【ライヴレポート】LUNA SEA、<復活祭 -Naked Voice->に輝く未来「2日間どうもありがとう!」

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2022年2月からの活動休止期間を経て、武道館のステージに還ってきたLUNA SEA。<復活祭>と銘打たれた2日間のライヴで示してみせたのは、単なる復活を超えて、新たなフェーズへと足を踏み入れる姿だった。休止や復活、周年記念などさまざまなメモリアルライブを経験してきたLUNA SEAの長い歴史の中でも、過去のどんなライヴにも似ていない2日間。<Silky Voice>というタイトルどおりミディアムナンバーを軸に濃密な世界を作り上げた初日から一転、サプライズに満ちた2日目8月27日のレポートをお送りする。

◆LUNA SEA 画像

16:00の開演予定時刻を少し過ぎた頃、客電が落ちた会場を染め上げたのは、サイレンのような赤い照明。オープニングのムードからして、“初日とはまったく違うもの見せる”という意志がはっきりと伝わってくる。<Naked Voice>が意味するものとは? とオーディエンスが見守る中、ゆっくりとメンバーが登場。定位置に立ったSUGIZOが宣誓のごとく「a VISION」の鮮烈なギターリフを掻き鳴らし、ライヴの幕が切って落とされた。

360度の客席をぎっしり埋めたオーディエンスの真ん中に立ち、赤いロングカーディガンを翻すRYUCHIが“♪傷ついても かまわないさ / 傷つけても それでいいさ”と力強く歌い上げる。歌詞どおりの覚悟を伴って響く、攻撃的な、剥き出しの歌声。想像を上回る<Naked Voice>の凄まじさに息を呑んだ。SUGIZOとJの掛け合いコーラスで沸点を上げたあと、次はINORANがステージ前方に飛び出てお馴染みのリフを奏で、「TONIGHT」に突入。灼熱のグルーヴが渦巻く「Sweetest Coma Again」「The End of the Dream」と繋ぎ、 早くもクライマックスのような一体感が武道館を満たしていった。


「またみんなで、新しい夢を見ませんか?」──RYUICHI

というMCとともに、ミラーボールの光が武道館を宇宙に変えた「宇宙の詩 〜Higher and Higher 〜」へ。そこから、INORANのアコギで始まったのは「闇火」。ステージをぐるりと囲む特効の炎が燃え上がり、RYUICHIが身を焦がすがごとくの絶唱を響かせる。一気に地の底に突き落とされるような重厚なサウンドスケープに飲み込まれた。

まったく読めないセットリストに身も心も任せるしかない状態の中、LUNA SEAの攻撃は加速。真矢のドラムが轟き、Jが激しく頭を振りながらリズムを刻んだ「CIVILIZE」、SUGIZOの狂気的なノイズギターが暴れ回る「HURT」と、レア曲の連打に会場は狂騒状態だ。いずれも'90年代後期の時代性やトレンドを反映した曲ながら、今のメンバーが演奏することで、2022年のリアルなロックとして甦っているのが見事。SUGIZOの轟音ノイズの残響を残して、圧巻の第1部が終了した。



休憩を挟んで、今度は<CROSS THE UNIVERSE>ツアーで使われていた荘厳なSEが鳴り響き、まるでもう一度ライヴが始まるようなムードに心が躍る。メンバーがステージに揃うと、RYUICHIが空を指差し、「LUCA」で第2部がスタートした。INORANが手拍子を煽り、白い照明に照らされてピースフルな空間が拡がっていく。第2部はこのまま光溢れる展開になるのかと思いきや、そんなはずはない。RYUICHIのタイトルコールから一斉に拳が掲げられた「JESUS」、SUGIZOの美しいロングトーンに酔い痴れた「END OF SORROW」を経て、「SANDY TIME」では再びディープな世界へ誘われ、RYUICHIが第一部の「闇火」を上回る絶叫で圧倒。トドメとして、RYUICHIの「IRRITATED NIGHT!!」のシャウトからLUNA SEA屈指のファストナンバー「IN FUTURE」が投下された。SUGIZOのギターリフで生まれるブレイクでは、SUGIZOがINORAN、RYUICHI、J、真矢と全員にキスを贈る遊び心を挟みつつ、会場全体を揺らす獰猛な勢いで駆け抜けた。

「まだまだいけますか!? 飛ばして行くぞ!!」──RYUICHI

とRYUICHIが煽り、キラーチューン「Déjàvu」を畳みかければ、武道館はもはや完全にライヴハウス。センターにRYUICHI、SUGIZO、J、INORANが並ぶシーンにも胸が熱くなり、数あるLUNA SEAのホームと言える会場の中でも、武道館はやはり特別な場所なのだと実感する。そんな武道館で数え切れないほど演奏されてきた「ROSIER」が、本編のラストナンバーとして贈られた。Jのマイク投げからのSUGIZOのギターソロ、SUGIZOとRYUICHIのロングトーン対決と真矢の怒濤のツーバス、近年定番になったINORANのパワフルなコーラスなど、つくづくハイライトしかない1曲だ。コール&レスポンスの声は出せなくとも、メンバーとオーディエンスの心の距離は完全にゼロ。大きな拍手に包まれて、5人はステージをあとにした。



アンコールでは、観客の灯すスマホライトが揺れる光景を眺めて「美しい空です、どうもありがとう」とRYUICHIが感謝を告げ、そのまま光に彩られて「I for You」へ。さらに、RYUICHI指名によるランダムで順番が決められたメンバー紹介では、INORAN→SUGIZO→RYUICHI→J→真矢というイレギュラーな順で各々の想いを語った。

