【インタビュー】OverTone、4人の歌声が織り成す絶妙なハーモニーと等身大のポジティブなメッセージ

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先輩のベリーグッドマンが立ち上げたTEPPAN MUSICから3月に待望のメジャーデビューを果たし、連続リリースとライブを重ねて突っ走る進撃の4人組ボーカルグループOverTone。彼らのメジャーデビュー・ミニアルバム『Prologue』は、4人の歌声が織り成す絶妙なハーモニーと等身大のポジティブなメッセージに加え、新たなアレンジャーの起用やソロ楽曲への挑戦など、新しい試みを盛り込んだ自信作だ。リリースツアーも絶好調で、名古屋と大阪の好評を受けて8月6日にツアーファイナルの東京公演を残すのみ。ぐんぐんと成長を続ける4人の今を探る、久々のロングインタビュー!

■このアルバムは今までもよりも音が良くなっている印象がある
■だから音をちゃんと聴いてもらえたらうれしいです


――メジャーデビューが今年の3月で、だいたい5か月が経ちました。心境の変化はどうですか。

GUCCHI:曲を制作するスピードを求められるようになったので、それはいいプレッシャーですね。常にやる気がないと追いつかないところもあるので。

――いきなり3か月連続リリースで、そのあとミニアルバムも出して、すごいスピード感でした。あのシングル連続リリースは、自己紹介にぴったりだったと思いますね。3曲とも全然個性の違う曲で、「オバトンはいろんなことができますよ」というアピールになったというか。

NOWAR The 匠:そうですね。3曲連続配信が決まった時に、1曲目はこれで行こう、2曲目はこれで行こう、3曲目はこれで行こうって、いろんな面を見てもらえるようにみんなでリリース順も考えたので。イメージ通りというか、作戦通りという感じです。


――1曲目の「ゼロ」は、新しいステージへ踏み出す力強い所信表明という感じで、2曲目「モンスター」はライブで絶対盛り上がるアッパーな曲調で、「平行線ロマンス」は片想いの甘い恋の歌で。うまいこと並べたなと思いましたね。そのあと、そこに新曲3曲を加えたミニアルバム『Prologue』をリリースして、あれは自分たちにとってどんな作品でしたか。

アマノ:結成からメジャーデビューするまでに4年半あって、その間にいろんな曲を出してきたんですけど、また新しい一面を見せることができたかなと思います。今まで僕らが作ってないような曲もあったりして、たとえば「オレンジ色」という曲は家族の愛を歌っていますし、「レディーファースト」という曲は、今まで僕らはずっと4人で歌ってきたんですけど、八上のソロという新しい挑戦になっています。今までの僕らを知ってくれていた人にとっても、楽しんでもらえるアルバムになったかなと思います。



――「レディーファースト」は良かったですね。なんたって八上くんの歌が本当に良い。あれは自分で立候補したんですか。

八上:もともとGUCCHIが作っていた曲で、「サビは八上のイメージやねんな」と言われて、「どのキーが出やすい?」とリサーチしてくれて。「俺はこのキーが歌っていて気持ちいいかな」と言ったところに合わせてGUCCHIが作ってくれたんですよ。それで、サビに行くまでどういうふうに回していく?ということになって、「一旦、八上が全部歌ってみて」と。そこから、ここは誰が歌うか決めていこうと言ってたんですけど、レコーディングで歌ったら「全部八上でええやん」という感じになってたみたいで。ブースの外で。

――ああー。その場で聴いていたみんながそう思った。

八上:そうなんです。一応ハモリだけ録っておこうかって、匠くんやアマノが録ってくれたんですけど、それも無しで、一本の声で行ったほうがきれいかもしれないということで、ソロの曲になった感じですね。


▲GUCCHI

――良い話。それはグループがちゃんとまとまっていないと、逆にできないことのような気がする。

GUCCHI:僕は最初から、「八上ひとりで行けるんちゃう?」というのがあったんですけど。いざ歌ってみて、「レーベル的に一人でもいいんだったらこれがいいです」と言って、そうなりました。

――これはひょっとして今後の布石になるんじゃないですか。一人ずつのソロ曲も聴いてみたい。全員歌えるグループだから有りだと思います。

八上:ファンの人は求めてくれてますかね。

――と思いますよ。匠くんは、アルバムの中での推し曲は?

