【速レポ】<JOIN ALIVE 2022>KANA-BOONが贈るポジティブなエネルギー
日差しも痛いぐらいの北海道・岩見沢。11時50分、FUTURE FLOWERSに大きなハンドクラップで迎えられたのはKANA-BOON。客席エリアにぎっしりのオーディエンスを目にして、幸せそうな笑顔を見せる谷口鮪(Vo,G)、古賀隼斗(G)、遠藤昌巳(B)、小泉貴裕(Dr)。
◆KANA-BOON ライブ写真
「<JOIN ALIVE>、3年ぶりの開催おめでとーう!」
谷口鮪の祝福の言葉を合図に始まったのは「ないものねだり」。この2年間、ねだっても手に入れられなかった<JOIN ALIVE>だったが、今、ここに現実としてある。喜びを爆発させるように、ハンドクラップを鳴らしたり両手を振ったりと、岩見沢の暑さを上回るほど熱量を高めるオーディエンス。
それでも谷口は「まだ一緒に歌えないんですけど、一緒に演奏しよう」と呼びかける。すると、やり方を教える前からオーディエンスはエイトビートを刻むようにリズミックなハンドクラップを起こした。
これには谷口も「すごいな。バンドやってた? その素晴らしい演奏に俺が歌を乗せるから、そのままドラムをよろしくお願いします」と絶賛。KANA-BOONの5人目のメンバーとしてオーディエンス全員を迎え入れ、総勢数千人編成のKANA-BOONによる「ないものねだり」だ。みんながひとつになり、躍動感と生命力に溢れたポジティブなエネルギーを生み続ける。これぞ、生のライブの醍醐味だ。それを目の前のみんなと共に体感しながら次々にライブナンバーを放つKANA-BOONだった。
「3年ぶりですよ。あなたにとって<JOIN ALIVE>が宝物なんだってことを知っているから。2020年、2021年、よく耐えたと思う。でも、その先にこうやって素敵な場所でまた会えたわけで、おめでとうございます」
祝いのナンバーとしてKANA-BOONが次に鳴らしたのは「シルエット」だ。KANA-BOONの名を知らしめた曲のひとつでもある。さらに続くのが「シルエット」の続編として作ったという「きらりらり」。谷口からは「俺達と出会ったこれまでの日を振り返ることができるように。あなたの好きなアーティスト、バンドと出会った日のことを思い出してくれたら」との言葉も。切ないメロディを貫きながら、谷口のロマンチストぶりも現れた歌詞や描写。しかし力強くグルーブする遠藤と小泉のリズムに、どこかブルージーで泣かせる古賀のソロフレーズ。心のヒダのあちこちを刺激してくる。
人生と並走するような、自分の好きな音楽やバンド。それを知ったからこそ広がった夢や新たな物語。その先には出会ったことのない景色や初めて生まれた感情だってある。様々なことを語りかけてくれる曲である。
「KANA-BOONといえば、楽しいバンドというイメージあるかもしれませんけど、俺達も人間で、いろんな面があります。ださいところもあるし、なさけないところもあるし、でも、ちゃんとカッコいいところもあるんですよ、ロックバンドとしてね。それを<JOIN ALIVE>に見せつけようと思って来ました」という言葉に続いたのは、「こうして観に来てくれたあなたと、こういう時間を過ごせるのは嬉しいです。俺達は本当にたくさんのものをもらっているから、何か返したい。この数年分のモヤモヤとか、もの暗い感情を、俺達なりにブッ飛ばします」という感謝と恩返しの気持ち。
モヤモヤやもの暗い感情はすでに1曲目にして吹っ飛ばしてくれたKANA-BOONだが、エモーショナルな「まっさら」で気持ちをさらにポジティブにさせていく。そしてラストに決めるのはキラーチューンのひとつ「スターマーカー」。もちろん強い一体感で、総勢数千人のKANA-BOONが再び、である。改めてライブ、音楽、バンドの素晴らしさを体感させるステージとなった。
取材・文◎長谷川幸信
撮影◎中河原理英
<JOIN ALIVE 2022>
時間:開場 9:00 / 開演 11:00 / 終演 20:30予定 ※雨天決行
会場:北海道・いわみざわ公園〈野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地〉(北海道岩見沢市志文町794番地)
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