【ライヴレポート】アルルカン主催＜束の世界 2022＞、D'ERLANGER、Plastic Treeなど7バンドの共演に「完璧な一夜」

アルルカン主催イベント＜束の世界-SONOSEKAI- 2022＞が8月27日、大阪・なんばHatchにて開催された。同公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。

◆＜束の世界-SONOSEKAI- 2022＞ 画像

出演はアルルカン、DEZERT、キズ、甘い暴力、HAZUKI、Plastic Tree、D'ERLANGERといった7組。いずれも実力派にして歴戦の強者アーティストたちが、満員のオーディエンスを熱狂の渦に叩き込んだ。

トップバッターはHAZUKIだ。奈緒(アルルカン／G)の直系先輩アーティストが、今回はソロアーティストとして登場。スピード感満載の激しい演奏でイベントの幕が開いた。lynch.の明徳(B)をサポートメンバーに迎えたバンドサウンドにフロアは大きく揺れた。





2番手は大阪出身の甘い暴力。アルルカンにとってはこの日唯一の後輩アーティストとなる。煌びやかな雰囲気の中に、メッセージ性の強い歌詞を伴う彼らの楽曲に会場が大きな反応を見せた。縦横無尽のライブパフォーマンスで鮮烈な印象を残した彼らにフロアから大きな拍手が送られた。

続くはPlastic Tree。有村竜太朗の艶やかなパフォーマンスを前面に押し出しながら、楽器陣の卓越した演奏力は圧巻のひと言。このバンドにしか醸し出せない浮遊感溢れるステージに観衆は魅了されるばかりだ。ラストナンバー「空中ブランコ」では有村竜太朗が演奏終了と共に床に崩れ落ちるパフォーマンスも秀逸。実力派バンドの表現力は完璧だった。





先輩が残した雰囲気をがらりと変えて見せたのは、アルルカンにとって同胞と言えるキズだ。激しく強烈な毒を併せ持つ彼らのパフォーマンスに圧倒された。また、来夢がアコースティックギターを持ち、メロディアスな旋律を聴かせるなど、ステージは変幻自在と言えるもの。観衆の心に傷跡を残す熱演だった。

圧倒的な存在感を見せたのはキャリアアーティストのD'ERLANGERだ。SEもないまま、楽器陣の3人がふらりとステージに現れてジャムセッションを開始。そこにkyo(vo)が登場すると、そのまま1曲目の「BABY」に流れ込む姿は貫禄十分。キャリアのなせる技としか表現しようがない。“バンドとはかくあるべき”を体現するパフォーマンスは圧巻だった。





トリ前はアルルカンと同時代を生き抜いてきた盟友・DEZERT。新曲「The Walker」からスタートしたライヴは、直後に千秋(Vo)の「最強の前座、DEZERTです」というMCも飛び出すなど不敵。ジェットコースター並みのスピード感、激しいバンドサウンド、キャッチーなメロディーラインを持つ楽曲などが散りばめられたセットリストはバラエティに飛んだもの。その中にはアジテーションが強烈な「デザートの楽しいマーチ」も披露され、大トリのアルルカンに愛のある毒を吐きながら、美しくバトンを繋いだ。

＜束の世界-SONOSEKAI- 2022＞のラストを飾るのは主催者・アルルカンだ。オープニングSEに乗っての登場シーンから気合十分。春のアルバムツアー、夏のイベントツアーを経て、成長著しい彼らのベストパフォーマンスが、この日に披露された。セットリストのハイライトとなった新曲「PICTURES」はバンドの表現力が豊か。ラストには暁(Vo)が全出演アーティストと、満員のオーディエンスに感謝を伝え、「世界の終わりと夜明け前」を高らかに歌い上げて「イベントとして完璧な一夜」が幕を閉じた。



アルルカンは9月より、全15公演の全国ワンマンツアー＜アルルカン 9th ANNIVERSARY TOUR「決意を前に」 ＞を開催する。

撮影◎川島彩水