【速レポ】<中津川ソーラー>DAY1、TAIJI at THE BONNET「今日から3日間、よろしく頼むぜ!」

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佐藤タイジは、晴れ男と呼ばれている。過去の<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>では、天気が崩れ気味と予報が出ていても、なぜか前日や当日になって晴天という不思議な現象を起こしてきたからだ。今回も、TAIJI at THE BONNETの出番が近づいた頃、一度雨は止み、遠くのほうに太陽の薄明りも! しかし台風の勢力も衰えることがない。

◆TAIJI at THE BONNET 画像

雨が再び降る中、RESPECT STAGEにSEと共にTAIJI at THE BONNETが登場。レスポールをかき鳴らしつつ、佐藤タイジが歌い始めたのはこの場に最もふさわしいナンバー「100% SOLAR BUDOKANの歌」。タイジの歌に気持ちを重ねるように、徐々にフレーズや音を重ねていくのは元THE COLLECTORSの阿部耕作(Dr)、the HIATUSのウエノコウジ(B)、ソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉(Key)、YOKOLOCO BANDのうつみようこ(Vo, G)。彼らの奏でるメロディやリズムなど、全てがピースフルなムードを放ち、この会場やオーディエンスを包み込んでいった。


東日本大震災が起こったまさにそのとき、偶然、新バンドのミーティングを行なっていて、結果、誕生したのがこのTAIJI at THE BONNETだ。また東日本大震災がきっかけとなり、100%ソーラーエネルギーで実現するロックコンサートを考え、実現したのが2012年の日本武道館での<THE SOLAR BUDOKAN>。そして2013年からは<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>が始まった。

全てのきっかけから今年で11年。今、「100% SOLAR BUDOKANの歌」をこの中津川で歌う佐藤タイジは、優しい表情も浮かべている。そして“太陽の力で”と歌い上げていくと、客席エリアに広がるのは、腕を上げながら笑顔のオーディエンス。幸福な光景とパワーがここには溢れていた。





軽快なロックンロールの「ROCK'N ROLL JEDI」、腰に来るグルーヴで迫る「シモキタのワル」など、メンバーの得意分野を思いっきり凝縮させたナンバーで攻めるステージ。メンバーそれぞれのプレイやボーカルに説得力もあれば、華もある。

だが、しゃべり始めると別の面をのぞかせる。佐藤タイジとうつみようこのMCのやり取りは、本人たちはまるで意識してないと思うが、ほぼ夫婦漫才のようなノリだ。“うつみ師匠”呼ばわりする佐藤タイジでもある。しかしメンバー間のコンビネーションの良さがあるから、ほぼインプロのギタープレイを佐藤タイジが弾きまくっても、キメのタイミングからエンディングまで見事な呼吸感が存在。もちろんバンド感だって高い。




それに煽られたか。中盤まではステージ袖で楽しんで観ていた御方が、「ROCK STAR WARS」では我慢できずについに飛び入り。その御方とはうじきつよしだ。片手にパーカッションのギーを持ち、軽快なステップや踊りも。曲が終わって「なんか、今、ロックの神様がいた」と嬉しそうに目撃談を語るうつみようこでもあった。

そんな楽しいハプニングもありつつ、ラストに披露したのは「ソノラ砂漠のドレッドライダー」。個性的ミュージシャン集団とも呼べるTAIJI at THE BONNETだが、曲それぞれは広い間口を持ち、飛び込んでくるフックもある。それでいてフレーズを幾層にも重ね合うように作り出すスケール感や奥行を、心地よさと共に聴かせる場面も。この「ソノラ砂漠のドレッドライダー」でも、佐藤タイジはボトルネック奏法で空や宇宙に溶けていくようなメロディとフレーズを奏でた。雨の夕暮れの中津川というシチュエーションもあって、実に幻想的で美しい。そんな光景と共にTAIJI at THE BONNETの曲を楽しむオーディエンスだった。そして曲がエンディングを迎えたとき、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>のオーガナイザーでもある佐藤タイジは、こう叫んだ。


「みんな、今日から3日間、よろしく頼むぜ!」

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎三浦麻旅子

【RESPECT STAGE】セットリスト

01. 100% SOLAR BUDOKANの歌
02. ROCK’N ROLL JEDI
03. シモキタのワル
04. Hey Hey My My
05. 完璧なハーモニー
06. ROCK STAR WARS
07. ソノラ砂漠のドレッドライダー

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

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