【連載】Vol.139「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」

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【祝来日60周年のザ・ベンチャーズ 大成功のジャパン・ツアー!!】



リオン・テイラー/DS、ボブ・スポルディング/GTR、イアン・スポルディング/GTR、ルーク・グリフィン/BSが帰って来た。7月下旬から9月初頭まで全国津々浦々でテケテケ・サウンドが響き渡った。実に3年ぶりに僕は大興奮。しかもメモリアルな来日60周年記念コンサート・ツアーであり、最終ステージの中野サンプラザホールは来年から建て替えとなりメモリアルなライヴともなった。

オープニング・チューンは新作『NEWS SPACE』(ポニーキャニオン/MYCV30669)の1曲目ナンバー「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。ジャズ・スタンダード系楽曲お馴染みで、ジョニー・マティス、ペギー・リー、フランク・シナトラetc多くのアーティストで知られている曲。原題は“In Other Word“だ。ベンチャーズらしいアレンジでとっても新鮮、すっごく良い雰囲気での幕開けだ。


提供:ポニーキャニオン

『ありがとう 皆さん こんにちは』2曲目はベンチャーズ歌謡、「二人の銀座」だ。ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、メル・テイラー、ノーキー・エドワーズの共作。1966年のアルバム『Go With The Ventures』収録。ポップな60's和テイストを思いっきり楽しむ。同年、山内賢&和泉雅子で大ヒットした。日本語作詞は永六輔。翌年には二人の主演で映画化された。勿論僕はリアルタイムで映画館に足を運んだ。

続いて『NEWS SPACE』から「ジ・エイリアン」はエキゾチックなムードを噴出している力作。リオン・テイラーとボブ・スポルディングの共作。

再び60年代ムードいっぱい加山雄三ナンバーから「夜空の星」へと続く。1965年暮リリース「君といつまでも」のフィリップ・サイド・チューンだ。作曲は弾厚作(加山雄三)。ベンチャーズもこのカップリングで66年春にシングル・リリースしている(両サイドでのキーボードはレオン・ラッセルとも言われている)。この日のオープニング・パートのバンドのバランス感覚がすっごくイキなのだ。僕は60年代のベンチャーズ&加山さんが共演したシーンを思い出した(この項ではYouTubeエド山口のOh!エド日記をチェック・イット・アウト)。



続いてのナンバーも懐かしい、「ミスター・モト」。1962年アルバム『Going To The Ventures Dance Party!』収録。ミスター・モトはオールド・プロレス・ファンにはお馴染みの日系ハワイ人だ(僕はその頃、大相撲出身の豊登を応援していた)。オリジナルはチャレンジャーズの前身、南カリフォルニアのザ・ベル・エアーズだ。1961年の彼らのローカル・ヒット。グループのメンバー、リチャード・デルヴィとポール・ジョンソンの共作。



そしてそのままリオンのドラミングで「アパッチ」へと入っていく。エキゾチックなエレキ作品として当時から人気があった。クリフ・リチャードのバックも務めたハンク・マーヴィンを中心としたシャドウズの1960年のUKヒット。その2年後にベンチャーズは『The Ventures Play Telstar: The Lonely Bull』に収録した。ジェリー・ローダンの作品で最初にレコーディングしたのはバート・ウィードン(二人は英国人)である。

この時代の作品が続く。僕の大好きなアルバム『Surfing』(63)からの「ナインス・ウェイブ」だ。僕は遂にサーフィンすることはなかったけど当時からサーフ・サウンドは大好きだ(ジャン&ディーンFCの会員だった)。ドン・ウィルソン&ボブ・ボーグルの共作。アップ・ビートなゴキゲンなベンチャーズ・オリジナル曲だ。

そして「熊蜂の飛行」、“The Bumble Bee Twist”だ。なんとも言えないギター・サウンドに酔いしれてしまう。ニコライ・リムスキー=コルサコフ作のオペラ楽曲。1962年ベンチャーズ・アルバム『Twist With The Ventures』収録された。彼らの1965年1月の日本公演でこのナンバーは大きく注目されたのだった。



