【連載】Vol.138「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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【ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~】


提供 : シンコーミュージック・エンタテインメント

仕事ミーティングと称して夜のアルコール・タイムをウン十年を楽しんだツケはいろんな形で出ているが、僕はなんとか生き延びている。高齢者/基礎疾患(軽めだけど)ということもあってここ数年は外出頻度がぐっと減少。その間に音楽業界自体も酒盛りはめっきり減った。結果、年中“読書の秋”、専門分野以外のものも含めていろいろ楽しんでいる。僕の性格から気にいると何度も読んでしまう。中でも今野敏さんの警察シリーズは大好きだ。今野さんはかって東芝EMIのディレクターをしていて知る人ぞ知るあのSpeedwayを担当していた。彼は学生時代から作家活動、EMIを数年で退社し20代後半から執筆活動に専念する様になった。1980年代後半、とあることがきっかけで知り合った。




from Mike’s Library

そして、テレビ神奈川の情報番組で共演したこともある。彼が司会、僕が音楽担当だった。このコラムでの今野敏インタビュー、コロナ禍がおさまったところで行おうと彼と電話で“確約”している。

イントロがまたまた長くなってしまった………猛省。

今号ここで紹介する新刊書は『ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~』(シンコーミュージック・エンタテイメント)である。1970年代から日本のミュージック・シーンを長く支え続けている川原伸司、現在も精力的に活動しているディレクター/プロデューサー/ソングライターだ。彼は平井夏美・名義で多くの作品を書き上げている。松田聖子「瑠璃色の地球」、井上陽水「少年時代」、そして沢田研二、岩崎宏美、中森明菜(佐久間健二の名義)、ダイアモンド☆ユカイ……。また陽水だけでなく大瀧詠一、松本隆、筒美京平のミュージック・ブレーンとしても活躍している。そういえば何年か前に井上陽水のコンサートを初体験したが、これは彼のお誘いだった。


松田聖子「瑠璃色の地球」収録のアルバム『SUPREME』 from Mike’s Library

実は川原伸司とは長年の友人である。僕は1966年春、中央大学附属高校に入学したが、同期生に川原伸司がいた。何故か3年間クラスが一緒になったことはないけど、ビートルズ・ファンの川原&ローリング・ストーンズ・ファンの越谷は休み時間になると廊下でいろいろと情報交換していた。その彼の名は今ではビートルズ・ファンに知られている。そういえば『ジョージ・マーティン・ボックス・セット』解説文は川原伸司の力作だ。


from Mike’s Collection

中附の僕らの学年には多くのスゴイ奴が何人もいた。家電販売でお馴染みノジマのCEO野島廣司。高橋真梨子「桃色吐息」作者として知られるシンガーソングライター佐藤隆。中附の副校長を務めた矢島賢太郎。多くの芸能人/アスリートと交流のある住田勝紀。城南予備校代表の下村勝己。”ぎっちょん”のマスター服部裕。元パイロットの竹内誠。フォトグラファーの寺崎誠三。三浦友和の弟役として活躍した元俳優の山本伸吾(彼の結構披露宴で友和氏といろいろ話しをした、実際は我々より一学年下)……、そして川原伸司!

『ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~』でも高校時代のことがいろいろ触れられていて、恥ずかしながら僕がRSFC代表だったことも記されている。発売前に「オマエもちょこっと登場する、ヨロシク!」という電話があった。本書はそんな川原のまさに仕事録だ。大学卒業後ビクター音楽産業で働く様になり、その後ソニーミュージックやMCAビクター、再びソニーと所属が変わるけど、いつもフリーランス感覚で仕事していた様に感じた。何たってビクター時代にソニー・アーティストの為に作曲していたのだから。彼は凄い業界人、でも芸能界チックなところは微塵も感じさせず二人の話題@“ぎっちょん”でビーチ・ボーイズ/ビートルズ/ストーンズの初来日公演……といった洋楽話ばかり(笑)。


川原伸司(左)と筆者

そんな音楽大好き人間が杉真理、大瀧詠一、松本隆、松田聖子、中森明菜、鷺巣詩郎、井上陽水、筒美京平らとどう取り組みながら素晴らしい音楽の世界をクリエイトしてきたか赤裸々に、いや正直に描かれている。ショウビズ界すべてのスタッフに捧げる、OBIにはこうクレジットされているが僕は多くのミュージック・フリークも感動させる書として推薦しここに取り上げさせて貰った。

