【速レポ】<JOIN ALIVE 2022>Hakubi、京都から初登場「忘れないように刻み付ける!」
「北海道の方は? めっちゃ、多い。そりゃそうやね。この遊園地へ来たことある方は? やっぱり多い。あのジェットコースター、楽しそう。身長制限どれぐらい? 145cmは乗れるやろ」
◆Hakubi ライブ写真
本番前のリハ中、みんなとのやり取りもあって、すっかりホームのような雰囲気。しかしながら今回が初の<JOIN ALIVE>となるHakubi。13時40分、SEと共に再び登場したときには、もちろん温かい大歓迎の拍手と、リハ段階から数倍に膨れ上がった大勢のオーディエンスがHakubiを出迎えた。その現実は、バンドへの期待のすごさがうかがえる。
まずHakubiが投入したのは「光芒」。言葉を大切に、しかし刻み付けるように歌う片桐(Vo,G)。視線にも自然に力がこもり、歌声はよどみなくどこまでも伸びる。また一節を歌うたび鋭い音でコードもかき鳴らす。するとオーディエンスの目は片桐に釘付け状態だ。片桐も、リハのときの親しみある女の子ではもうない。ステージに今いるのは、カリスマのオーラも帯びたHakubiのシンガーである。
「JOIN ALIVE! 京都Hakubi、初出演。この時間、あなたの目の前に立って、見逃せないライブ、ここに刻んでいきます。忘れないように刻み付ける!」
そう言いながら曲を叩きつけていくHakubi。ヤスカワアル(B)とマツイユウキ(Dr)は、職人のようなプロフェッショナルなプレイで歌を引き立てながら、曲をさらに活き活きと鼓動させる。
「めちゃくちゃ気持ちいいですね、岩見沢。ここに来て気持ちも上がってるし、熱いぐらい。今日、ここで出会って良かったと思える、自慢になれるようなバンドに」
そう言う片桐は、台に乗ってのけぞりながらギターをかき鳴らしたり、キックしながらフレーズを決めたりと、小柄な身体だが躍動感に溢れたプレイやライブ・パフォームも見せる。それに煽られて、Hakubiの曲や音とひとつになっていくオーディエンスだった。
ところが“あたしの生きる理由の歌”と片桐の紹介で曲が「在る日々」へに入ったときだ。オーディエンス全員の動きはピタリと止まった。なぜなら、みじめさも情けなさも、憎しみも苦しみも、心の内側を全てえぐり出した歌詞が強烈な歌だから。涙を拭う女性ファンの姿もあった。また「mirror」のときには、片桐は曲中にこう問いかけた。
「悲しいことつらいこと、どうしようもないこと。言える人はいますか? 吐き出せる場所はありますか?」
そして歌いながら自身も気持ちを高ぶらせていく片桐。
「あなたが今日、音楽に救われに来たとしたら、それを全く恥じなくていい。そう、恥じなくていいよ。あなたに届けたいと思うから、ここに立ってます。今、あなたと目を合わせてます。そう、あんたに届けるんよ!」
大勢のオーディエンスがHakubiの目の前には広がっているが、1対1の真剣勝負。Hakubiがステージから去っても、感情はずっとかき乱されっぱなし。まさに刻み付けられるライブであり歌だった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎石井亜希
<JOIN ALIVE 2022>
時間:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 20:30予定 ※雨天決行
会場:北海道・いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉(北海道岩見沢市志文町794番地)
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