NOWAR The 匠:歌っていてグッとくるのは「オレンジ色」です。2サビ前に八上が歌うヴァースがあって、その前に僕とアマノとGUCCHIとで、一気にコーラスが入って盛り上がるところがあるんですけど、あそこはすごく気持ちが入るというか、エンジン全開で「聴け!」という感じです。そういう曲じゃないんですけど(笑)。「聴いてくれ!」というヴァイブスでやっています。

――この歌詞とこのメロディは、気持ちが入らざるをえないんじゃないですか。作詞作曲のGUCCHIくん、これは良い曲ですね。実話かどうかはわからないけど、風景や感情がくっきりと浮かび上がってくる。

GUCCHI:もともと、あるコンペに出す予定の曲だったんですけどね。家族がテーマで書くとなった時に、自分の母親が浮かんだので、そういう意味では実話も盛り込んでいます。

――ああそうか。お母さんのイメージ。

GUCCHI:僕から見た母親とか、旦那さんから見た奥さんとか、どの立場でも聴けるように、一人称をなくして書いてみました。


▲NOWAR The 匠

――そうなんですよね。親子でもいいし、恋人でもいい。こういうリリックが書けるようになったのは、大人になったなって、自分で思ったりしません?

GUCCHI:そうですね(笑)。僕の中でも最近、書く言葉が変わってきているというのは感じるので。今まで「愛」や「命」をテーマにすることはなかったんですけど、そろそろ歌ってもいいかな?と。年も取ってきたので。

――その次の「神様のルーレット」も、曲調は明るいけれど、「命」に関わるすごく真摯なメッセージソングになっているし。歌詞が変わりつつあるのは感じています。八上くんは、このミニアルバムのお気に入りポイントは?

八上:インディーズの時には、自分たちとつながりのある人にアレンジとかミックスを依頼していたんですけど、「平行線ロマンス」「オレンジ色」「レディーファースト」の3曲は、クラウン(TEPPAN MUSIC)さんのほうで「いい人がいるから」ということで紹介していただいて、僕たちが「この人とやりたいです」ということで一緒に曲を作っていただいた方たちなんです。レコーディングを東京でしたり、今まで見たことないマイクを使ったり(笑)。「これがメジャーか」と思いましたね。今までインディーズで出していた曲もすごく良いんですけど、このアルバムは今までもよりも音が良くなっている印象があるので、音をちゃんと聴いてもらえたらうれしいです。

――確かに。この6曲はもうライブで全曲やっていますか。

八上:そうですね。

――アマノくん、ライブでやっていて楽しい曲は?

アマノ:「モンスター」という曲は、ライブの頭に歌うイメージで作った曲なので楽しいです。ライブの始まりで、お客さんと顔を合わせて、ここから行くぞ!というふうにテンションが上がる曲です。この曲で振付をやっているんですけど、テンション上がりすぎて忘れちゃいます。そのぐらい、ぶち上る曲です。



――ライブの頭にグッとつかみに行く曲。

アマノ:みんなをライブにいざなう、みたいな曲です。

――「モンスター」って、言葉のチョイスがRPGのゲームっぽくなってるのが面白い。これは誰の趣味なのでしょうか。

GUCCHI:サビは僕がつけたんですけど、僕、ゲームはあんまり詳しくなくて。ただ「モンスター」という単語が出てきたんで、そこを広げようという発想でした。テーマは「朝」ということでもあったので、朝の彼氏と彼女の様子をRPG仕立てにした感じです。

――今回は1曲ごとに仕掛けというか遊びというか、いろいろあって面白いです。「平行線ロマンス」の歌詞もいいなと思っていて、片想いの告白ソングで、妄想を広げるだけ広げて、結局告白できないという(笑)。このリリックって誰のアイディアですか。

GUCCHI:サビは僕が書いたんですけど、テーマとして「プロポーズ大作戦」みたいな感じで、最後まで行かんのかい!という、こそばゆい感じで終わってほしいなと思ったので。もどかしい感じというか。



――ピュアで胸キュンで、良い感じです。

GUCCHI:とにかくわかりやすい言葉で書こうというのがありました。

――それもメジャーデビューして意識が変わった部分じゃないですか。聴く人がどう受け止めるかを、もっと考えるようになったとか。

GUCCHI:メジャーに行く直前から変わったのは、「カラオケで歌いやすい曲」がいいなということですね。曲によりけりなんですけど、特に「オレンジ色」はそうですね。カラオケは意識するようになりました。

――なるほど。成長していますね。って、すみませんえらそうに。なにせ個人的に3年振りにお話するので。

全員:(笑)。

――本当にたくましくなったなと思います。ねえアマノくん。

アマノ: はい(笑)。こちら側の話にはなるんですけど、戦略とか、これをどういうふうに届けたらどうなるとかを、真剣に考えだしたというか。前はたぶん、自分がライブする上でどういうふうな立ち回りをするか?とかを考えてたんですよ。じゃなくて今は、チームとしてどう人に届けて行くのか。どうやったらライブに来たくなるのか。ある種、経営じゃないですけど、そっち方面のことも考えるようになって、ちょっと余裕はできました。

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