音楽を心から愛する優しい雰囲気が川原ワークスのひとつひとつに表現されている。まさに少年のようなビートルズ主義こそ川原伸司の基本なのだ。そういえば、1980年代初頭、金沢明子の「イエロー・サブマリーン音頭」が話題になった。レノン/マッカートニー作曲、松本隆・日本語訳詞、大瀧詠一プロデュース。このナンバーのプレス発表LIVEが六本木のディスコで行われ、金沢明子がファンキー・バンドをバックに「イエロー・サブマリーン音頭」をシャウトしたのだ。この時、川原の依頼で僕がMCを担当した。因みに同曲レコード・エンディングに収録されている潜水艦員の号令は“杉真理→伊藤銀次→川原伸司→大瀧詠一→佐野元春”。このことは138原稿を記すにあたって川原本人から確認した。


シングル「イエロー・サブマリーン音頭」 from Mike’s Collection

近々、川原伸司インタビューを敢行予定、乞うご期待!

☆☆☆☆☆

そういえば『ジョージ・マーティンになりたくて~プロデューサー川原伸司、素顔の仕事録~』にもストーンズという文言が登場するので、僕の仕事部屋の書棚RSコーナーに収めようか、知人書籍コーナーにしようか迷っている。RSの方には『美空ひばり 不死鳥伝説/大下英治』『絆 父・田中角栄の熱い手/田中京』(京ちゃんも音楽業界人でした、よく飲んだ)『BOSS 一匹狼マネージャー50年の闘い/上條英男』(上條さんにはお世話になりました)『ジェームス藤木 自伝』(ジェームスとは大仲良し。川原伸司も一緒に音楽活動したことがあったみたい)『レッド・プラネッット/ピーター・テラップ』(映画にもなった)『パニックY2K 2000年1月1日00時00分』etcが揃い踏み。余談ながら書見中の『鷹の系譜/堂場瞬一』、途中102頁には長渕剛がえ、RSはどうなんだろう。159頁にあっR、Run-D.M.C.だった。僕はノンジャンル乱読派、それでも年に数冊だけど音楽系の書評を某新聞で担当している。

8月19日にRSコーナーへ並べようかなと思ってしまう新書がこのほど登場した。

【ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス】


提供 : シンコーミュージック・エンタテインメント

我が国でも幅広い多くのミュージック・ファンに愛されているライ・クーダー、彼の偉大なる音楽史をしっかりと丁寧に纏め上げたのが『ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス/Tadd Igarashi 著』(シンコーミュージック・エンタテインメント)だ。アメリカ音楽に造詣の深い五十嵐くんならではの力作なのだ(もうだいぶ前だけど彼が輸入レコード店勤務時代はいろいろお世話になった)。僕らストーンズ・ファンはライ・クーダーという名前はもう半世紀以上前から知らされていた。RSはライの音楽性に大きく影響された。特にキース・リチャーズのGTRを語る上でライ・クーダーは忘れることは出来ない。その点も本書でじっくり掘り下げられている。31頁&48~50頁をしっかり読み返しながら改めて関連RS楽曲を楽しむ今日この頃だ。僕自身1970年のリプリーズからのファースト・アルバムからライの音楽を注目していた。また僕のライナー担当したものも含めスコット・マッケンジー、マーク・ベノ、マリア・マルダー、ボビー・キング&テリー・エヴァンス、チーフタンズ、アーロン・ネヴィルetc etc、ライ参加作品をピックアップしてこの秋はRCワークスを聴きたい。そういえばチーフタンズのパディ・モローニと新宿の居酒屋で盛り上がった際、ライ・クーダーの魅力を得々と語って貰ったことを思い出す……。

本書にはいくつかのインタビューも登場するが、そのうち14年前の五十嵐くん自身による“物語を語り、それについての曲を書くことが気に入って”に感動した。『ライ・クーダー アルバム・ガイド&アーカイヴス』大推薦書だ!

そういえば愛書『俺と仲間 : ロン・ウッド自伝 』(ロニー・ウッド著)は五十嵐くんの素晴らしい翻訳だった。


提供 : シンコーミュージック・エンタテイメント

☆☆☆☆☆

【ライヴinfo】
◆ CASIOPEA-P4~Special First Live~P4



カシオペアが結成45周年。これを機に野呂一生(GTR)、鳴瀬喜博(BS)、大高清美(KBD)の3人にニュー・ドラマー今井義頼が加わり、グループ第4期が始動。新作アルバムが秋リリース、『NEW TOICKS』(HUCD-10315)!仲良しナルチョこと鳴瀬作品「NoOne...EveryOne...」も収録される!!




