle)

セットリスト

01. BURINING PRIDE
02. KICKS
03. THANK YOU FUCK YOU
04. LINK EMOTION
05. NAKED BORN NAKED DIE
06. VISITOR
07. 骨伝導massive
08. フォーエバー・ヤング
09. I don’t believe in ADULT
10. スナッチャー *2名 (CHIYO-P/BAN-BAN)
11. 夢を見させて *3名(プー・ルイ/SHELLME/KINCHAN)
12. ゴースト
13. I CAN'T BE
14. カッシーニ
15. フューチャー・スターダスト
16. 小さな叫び
17. NOT PIG
18. 豚反骨精神論
EN1. とらえる
EN2. PIGGS-モナ・リザ-

リリース情報

インディーズラストSINGLE
「BURNING PRIDE/豚反骨精神論」
PIGGS-000008 ¥1,200+税
「豚反骨精神論/BURNING PRIDE」
PIGGS-000009 ¥1,200+税
7月13日2種類同時Release

ライブ・イベント情報

<ワンマンライブ開催>
2023年1月29日 日比谷野外音楽堂
この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス