【速レポ】<JOIN ALIVE 2022>NakamuraEmi、「すげえ思い出をくれる」場所に刻む新たな独擅場

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「北海道だからGLAYを歌いたい」と歌った「HOWEVER」や中島みゆきの「時代」をはじめ、北海道ゆかりのアーティストの楽曲も含め、J-POPの名曲の数々をメドレーで歌い上げたサウンドチェックから、伸びやかで力強い歌声で観客を圧倒しながら、その気持ちを鷲掴みにしていったのだから、VELVET CIRCUSはまさしくNakamuraEmiの独擅場だった。あとは自分の持ち歌を、心を込めてじっくりと歌っていけばいい。

◆NakamuraEmi ライブ写真

アコースティック・ギターを手にしたプロデューサー兼ギタリスト、カワムラヒロシがコード・ストロークをパーカッシブに鳴らして、サウンドチェックからそのままなだれこんだNakamuraのステージは「BEST」でスタート。R&B調のリズミカルな曲ながら、タンバリンを叩きながら歌うNakamuraの節回しにレゲエのテイストが混じるところが、このシンガー・ソングライターのユニークさを印象づける。


R&B、ヒップホップ、レゲエに影響された楽曲、歌とラップ/フロウをフレキシブルに行き来するボーカル──シンガー・ソングライターと聞いて誰もが思い浮かべるイメージに収まりきらないユニークなスタイルでNakamuraは、日本のミュージック・シーンに頭角を現してきた。2回目の出演となる今回の<JOIN ALIVE>で彼女が披露したのは、頭角を現す中で多くのリスナーの度肝を抜いてきた代表曲と言える全7曲。


2016年に33歳で遅咲きメジャーデビューした時の若手からは先輩と言われ、先輩からは若造と言われる自身の気持ちを、《子供と大人の真ん中》と表現しながら、頓智をきかせつつ歌った「大人の言うことを聞け」、会社員時代に作ったラップ・ナンバー「モチベーション」の2曲を繋げ、観客の手拍子とともに会場を盛り上げると、飛行機の中で差し歯が抜け、岩見沢に着いたとたん歯医者に駆け込んだという前回17年に<JOIN ALIVE>に出演した時のエピソードも披露して、観客を笑わせる。そして、前回、大好きなEGO-WRAPPIN’が演奏したVELVET CIRCUSで今回、自分が演奏できる歓びを、「すげえ思い出をくれるJOIN ALIVE」と語ると、会場から大きな拍手が起こった。



エモーショナルに歌い上げたバラードの「スケボーマン」からの後半戦は、ステージを左右にエネルギッシュに動きながら歌った「かかってこいよ」、北海道を含む、全国のリスナーから支持されたことがメジャー・デビューするきっかけになった「YAMABIKO」と繋げ、さらに会場を盛り上げると、最後は「こういう時期だけど、ライブを見に来てくれた感謝と次は大騒ぎしたいという願いを込めて」と語ってからバラードの「投げキッス」で締めくくった。


コロナ禍の中で生まれた祈りの歌。いまだ終わらないコロナ禍の中、3年ぶりに開催された<JOIN ALIVE>のステージで歌うことにこそ大きな意味があった。祈るように繰り返し、繰り返し歌った《千羽鶴折るように 子猫を抱きしめるように 目に見えないものが それだけが それだけが》という歌詞がズシッと胸に響いた。

取材・文◎山口智男
撮影◎柴田恵理

<JOIN ALIVE 2022>

日程:2022年9月3日(土)、4日(日)
時間:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 20:30予定 ※雨天決行
会場:北海道・いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉(北海道岩見沢市志文町794番地)

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