【インタビュー】BAND-MAID、“らしさ”と“新しさ”満載のEP『Unleash』完成「文字通り解放っていう感じの作品になった」

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■メンバー的には心機一転というような気持ちもあり

──そして6曲目が「Corallium」。SAIKIさんにとっては初めて丸ごと作詞を手掛けた記念すべき曲です。「Sense」のシングルにもカップリング収録されていましたが。

SAIKI:はい、「またここにも入れてくれてありがとう」って感じです(笑)。初めて自分ひとりで書いた歌詞でもあるので……作詞自体も楽しかったですし、日本語の難しさとかも感じさせられて。同じことを言うのにもいろんな言葉があるので、どれにしようかとか、どれだったら聴感的に気持ちいいのか、みたいなことを結構考えて。プチ気持ちいい感じを探してたので、こうして形になって良かったなというのが率直なところです。

──SAIKIさんが歌詞を書くということ自体もひとつの武器になりましたよね。甘さと激しさのコントラストも見事です。

SAIKI:ありがとうございます。この曲は私のイメージでは「Choose me」だとかああいう恋愛っぽい曲にしたいというのがあって。溺れる、というのを表現に使いたかったんですよ。愛に溺れるとか、恋に溺れるとか、あなたに溺れたいって、日本語特有の表現かなっていうのもあって。英語でも同じような言い方はしますけど、すごく日本語的だと思ったし。曲自体は構成的にアップダウンが激しいじゃないですか。そこに、この歌詞が雰囲気的にいい嵌まり方をしたかなあと思ってます。

KANAMI:メロディに対して耳ざわりのいい歌詞なので……いいですね。プチ気持ちいいっていうのがよくわかるなあと思って。このメロディにこういう歌詞が嵌まるとこういう音になるんだ、という発見が私にもあったので、こうやって変わっていくものなんだなって、面白さを感じながら作ってました。


──そして次が「influencer」。これもかなり強烈です!

KANAMI:これは結構、新しさを意識して作っていて。BAND-MAIDらしさが基盤にはあるんですけど、今後のお給仕でアクセントになる1曲になるように、というのをイメージして……作っていた次第です(笑)。

SAIKI:楽器隊の見せ場を盛り込んだ曲でもありますね。そうだよね?

KANAMI:そうです、はい(笑)。ベースソロが長めだと面白いかなあと思ったので、MISAに「ここはよろしく」って話したら、すごくイケてるベースソロを入れてくれたので、思わず感動しました。これは素晴らしいなって。

SAIKI:ベースソロが山場だよね? 盛り上がりポイント。

MISA:ホントですかぁ?

SAIKI:うん。自信持ってそう言おう(笑)。

MISA:この曲でもベースソロで手癖を出したくなかったので、フレーズはすべて鍵盤で作ったんです。そういう曲もあっていいかな、と思って。

SAIKI:いつもと違う、新しい感じだった!

MISA:うん。いつもの感じじゃないというのを、聴いてわかってもらえたら嬉しいです(笑)。この曲についてもそうなんですけど、今回は、1人ひとりがアイディアを練るための時間が結構豊富にあったかな、という印象です。

AKANE:そうだね。これは、ドラムはあんまりガチャガチャさせずに音をスッキリさせたかったので、ほぼほぼ3点を中心に叩いて、それだけで完結させるというのを意識しました。あまり箇所箇所にタム回しとかを入れたりせずに。



──それこそベースソロに絡むところなども空間が大事になってくるでしょうし。

AKANE:そうですね。そこも3点で、バスドラとスネアとシンバルだけで行く、みたいな。

MISA:シンプルでカッコいい、という曲でもありますね。

──確かにこの全8曲の中にあってシンプルさが光ります。歌詞に関しては、タイトルからしても昨今の風潮と無関係ではなさそうですが?

小鳩ミク:そうですっぽね。この歌詞は、このEPの他の曲よりも時期的に結構あとのほうで書いたんですっぽ。その時に、この曲の歌詞のテーマはどんなふうにしたらいいかなって、ちょうどSAIKIとAKANEとテレビ電話で話してたんですっぽね。そこで「どんなテーマがいいと思う?」って訊いてみたら、私がTikTokを毎日やってるんですけど、それもあってか……なんて言ってたんだっけ?

SAIKI:SNSに生きる女たち(笑)。

小鳩ミク:そうだっぽ! そう言ってたっぽ!