そしてエレクトリック・シタールで感情を揺さぶる
「さすらいのギター」へ。1906年のロシア・ワルツを原曲として1963年にフィンランドのザ・サウンズでヒットした。ベンチャーズは1971年にシングル・リリースした。“心を打つメロディー!“。TBS“POPS BEST 10”では同年6月13日付8位。この年に小山ルミがカバー。そういえば今年の夏に彼女のCD『ベンチャーズ・ヒットを歌う! 二つのギター』が再登場している。僕は高校時代フジテレビ“ビート・ポップス”でアルバイトしていたんだけど、同番組でルミはゴー・ゴー・ダンサーとして踊っていたヨ。

「京都の恋」は大阪万博開催の1970年発表で所謂ベンチャーズ歌謡。日本での英表記は“Kyoto Doll”、アメリカでは”EXPO'70“だった。皆さんご存じだと思うけど!?渚ゆう子で大ヒットした!僕は“ビート・ポップス”終了後はCX“リブヤング!”に出演していたんだけど、この二つの番組のプロデューサーが林良一さん、斉藤敏さん、そして石田弘さんで、この「京都の恋」歌詞担当の林春生はりょうちゃんのニックネームで親しまれた林さんだった。この日のステージで表情豊かにフレッシュな雰囲気を噴出、加えてエンディングがとっても印象的だった。



そして今度はイントロがとても印象的な「テルスター」。UKグループ、トルネイドースの1962年ヒット。ベンチャーズは同年『The Ventures Play Telstar, The Lonely Bull』に収録した。この日のエンディングも何時にもにも増してエキサイティングにエクスプロージョン、観客の度肝を抜く。

そして今度はパッショナブルな演奏で始まる「蜜の味」。ミュージカルからの楽曲を1965年にハーブ・アルパート&ザ・ティファナ・ブラスが大ヒットさせたお馴染みの曲。ベンチャーズは翌年アルバム『Where the Action Is!』に収録。ビートルズがTJB以前にこの楽曲に注目していたのはよく知られる。



「10番街の殺人」もミュージカルからでこちらは1930年代のオールド楽曲。ベンチャーズは1964年アルバム『Knock Me Out!』に収録しシングル・カットされた。Billboard誌HOT100では1964年10月24日付80位(★)で初登場。その後68位→57位(★)→45位(★)→38位とランク・アップ、11月28日付で最高位35位を記録した。我が国ではそれ以上に大ヒット、TBS“POPS BEST 10”では1965年5月9日付から5週連続1位。年間チャートでも2位にランキングされた。今やベンチャーズ・ライヴのスタンダードだ。今回の演奏も流れるようなアップ・ビートで気分爽快にさせた。

一部のラスト曲前にメンバー紹介。そしてベンチャーズ・ライヴ定番「ワイプアウト」。この曲は元々ザ・サファリーズ(1965年に来日、R&Bカバーも得意にしていた)、1963年にUS大ヒットしたナンバーだ。ベンチャーズは同年アルバム『Let‘s Go!』に収録。よりエキサイティングにサーフ・サウンドが場内に響き渡る。雑誌Fineの編集者時代に大変お世話になったドジ井坂さん(我が国最初のプロ・サーファー)から生前“Wipeout”とはサーフィン用語で波に煽られてひっくり返ることと教えて頂いた事を思い出した。。



休憩時間を挟んで第二部、まずはグループ代表である「急がば廻れ」でスタートだ。オリジナルは1955年ジョニー・スミスのジャジー作品だ。ベンチャーズは1960年夏に大ヒットさせた。そのサーフ・ヴァージョンが1964年に注目されたのは周知の通り。まさしくベンチャーズ祭のテーマ・ソングだ。Billboard誌HOT100では1960年7月18日付88位(★)で初登場。その後39位(★)→18位(★)→7位(★)→5位→3位とランク・アップ、8月29日付で最高位2位を記録した。


『Joel Whitburn Presents The Billboard HOT100 The Sixties』1960年8月29日付 from Mike's Library

リオンのメドレーを思わせるタッチのドラミングから「ドライビング・ギター」。副題を”Ventures Twist”というベンチャーズ・オリジナルだ。ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、ノーキー・エドワーズの共作で1961年アルバム『Twist With The Ventures』収録。いつ聴いてもたまらなくカッコイイ演奏なのだ。