「8月26日は僕らが初めて武道館でライヴをした日なんですよね。あれから僕らいろんな歴史を刻んできて、またここに5人がいて、スタッフがいて、メンバーのみんながいる景色を観ながら音を奏でられることを、とてもとても幸せを感じながら……すごしたりしてます(笑)。半年間みんなを心配させたこともあると思うけど、僕らは前を向いて、いろんなことをたくさん話しました。今僕がひとつ言えるのは、LUNA SEAの未来はキラキラしすぎて、眩しすぎて見えない! 以上、INORANのつぶやきでした!」──INORAN

「LUNA SEAの未来はすごく輝いて待っていてくれてる。みんなと一緒に未来を作っていく、その希望、期待に今めちゃくちゃときめいてる感じです。……まだコロナのパンデミックの脅威は続いてるけど、俺達が音楽を通して乗りきって、新しい未来を作っていきたい。そして、まだウクライナは戦争してます。世界各国で紛争があります。音楽は、平和を灯す象徴であると思うし、友情を作る象徴だと思う。世界にも日本にも届けられるとても大切なものだと思うので、分断が生まれているこの社会で、音楽を通して、みんなでポジティヴなエネルギーを伝えていきたい。今もしかしたら、LUNA SEAはもっともポジティヴに考えられているかもしれない。みんなのおかげです」──SUGIZO

「過去の自分を取り戻すのではなくて、超えた先に向かってこれからも進化していきたいと思ってます。最初、自分の声が戻るのかなってことばっかり考えてたけど、そうじゃなくて、もっと進化して強くなるので。光輝く世界に向かえるように、声を磨いて、しっかりみんなに届けていきたいと思います。本当に2日間どうもありがとう!」──RYUICHI

「みんないいこと言ったんで、以下同文です(笑)。今までも、バンドはわがままに突き進んできました。いろんなことをこれからも乗り越えていくんでしょうし、時にはケンカしたり、ケンカしたり?(笑)。そういったドラマを乗り越えて、今の5人があると思います。その力を与えてくれたのは、ここにいるひとりひとりの俺たちの仲間。今日来れなかった仲間たちも、WOWOWで観てくれてる仲間たちも。ここからどこまでいけるか、お互い勝負しましょう」──J

最後にステージのセンターに招かれたのは真矢。「みなさんの話を要約すると……INORANのつぶやきで“いのつぶ”、SUGIZOの「もっとポジティヴ」で“もっポジ”、Jの「ケンカしたり」で“Jケン”、RYUちゃんの「声が復活しました」で、河村さんの声で“かわごえ”!」とさすがの爆笑トークでまとめあげ、手拍子でのコール&レスポンスで会場中を笑顔で包み込んでみせた。


満場の多幸感と同時に、ライヴはエンディングへと向かう。終わってしまう寂しさを吹き飛ばすように、明るい照明が灯った会場に銀テープが降り注いだ「WISH」から、「みんなに、世界中の仲間たちに次のナンバーを贈ります」と演奏されたのは「UP TO YOU」。躍動的なビートに乗せて、“♪夢を見続けて 終わりはないから / 雨に打たれても 夢が滲んでも / 明日を信じて この手は離さない”とひときわまっすぐなメッセージが誰しもの心に寄り添っていく。ラストはRYUICHI、SUGIZO、J、INORANが真矢のほうを向いてドラム台に集まり、呼吸を合わせて曲を締め括った。

さらに、恒例の「せーの」のジャンプのあと、マイクを置いたRYUICHIがメンバーひとりずつとハグし、最終的に4人全員がRYUICHIを囲んでハグするというエモーショナルなシーンも。メンバー自身、この2日間を通して確固たる絆と希望を噛み締められたのだろう。


ただ“LUNA SEAが戻ってきた”のではなく、バンドの多面性を深くひもとくコンセプトと、誰も予想できないセットリストをひっさげ、止まらない進化と挑戦的な野心を見せつけた彼ら。“LUNA SEAと武道館”という29年の歴史に加えられた新たな1ページは、ここからまた続いていくはじまりの1ページとなったに違いない。

そして、ライヴ終了後にもサプライズが待っていた。12月17日および18日にさいたまスーパーアリーナで、初期のバンド名“LUNACY”を冠して<黒服限定GIG>を開催するとのこと。<黒服限定GIG>は活動再開した2010年の<REBOOT>のタイミングでも行っているが、あれから早12年(!)。果たして、今の彼らはどんなステージを繰り広げてくれるのだろうか。

取材・文◎後藤寛子
撮影◎田辺佳子/横山マサト

■<LUNA SEA 復活祭 -A NEW VOICE- Day2「Naked Voice」>2022年8月27日(土)@日本武道館セットリスト

【第1部】
01. a Vision
02. TONIGHT
03. Sweetest Coma Again
04. The End of the Dream
05. 宇宙(そら)の詩(うた)~Higher and Higher~
06. 闇火
07. CIVILIZE
08. HURT
【第2部】
01. LUCA
02. JESUS
03. END OF SORROW
04. SANDY TIME
05. IN FUTURE
06. Déjàvu
07. ROSIER
【ENCORE】
01. I for You
02. WISH
03. UP TO YOU


■<黒服限定GIG 2022 LUNACY>

12月17日(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
12月18日(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ

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