SAIKI:今まで小鳩にはいろんな女性像を書いてもらってきたんですね。ずっと綺麗でいたい人について書いて、とか(笑)。で、小鳩はcluppo始動からTikTokをずっと頑張ってるし、SNSにめっちゃ詳しくなったので、そういう人たちの事情もいっぱい知ってると思うし、私はあんまりわかってないから、「小鳩が思うインフルエンサーはどんな感じ? 教えて」みたいなことを言って。


──提案の投げ方が面白いです。『SNSに生きる女たち』というのは、映画か何かの邦題みたいでもありますけど。

小鳩ミク:そうですっぽね、サブタイトルみたいですっぽね(笑)。

AKANE:今の時代っぽいですよね。

SAIKI:今の時代ならではというか。特にコロナ禍でそういう人が増えたっていう印象も強かったので、書いてもらいました。

──そういう意味ではリアルな歌詞だし、リスナーの中にも「これって私のこと?」と感じたり、知っている誰かを連想したりする人がいるかもしれません。

小鳩ミク:そうですっぽね。実際、いろんなインフルエンサーの人がインタビューを受けてる記事を読んでみたり、いろいろと検索してみたりしながら「なるほどっぽ。こういうふうに考えてるんだっぽね」って分析しながら。同じ人でもTwitterとInstagramとで全然違うこと書いてたりとか、「ホントに同じ人っぽ?」と思わされたりするのも結構あったりするんですっぽ。

──じゃあ僕から次のテーマを提案してもいいですか? 『裏アカを操る女たち』というのはどうでしょう?

一同:(爆笑)
小鳩ミク:なるほど! いいですっぽね(笑)。またちょっとインタビューとか探してみようかな(笑)。

──裏アカで、ヘイトな感情を吐き出している人は多いはずですよ。

AKANE:なるほど、繋がった!(笑)

──というわけで8曲目は「HATE?」です。最後の最後に怖いタイトルの曲が収められているわけですが。確か今回の収録曲の中ではわりと早い段階で作られていた曲なんですよね?

AKANE:いちばん古い曲かも、この中では。リフをいっぱい作ってる時期があって、そんな頃にこの曲も作っていて。元々、リフ系のインストを作ろうかなと考えていて、「ここにメロディ入れてみない?」ということになって、元々あったインストのメロディについて「そのまま歌ってみていい?」と言われたので、歌ってみてもらって……。

SAIKI:そう。その形で曲に仕上げてもらいました。

──作詞はSAIKIさん。この激しい歌詞の世界は、曲調に呼ばれたものですか?

SAIKI:そうですね。曲を聴いた時期、たまたまニュースで酷い話が多かったんですよ。私自身もムカつく出来事が多かった時期で、それで素直に思ったんです。「I hate you」って。

AKANE:カッコいい。いきなり英語になった(笑)。

──しかし強烈ですよ、1行目から男に有無を言わせない感じで。「SAIKIさん、何か問題でも抱えてるのかな?」と思ったくらいです。

SAIKI:あはははは!

小鳩:でも、今思ったんですけどっぽ、最初に「Balance」で突き放して、最後もこの曲で突き放すなんて、なんだかすごいですっぽ!(笑)

──タイトルにクエスチョンマークがついているから、憎しみかどうか疑わしい感情を歌っていて、もしかしたら最後には「嫌いだけど好き」というところに落着するのかなと思っていたら……。

SAIKI:全然。最後の最後「無駄だね」って言ってますからね(笑)。でも、この歌詞はあくまで曲からのインスピレーションなんです。最初に聴いた時、「KANAMIは何かにムカついてんのかな?」みたいな印象があったんですよ。なんか、イライラしてるのかなって(笑)。

KANAMI:そんなことはないんですけど……でもなんか、「爆発!」みたいなイメージではあったので。


──それこそまさに『Unleash!!!!!』ですよね。解き放つという感じで。「Unleash!!!!!」のミュージックビデオにも出てくる黒いもやもやを吹き飛ばしたい、みたいな。そういう感覚があの曲に限らず、ここにも重なっているってことなんでしょうね。

SAIKI:はい。それはあると思います。あと、この曲もお給仕映えしそうだよね?

一同:うん!

AKANE:歌詞がこうなってくると演奏面でも同じ感情をぶつけることになってきますし、それ自体はBAND-MAIDではむしろ慣れていることなので。爆発系というか疾走感、駆け抜けていく、みたいな感じというのは。そういう意味ではレコーディングでもやりやすかったです、他の曲に比べると。どう取り組めばいいのかが最初からわかってたというか。

──こうしてお話を聞いていると、やはり今回も“らしさ”と“新しさ”満載で、ここからまたさらに音楽的に深みを増しながら広がっていくことになるんだろうな、と思わされます。そして、この作品のリリースに先駆けていよいよお給仕も再開し、10月には全米ツアーも控えています。今作の制作を経てきたことで、今後のお給仕に変化が出てくるとすればどんなところだと思いますか?