そしてチェンジ・オブ・ペース、ミディアム・スロー「京都慕情」。ドン・ウィルソン、メル・テイラー、ジェリー・マギー、ジョン・ダリル共作のベンチャーズ・オリジナル、1970年アルバム『Golden Pops』に収録。原題は“Reflections In A Palace Lake”で当初邦題は“パレスの夜”。今年のツアー・パンフレットにも記させてもらったが、僕の初ベンチャーズ・ライナーがシングル「白鳥の湖/パレスの夜」、B面が“パレスの夜”だった。その後、渚ゆう子がこの楽曲をシングル・カットすることになりタイトルが“京都慕情”になった。この日本語作詞は勿論、林春生。ベンチャーズも“京都慕情”と改題しシングルA面で渚とほぼ同じ頃に再リリース。オリエンタル・ムードを満喫の出来るベンチャーズ歌謡楽曲だ。


from Mike's Collection

4曲目はドン・ウィルソンのフェイヴァリット・ソング「パイプライン」、サーフ・スタンダード!シャンテイズで1963年US大ヒットした。グループのブライアン・カーマンとボブ・スピッカードの共作。ベンチャーズは同年アルバム『Surfing』収録。我が国では1964年夏にシングル・カットされた。サーフィンには縁のない僕だけどハワイには1972年のエルヴィス ・プレスリー、1973年&1998年のローリング・ストーンズを含め10回位、ということで勿論Banzai Pipelineも観光した。

再びベンチャーズ歌謡の登場「雨の御堂筋」、英題も素敵な”Starangers In Midosuji”。1971年秋にベンチャーズ・シングル、そして欧陽菲菲のデビュー・シングルとしてリリースされ大注目されたのだった。とにかく欧陽菲菲はダイナミックでソウルフル、凄く歌の上手い歌手だった。彼女の日本語作詞は林春生だ。



後半6曲目は「スリープ・ウォーク」。1959年にサント&ジョニーでUSナンバー・ワンに輝いた。哀愁あるエキゾチックなインスト・バラード。あの時代をダイレクトに感じさせる素敵な作品をこの日のステージでも披露してくれた。ベンチャーズは1960年リリースのファースト・アルバム『Walk Don't Run』に収録した。その後何度かセルフ・カバーもしている。2004年1月の日比谷公会堂でのライヴDVD『ベンチャーズ結成45周年記念コンサート』でも楽しめる。


from Mike's Collection

続いては2018年リリースの現メンバー4人になったベンチャーズのファースト・アルバム『Here We Go Again!!』(MYCV30659)のタイトル・チューン「ヒア・ウィ・ゴー・アゲイン」。ボブ・スポルディング作品。モダンなアレンジの中にもベンチャーズ伝統サウンドをしっかり受け継ぎそれを立証している演奏をこの日も披露した。


提供:ポニーキャニオン

続いてもテケテケ伝統を感じさせる「ビッグ・サーフ」。2016年のアルバム『Hits & New』(MYCV30654)から、リオン・テイラー、ボブ・スポルディング、イアン・スポルディングの共作。2019年リリースのライヴ・アルバム『Live At Daryl's House Club』(MYCV-30664)にも登場したのは記憶に新しい。


提供:ポニーキャニオン


提供:ポニーキャニオン

今度は直球で伝統サウンド、1964年アルバム『The Fabulous Ventures』から「星への旅路」。ドン・ウィルソン、ボブ・ボーグル、メル・テイラーの共作。エレキ・ブームを迎える前年だが日本の少年たちはこぞってこのLPを聴きまくっていた。日本盤シングル「パラダイス・ア・ゴー・ゴー」のB面としてもお馴染みだ。

「ザ・サベージ」はベンチャーズ1963年リリースのUSシングル。話しはちょっと横道に逸れるけど、クリフ・リチャードが来日した際にインタビューしたこともあって仲良くなった。そのクリフのプロデューサー/ソングライターと知られたのがノリー・パラモアだ。この楽曲はノリーの 作品でクリフのバック・バンド、シャドウズが1961年にUKヒットさせた。その経由でベンチャーズも取り上げたのだった。アルバム『The Ventures In Space 』の復刻盤で登場。先頃『NEW SPACE』リリースということもあって日本公演2022のセットリストに加えられた!?



