【インタビュー】all at onceの“オハコうた”は？

十八番(オハコ)をテーマに、アーティストの素顔と魅力に迫るTOKYO MXの音楽番組『Artist#18File』。10月は現在放送中のアニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマ「プレイメーカー feat.大野雄大(from Da-iCE) 」を歌うall at onceが登場。個性豊かな2人の音楽ヒストリーやオハコうたについて深掘りしていく。

──まずNARITOさんに歌っていただくオハコうたは、AIさんの「Story」です。

NARITO：高校生の頃、地元の友達と毎日のようにカラオケに行っていたんですが、毎回1曲目に友達から「歌って」と言われていたのがAIさんの「Story」だったんです。人生経験が浅い高校生の自分にこんな難しくてアツい歌詞の曲を歌わせるなよと思いながらも（笑）、聴いている友達が楽しんでくれるならと思ってずっと歌ってきました。

──歌っていく中で、何か変化したことなどはありましたか？

NARITO：地元の宮崎から上京する時に、飛行機の中で音楽を聴きながら友達からの手紙を読んでいたんですね。その時にこの曲が流れてきて、サビの「ひとりじゃないから」という歌詞の意味を実感したんです。週5で歌ってきた楽曲を本当の意味で理解でき、気がついたら号泣していたっていうことがありました。

──これまで、ライブなどでも歌ってこられたんですか？

NARITO：路上ライブの時に2人で歌ったことはありますが、1人で歌うのは今回が初めてです。2人で歌う時はハーモニーやピッチ感、音のバランスなどを大事にしているんですが、今回は自分自身の気持ちを第一に出して歌いたいなと思っています。

──次に、 ITSUKIさんのオハコうたはMark Ronsonの「Uptown Funk feat. Bruno Mars」です。

ITSUKI：僕は中学2年の時から歌を習い始めたんですが、高校2年生の時にこの曲に出会い、ずっと歌い続けている曲なんです。カラオケに行くと今でも歌っているくらい大好きな曲でもあるので、この曲を選びました。もともと歌の先生がブラックミュージックが好きで、自分もいろんな楽曲を聴くようになり、ファンクにハマったんですね。この曲は楽曲の雰囲気もMVもすごくかっこいい。あのMVのBruno Marsみたいになりたい！と思い、当時は真似してサングラスやカラージャケットを買いました。

──ボーカルのスキルという面でも、学び甲斐がありそうですね。

ITSUKI：自分の歌の強みは何なのかをずっと考えていた時に、この曲と出会ったんです。Bruno Marsさんはミックスボイスが多いと思うんですが、この曲を歌うことで、僕自身はこんなに太くて強い裏声が出せるんだっていうことに気づいたんですよ。その強みが、NARITOと2人で歌う時にも生かせるようになりました。

──今回の歌唱のポイントは？

ITSUKI：そもそも僕達はカラオケに行っても2人一緒に歌うくらいなので、まず1人で歌うっていうこと自体が珍しいんですよね。あと、僕は取材などでもずっとR&Bやファンクが好きだという話をしてきたんですが、実際にそういう曲を歌って聴いてもらうっていう機会がなかったので、今回は思い切り歌いたいなと思っています。

──all at onceの最新曲「プレイメーカー feat.大野雄大(from Da-iCE)」についても聞かせてください。

ITSUKI：今回初めて、ゲストボーカルという形でDa-iCEの大野雄大さんに参加していただきました。僕らもデビューして3年。新しいことにどんどんチャレンジしたいという気持ちもあり、ボーカリストとしてずっと憧れてきた雄大さんにお願いしたんです。雄大さんの持っている声や音の良さをどう融合させていけばいいのか、すごく考えながらのレコーディングでした。まだまだ追いつけていない自分達というのも痛感したんですが、そこはもう何くそ精神で（笑）。

NARITO：でも、僕たちの色もしっかり出せたんじゃないかなと思っています。今回番組では雄大さんのパートも僕達2人で分けて歌うので、音源とはまた違った、ここだけのバージョンをぜひ楽しんでいただけたらと思います。

──11月にはツアーも行われるそうですね。

ITSUKI：はい。all at onceにとっては初のアコースティックツアーなので、僕らも楽しみなんです。

NARITO：音源ではコーラスをたくさん積んでボリュームを持たせることが多いんですが、今回は僕とITSUKIのマイクから出る1本ずつの声だけ。その生感、リアル感みたいなものを楽しめるライブになると思います。

取材・文：山田邦子