【速レポ】<JOIN ALIVE 2022>DISH//、「こうやって夢って叶っていくのかなって」

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<JOIN ALIVE>初登場ながら、サウンドチェック時から「北海道涼しいですね」「キーボードの彼(橘柊生/DJ,Key)が北海道出身なんです」(北村匠海/Vo,G)と紹介をしたりとリラックスした笑顔で観客とコミュニケーションをとっていたDISH//の4人。

◆DISH// ライブ写真

そのステージは、そんな4人の爽やかさそのままに音にしたような「No.1」でスタートした。タイトルを示すように北村が天を指差し、観客もまた同じように高く空を指差すと、泉大智(Dr)によるビートが勢いよく走り出して風がそよぐ会場を駆け抜けていって気持ちがいい。グッとエンジンを踏み込んだところで、矢部昌暉(Cho,G)のパワフルでワイルドなギターフレーズから「Get Power」へと突入。一転して無骨なバンドアンサンブルで爆走するサウンドに、北村が力強くノリのいいボーカルを飛ばす。2021年12月25日から結成10周年イヤーに入ったDISH//、青白い炎をあげる初期衝動が詰まった「Get Power」を鍛え上げてきたバンドサウンドで大きく爆発させた。


「<JOIN ALIVE>やってきました。晴天だ!」。北村の満面の笑みと心からの声を上げる。そして「なにを隠そう、この間のワンマンライブは大雨。念願のロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL)は出演日が台風で中止。本日は晴天です、皆さんのおかげです──やっぱり野外ってこれだよね」と続けた北村に、観客は大きな拍手で返す。

ここに続いた曲は、ドラマ主題歌でもある新曲「しわくちゃな雲を抱いて」。手拍子が響くなかドラマティックに紡がれる曲に、北村は「空を見ながらやろう」と、早くも秋の気配を感じるような高い空と太陽を堪能するように歌う。観客も同じようにたっぷりと日差しを享受しながら、3年ぶりについに迎えることができた<JOIN ALIVE>の空気を味わった。


中盤には、コロナ禍の真っ只中に「THE FIRST TAKE」で披露したことで再び大きな注目を集める曲となった「猫」を披露。優しいタッチによる橘のピアノとスロウなビートによる切なさと、エモーショナルにドラマを描いていく歌が優しい。ゆらりゆらりと体を揺らして心地よい午後の時間を楽しむ観客だったが、ここからは怒涛の展開に。


「どんどん畳み掛けていきたい。なにも考えずにジャンプする曲です、真昼間からひとつになりませんか」(北村)という声で「JUMPer」をド派手にぶちかましていく。アッパーなドラムビートに、橘もマイクを持ってステージ最前線に飛び出してシンガロング。北村も矢部も、ステージを右に左にと動きながらダイナミックに歌い、プレイする賑やかなステージングに観客がジャンプする。


ファンキーなロックナンバー「NOT FLUNKY」そしてノンストップで「勝手にMY SOUL」とさらに泥臭く、グルーヴィに、バンドアンサンブルの密度を濃くしていく白熱のステージに。観客の情緒をかき乱しながら暴れまくっていく4人に、手拍子のボリュームもどんどん上がっていく。

「楽しんでますか。……涼しいと思って服装まちがえました、暑いっす。それくらい<JOIN ALIVE>の熱量がすごいなと感じてます。2019年ぶりに北海道にきました。久々に飛行機乗って、彼(橘)しかホームグラウンドではないけど、帰ってきたなというか、そうそうこの空気って感じてます。最近やっとフェスに呼んでもらえるようになって、先輩たちに混じってライブをやらせてもらえるようになって、感動するんです。お客さんとして行っていたフェスに、結成して10年経って、こうして自分たちの曲を堂々と歌っている。こうやって夢って叶っていくのかなって。みなさんの前で歌えて、演奏できて、光栄です。ありがとうございました。僕らとしてはラストの曲ですけど、フェスははじまったばかりです。最後まで笑顔でいてください」(北村)


熱い思いのこもったMCに続いたラスト曲は、まさにバンドが信じて歩んできた軌跡を祝福するような、「DAWN」。大きなシンガロングではじまるアンセミックな曲は、野外にもぴったりだ。コロナ禍で、まだ観客は一緒にシンガロングはできないけれど、その分気持ちをコブシに込めて高らかにふるって会場が一体化していく。初の<JOIN ALIVE>となったDISH//、この空間を登場時より何倍も爽やかにしてそのステージを終えた。


取材・文◎吉羽さおり
撮影◎岸田哲平

<JOIN ALIVE 2022>

日程:2022年9月3日(土)、4日(日)
時間:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 20:30予定 ※雨天決行
会場:北海道・いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉(北海道岩見沢市志文町794番地)

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