続いて新作『NEW SPACE』から、スポルディング親子共作の「ムーン・ベース・ドライヴ」。タイトル通り月面ドライヴを楽しんでいる雰囲気を満喫できるナンバーだ。

そして終盤はベンチャーズ・オン・ステージお馴染みの楽曲が次々に登場して場内をより盛り上げる。「ハワイ・ファイヴ・オー」、1968年から放映されたTV番組“Hawaii Five-O”(我が国では関東ローカルでオン・エアー)の主題歌をベンチャーズが担当した。勿論シングル・カットされBillboard誌HOT100では1969年3月8日付100位で初登場。その後99位→92位→70位(★)→51位(★)→32位(★)→17位(★)→13位(★)→8位(★)とランク・アップし5月10日付で最高位4位を記録した。アメリカに於けるベンチャーズの最高のヒットである。


『Joel Whitburn Presents The Billboard HOT100 The Sixties』69年5月10日付 from Mike's Library



60年代のヒットが続く、エリック・バートンでお馴染みUKグループの ジ・アニマルズの大ヒット、アメリカでナンバー・ワンを記録した「朝日のあたる家」だ。100年くらい前から歌われているUSトラディショナル・ソングで、後年ウディ・ガスリー、レッドベリー、ジョーン・バエズ、ボブ・ディランで広まりジ・アニマルズで多くの人々に知られるようになった。日本人も含め多くのアーティストがカバー(僕はちあきなおみヴァージョンも大好きだ)。ベンチャーズは1964年のアルバム『Walk, Don't Run Vol.2』に収録。この日もブルージーに演奏、ジェリー・マギーを思い出す…………。

そしてラスト・ナンバーは「ダイアモンド・ヘッド」、テケテケ・ジュニアのイアンをフィーチャーしてのベンチャーズ大ヒット曲。ベンチャーズのローディーをしていたジャッド・ハミルトンの弟、ダン・ハミルトンの作品。兄弟は「No Matter What Shape(Your Stomach's In)/ビートでOK」のヒットで知られるT・ボーンズの ヒット後のツアー及びアルバム・レコーディングの メンバーだった。ダンはその後「Don't Pull Your Love/恋のかけひき」で知られたハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズの一員として活躍した。ベンチャーズは『Walk, Don't Run Vol.2』に収録、シングル・カットした。Billboard誌HOT100では1965年1月30日付86位(★)で初登場したが2月6日付74位、そして2月13日付70位。チャート・インは3週のみだった。我が国でもシングル・カットされ大ヒット!ベンチャーズの最初のベスト・セラーとなった。TBS“POPS BEST 10”では1965年3月14日付&21日付連続1位。年間チャート6位にランキングされている。50ウン年、毎夏この楽曲でハワイ・フィーリングを味わっている……。



そしてアンコールは名演「キャラヴァン」。100年近く前のデューク・エリントンの名作。日本於けるベンチャーズのシングル・ヒットなのだ。TBS“POPS BEST 10”では1965年7月18日付から連続7週1位。年間チャートでは「10番街の殺人」と同率2位にランキングされている。メル・テイラーから教授されたリオンのドラミングをフィーチャーしてのパーカッシヴな展開がオーディアンスを魅了する。



素晴らしいベンチャーズのステージに大きな拍手だ!中野サンプラザホールは近々閉鎖される、この9月4日公演はベンチャーズ最後の同ホール・ライヴであった。
2023年、また会いましょう!!


※ライヴ・ショット=吉浜 弘之 Photo by Hiroyuki Yoshihama

☆☆☆☆☆

【ヨーコ・オノ&プラスティック・オノ・スーパー・バンド 1974年ライヴ音源初CD&LP化!】


提供:アイドルジャパンレコード

このところ多くにアーティストの既成ライヴ・アルバムに当時ボツった音源を加えたり、スタジオ・レコーディングの アウトテイクがマニアの為にお目見えしたりしている。コレクターは大変である。全く同じ内容、ジャケットも変わらなくても品番が変わるごとに三セット(1枚は聴く用、1枚は収集用、そしてもう1枚は万が一用)購入する人は僕の周りでは殆どいなくなってしまったけど、それでも若い後追いコレクターはいろいろ苦労していると聞く。