SAIKI:とにかく有観客のお給仕をずっとやってこなかったので、メンバー的には心機一転というような気持ちもありまして。どうなるかわからないけど、絶対に最高なものになることは間違いないです!

──もやもやを吐き出しましょうか、完全に。

SAIKI:はい。完全にそういうセトリになっちゃってます(笑)。

小鳩ミク:吐き出さないとやってられない、みたいな内容になってますっぽね!

取材・文◎増田勇一
写真◎青木早霞(PROGRESS-M)

■リリース情報

EP『Unleash』
2022年9月21日(水)発売
配信リンク:https://lnk.to/_unleash
「Unleash」発売記念スペシャルキャンペーン一覧:
https://bandmaid.tokyo/contents/548169

■初回生産限定盤[CD+Blu-ray]
PCCA-06153 税込¥5,900
※特殊パッケージ仕様
※ポストカード1枚、ポスター型ブックレット封入
※Blu-ray盤のみマルチチャンネル映像対応(一部デッキによっては非対応)

■初回生産限定盤[CD+DVD]
PCCA-06154 税込¥3,500
※通常仕様

■通常盤[CD ONLY]
PCCA-06155 税込¥2,500
※通常仕様

【収録内容】
[CD]全8曲収録
Unleash!!!!!
influencer
I'll
Balance
HATE?
from now on
Sense
Corallium

[Blu-ray/DVD]※初回生産限定盤のみ付属
MIKU KOBATO(G,Vo)、KANAMI(G)、MISA(B)、AKANE(Dr) Instrumental Music Video全2曲収録予定
Unleash!!!!!(Music Video)
from now on(Music Video)

予約:BAND-MAID.lnk.to/Unleash_j

※価格、収録内容共に予告なく変更となる場合がございます。

▼法人別特典
・Amazon.co.jp:アザーカットメガジャケ
・タワーレコードおよびTOWER mini全店、タワーレコードオンライン:A3クリアポスター(Type-A)
・全国HMV/HMV&BOOKS online:A3クリアポスター(Type-B)
・楽天ブックス:マグネット
※2022年9月16日(金)5:59までに予約された方には、“BAND-MAIDオリジナル配送パック”に商品を梱包してポスト投函。
※「オリジナル配送パック」は、パック資材の外装をビニールで梱包し、配送伝票はビニールに直接貼付された状態でのポスト投函となります。
・セブンネットショッピング:オリジナル巾着袋
・Neowing:A4クリアファイル(Type-A)
・ポニーキャニオンショッピングクラブ、その他法人:A4クリアファイル(Type-B)

※特典は先着で付与されます。なくなり次第終了となります。
※一部、取扱いのない店舗がございます。予約・購入時にご確認ください。
※ECサイトで予約する場合、特典付き商品を希望の方は必ず特典付きカートからご注文ください。
(一部ECサイトでは予約済み商品がキャンセル不可の場合がございます)

■ライブ情報

<BAND-MAID US TOUR 2022>
2022年
10月9日(日) SACRAMENTO, CA AFTERSHOCK FES
10月12日(水) SEATTLE, WA NEPTUNE
10月14日(金) SAN FRANCISCO, CA AUGUST HALL
10月15日(土) LOS ANGELES, CA BELASCO
10月17日(月) SAN DIEGO, CA HOUSE OF BLUES
10月19日(水) PHOENIX, AZ CRESCENT BALLROOM
10月21日(金) DALLAS, TX HOUSE OF BLUES
10月22日(土) HOUSTON, TX HOUSE OF BLUES
10月25日(火) WASHINGTON, DC THE FILLMORE
10月26日(水) PHILADELPHIA, PA TLA
10月28日(金) NEW YORK, NY IRVING PLAZA
10月29日(土) BOSTON, MA PARADISE ROCK CLUB
追加公演 10月30日(日) EAST RUTHERFORD, NJ AMERICAN DREAM
追加公演 11月1日(火) CHICAGO, IL HOUSE OF BLUES
https://bandmaid.tokyo/contents/486225

<AFTERSHOCK FESTIVAL>
開催日程:2022年10月6日(木)~10月9日(日) ※米現地時間
BAND-MAID出演日は10月9日(日)
https://aftershockfestival.com/

<BAND-MAID TOKYO GARDEN THEATER OKYUJI>
2023年1月9日(月・祝)東京ガーデンシアター
開場17時/開演18時
チケット先行販売:8月20日(土)~
https://bandmaid.tokyo/contents/534358

◆BAND-MAID オフィシャルサイト
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