この新作をひっさげてのカシオペア ピーフォーのファースト・ライヴがBlue Note TOKYOで開催だ。ナルチョはその意気込みをこう語る、「今井クンは野呂と僕が教鞭をとっている東京音楽大学の生徒だったんだ。在学中からとっても優秀で彼の才能に驚かされた。卒業後もセッションしたりしていたんだけど、このほどカシオペアのメンバーとして頑張ってもらうことになった。そんなニュー・パーソネルによる新作レコーディングは実に上手くいったと自負している。彼の音楽を僕らが増援しながらひとつになって前進していきたいと思います。そんな僕らのファースト・ライヴ、乞うご期待、ジョイン・アス!」。

*2022年10月21日 Blue Note TOKYO
ファースト・ステージ 開場17:00 開演18:00
セカンド・ステージ  開場19:45 開演20:30
*2022年10月22日 Blue Note TOKYO
ファースト・ステージ 開場16:00 開演17:00
セカンド・ステージ  開場19:00 開演20:00

http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/casiopea-p4/

◆福原みほ ACOUSTIC SOUL AUTUMN



僕の大好きな福原みほ、いつもソウルフル&エネルギッシュなステージを楽しませてくれる。7月のMarci Gras Liveとってもゴキゲンだった。そしてこの秋は“ACOUSTIC SOUL AUTUMN”!今回はどんなサプライズ・ナンバーが飛び出すか?カーラ・トーマス、アン・ピーブルス………僕はこのあたりをみほに歌って欲しいと思っているけど。果たしてどんな楽曲が飛び出すか、今からワクワク。ACOUSTIC SOUL AUTUMN、楽しみだ。

*2022年10月17日 Billboard Live OSAKA
ファースト・ステージ 開場17:00 開演18:00
セカンド・ステージ  開場20:00 開演21:00

http://billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13618&shop=2

*2022年10月24日 Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場17:00 開演18:00
セカンド・ステージ  開場20:00 開演21:00

http://billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13619&shop=1


みほチャンと今年7月ショット Photo by Kiyome

◆ベンチャーズ



そしてベンチャーズは現在大盛り上がりで全国横断ツアー中!”来日60周年記念 ベンチャーズ ジャパン・ツアー2022”。
https://www.mandicompany.co.jp/TheVentures/tour.html
僕はファイナル、9月4日@中野サンプラザホームを楽しみにしている。手前味噌になるけどJapan Tour 2022 ツアー・パンフレットに“The Ventures Forever”を書かせてもらった、ご笑読いただきたい。


今年のツアー・パンフレット from Mike’s Collection

そしてこのステージでドン・ウィルソン、ボブ・ゴーグル、メル・テーラー、ノーキー・エドワーズ、ジェリー・マギーへ大きな感謝を捧げたい。


ドン&ボブの直筆サインon CD”V Gold II “ from Mike’s Collection


☆☆☆☆☆

◆湯川れい子 洋楽裏話 千夜十夜 with Mike Koshitani “第五夜“ エルヴィス・プレスリー!

*8月21日開催予定でしたが10月9日に振替となりました。

音楽ファン永遠のアイドル&スーパースター、20世紀最高の偉大なるアーティスト、エルヴィス・プレスリー!この夏、映画『エルヴィス』大ヒット。そして2022年はザ・キング没後45年……、特別な年でもあります。
第五夜では前回に続きザ・キングの魅力、素晴らしさを徹底して語り尽くします。我が国エルヴィス伝承者最高峰、湯川れい子が徹底熱弁。乞うご期待です。



ゲストはエルヴィスのライナーなどでお馴染み音楽評論家、萩原健太さん。マニアックでディープなエルヴィス 解剖学を期待しましょう。そしてもう一方、千夜十夜には二度目の登場、中野利樹さん。彼はアメリカに長きに亘って滞在しローリング・ストーン誌やクリーム紙などに寄稿してきたのです。ナビゲーターはMike Koshitani。生まれて初めて体験した海外コンサートは1972年11月ハワイでのエルヴィス ・オン・ステージ。れい子先生監修の『ワークス・エルヴィス』著者……。この4人による初エルヴィス ・トーク・セッション、どんな展開になるか!?アルコールのいける人はお好きなお酒を手に。飲めない人はソフトドリンクで。お食事もありますヨ。そうそう「今のうちに聞いておかないと、損するよ!!」とれい子さんが言っていま~す。もちろん今回もプレゼント・タイムが待ってます!

◆ゲスト :萩原健太 中野利樹
◆ナビゲーター:湯川れい子 Mike Koshitani 
◆日時:2022年10月9日 日曜日
OPEN 12:30 / START 13:00
◆入場料:予約¥3000(+お飲み物¥600 アルコールもご用意してあります)
▲お食事もございます
◆予約サイト
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/223702
◆お問い合わせ:LOFT9 Shibuya
TEL:03-5784-1239(12:00~22:00)

◆「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」まとめページ
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