本題に行こう。1974年夏に福島県で開催されたワンステップ・フェスティバルでのヨーコ・オノ&プラスティック・オノ・スーパー・バンドLIVEが半世紀近く経ってここにCD/LPされた。まさに奇跡である。当時は記録してカセット・レコーディングされ、今回のオフィシャル化に奔走したマイポンユウ、高橋廣行が2003年からヨーコ、バック・ミュージシャン達に粘り強く交渉し実現の運びとなった。日本発世界同時オフィシャル発売である。未発表曲「One Way Road」の初出はビートルズ・ファン注目である。


提供:アイドルジャパンレコード

『Let's Have a Dream-1974 One Step Festival Special Editon-/Yoko Ono Yoko & Plastic Ono Super Band 』
●収録曲
(1)Mindtrain
(2)Angry Young Woman
(3)Woman of Salem
(4)One Way Road
(5)I Felt Like Smashing My Face
in a Clear Glass Window ガラス窓に顔をぶちこみたい
(6)Don't Worry Kyoko ドント・ウォーリー・キョーコ(京子ちゃん心配しないで)
(7)Yume O Moto 夢をもとう
(8)Move on Fast ムーブ・オン・ファースト(移動だ)
(9)Yume O Moto(Encore)夢をもとう
●パーソネル
Yoko Ono:ヴォーカル
Michael Brecker:サックス フルート
Randy Brecker:トランペット
Steve Gadd:ドラムス
Rick Marotta:ドラムス
Steve Khan:ギター
Don Grolnick:キーボード
Andy Muson:ベース
※バックの面々はその後多くのファンから注目されたことは周知の通り。
●データ
ライヴ収録1974年8月10日
会場:福島県郡山市開成山公園
※このフェスティバルは内田裕也&石坂敬一の尽力で実現したことを明記したい。僕は二人に生前いろいろお世話になった。

◆先行配信シングル「夢をもとう」既配信
◆CD 既発売
◆配信(世界同時スタート)9月 20日
◆LP発売10月 5日
A面(1)~(5) B面(6)~(9)


提供:アイドルジャパンレコード

【推薦書】
『黒人ばかりのアポロ劇場/ジャック・シフマン著 武市好古・訳』(土曜社)


提供 : ブルース&ソウル・レコーズ/濱田廣也

僕が中央大学附属高校在学中の 1967年、地理の授業を世界中の地図を集めていた両角節先生から受けていた。当時から黒人音楽フリークだった僕は先生にお願いしてNYハーレム・マップを購入してもらった。その6年後、スイング・ジャーナル社から発売された『黒人ばかりの アポロ劇場/ジャック・シフマン著 武市好古・訳』を熟読したのを思い出す。あれこれ半世紀、同書が装いも新たに再登場した。フロント・カバーがアポロ劇場、そして解説を吾妻光良が担当している。改めてしっかり読ませて頂いた。初恋の彼女にウン10年ぶりに再会したような懐かしさ&ドキドキ感を抱きながらブラック・エンタテインメントの殿堂、アポロ劇場の 魅力、歴史、貢献度、そしてここだけでしかアーティスト達のエピソードなどを楽しんだ。ブラック・カルチャーなども様々な角度で記されている。黒人地区でのスラングとして僕もこのコラムなどで粋がって使っている“Right on! ライド・オン”などが、紹介されている。僕はこの文言の使い方は1966~67年頃に“the other”で知り合ったハウスロッカーズのギル(ギルバート・コールマン)に教えてもらった。ともあれ僕としてはブルースやリズム&ブルースのビッグ・アーティスト達の様々な話しに興味をそそられる。早速JBの アポロ・ライヴを聴いている。そして本書にはBBインタビューなどのとこでローリング・ストーンズが登場してくる。武市氏の翻訳も読み易い、“ヤング“という訳まさに1973年という時代を感じさせる。


「黒人ばかりのアポロ劇場」初版 from Mike's Library

【ライヴinfo】

◆ The Choppers Revolution
Bass Day Special Month チョパレボ & Bass Friends Vol,2



ナルチョこと鳴瀬喜博はまさにベースの敏腕奏者。ロックもブルースもジャズ完全に自分のものとして何より自らしっかり楽しんでプレイしているとこがライド・オンなのだ。そんなベテランのナルチョが率いるユニットThe Choppers Revolution(チョパレボ)ももう10年。今秋もナルチョ、IKUO、村田隆行 3人ベースマンのステージは楽しみ。彼らと交流のあるゲスト・ミュージシャンがジョインするという噂も聞く。乞うご期待だ。

*2022年11月21日 Billboard Live TOKYO
ファースト・ステージ 開場16:30 開演17:30
セカンド・ステージ  開場20:00 開演21:00
http://billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13700&shop=1

◆ billboard classics
鈴木雅之 Premium Symphonic Concert 2022 featuring 服部隆之
~DISCOVER JAPAN DX~



マーチンこと鈴木雅之がジャパニーズ・ソウル・ミュージック・シーンに登場して40年以上。そしてソロとしてももう35年に亘って日本の音楽界を闊歩している。彼のステージはシャネルズ時代から昨年のサンシティ迄何度も何度も堪能している。僕がMCさせて貰った映画『RAYレイ』の前夜祭には彼をゲスト・コメンテイターとしてお呼びした。大分前になること某雑誌のインタビューでソウル・ミュージック愛を語りあったことも……。
そんな鈴木雅之は2011年から“日本の歌”の素晴らしさをレコーディングしてきた。“DISCOVER JAPAN”。鈴木雅之はこのほどベスト『DISCOVER JAPAN DX』サウンド・プロデューサー服部隆之の指揮によるオーケストラ・アレンジでのシンフォニック・ツアーすることを決定した。楽しみである!「見上げてごらん夜の星を」「ルビーの指環」「ラヴ・イズ・オーヴァー」僕からのリクエスト…。

2022年11月10日 札幌文化芸術劇場 hitaru
開場17:30 開演18:30
2022年11月16日 福岡サンパレス ホテル&ホール
開場17:30 開演18:30
2022年11月22日 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
開場17:30 開演18:30
2022年11月29日 東京文化会館大ホール
開場17:30 開演18:30
2022年12月1日  愛知県芸術劇場大ホール
開場17:30 開演18:30
https://billboard-cc.com/classics/martin2022/

☆☆☆☆☆

◆湯川れい子 洋楽裏話 千夜十夜 with Mike Koshitani “第五夜“ エルヴィス・プレスリー!

*8月21日開催予定でしたが10月9日に振替となりました。

音楽ファン永遠のアイドル&スーパースター、20世紀最高の偉大なるアーティスト、エルヴィス・プレスリー!この夏、映画『エルヴィス』大ヒット。そして2022年はザ・キング没後45年……、特別な年でもあります。
第五夜では前回に続きザ・キングの魅力、素晴らしさを徹底して語り尽くします。我が国エルヴィス伝承者最高峰、湯川れい子が徹底熱弁。乞うご期待です。



ゲストはエルヴィスのライナーなどでお馴染み音楽評論家、萩原健太さん。マニアックでディープなエルヴィス 解剖学を期待しましょう。そしてもう一方、千夜十夜には二度目の登場、中野利樹さん。彼はアメリカに長きに亘って滞在しローリング・ストーン誌やクリーム紙などに寄稿してきたのです。ナビゲーターはMike Koshitani。生まれて初めて体験した海外コンサートは1972年11月ハワイでのエルヴィス ・オン・ステージ。れい子先生監修の『ワークス・エルヴィス』著者……。この4人による初エルヴィス ・トーク・セッション、どんな展開になるか!?アルコールのいける人はお好きなお酒を手に。飲めない人はソフトドリンクで。お食事もありますヨ。そうそう「今のうちに聞いておかないと、損するよ!!」とれい子さんが言っていま~す。もちろん今回もプレゼント・タイムが待ってます!

◆ゲスト :萩原健太 中野利樹
◆ナビゲーター:湯川れい子 Mike Koshitani
◆日時:2022年10月9日 日曜日
OPEN 12:30 / START 13:00
◆入場料:予約¥3000(+お飲み物¥600 アルコールもご用意してあります)
▲お食事もございます
◆予約サイト
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/223702
◆お問い合わせ:LOFT9 Shibuya
TEL:03-5784-1239(12:00~22:00)

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