【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、GLIM SPANKY「みなさんのロックンロールのギアを一段階上げたい」

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亀本寛貴(G)が鳴らすギターの音がデカい。歪みもエグい。そして、それに負けないくらい松尾レミ(Vo, G)の歌声もデカい。凄みという言葉さえ思い浮かぶほど気迫に満ちていた。

◆GLIM SPANKY 画像

「初めての<中津川THE SOLAR BUDOKAN>。楽しみにしてきました。亀本も私も長野県出身だから、ほぼ地元と言ってもいいよね(笑)。たくさん来ている地元のようなところなのでうれしいです」──松尾レミ

前回、オンライン出演したGLIM SPANKYは、初めて中津川のステージに立つ歓びをそんなふうに語りながら、GLIM SPANKYのロックサイドを代表する曲を多めに、すでに書いたとおりド迫力の演奏で披露していった。この日、Revolution STAGEに立つアーティストの顔ぶれを見れば、そういう選曲になるのも大いに頷ける。





1曲目と2曲目を飾ったのは、8月にリリースした最新アルバム『Into The Time Hole』からの「シグナルはいらない」と「ドレスを切り裂いて」。ともにR&Bのグルーブを感じさせるロックナンバーだが、そういう曲を、真っ赤なフレアスカート姿の松尾がギターを持たずにハンドマイクでステージを歩きながら歌うことで、これまで以上にGLIM SPANKYのパフォーマンスに華やかさが加わった。

そこからバンドはアップテンポのロックナンバー「怒りをくれよ」、亀本がアコースティックギターを弾いたR&B調のバラード「こんな夜更けは」、シーケンスのビートも使いながらファンキーに鳴らしたロックナンバー「A Black Cat」と自分達が持つ振り幅もアピールしていく。



「タイジさんと出会ったのは、すげえ昔。デビューしたての頃、年末のラジオ番組でアコースティックギターのセッションをやったんだけど、タイジさんのグルーヴに圧倒された。あんまり圧倒されることがない僕がコワッと思った」──亀本寛貴

<中津川THE SOLAR BUDOKAN>オーガナイザー、佐藤タイジとの出会いを振り返った亀本は、「今回初めて中津川に来ることができました。タイジさんのメッセージ、オーラが反映されている」とフェスの印象を語ると、「みなさんに楽しんでもらえるように、みなさんのロックンロールのギアを一段階上げたいと思います!」と宣言。その意気込みどおり、後半戦はギター2本のアンサンブルをダイナミックに聴かせる「愚か者たち」「NEXT ONE」をたたみかけ、観客をさらに盛り上げていった。亀本がアーミングでフレーズを泣かせた「NEXT ONE」のギターソロに観客が沸いたことは言うまでもない。



「いい空気のフェスですね。(観客に)何回目? リピーター多数ですね。また出たい。がんばって、さらにカッコよくなって戻ってきたいです」──亀本寛貴

きっとこれからGLIM SPANKYの熱演を、中津川で何度も見られるに違いない。

「誰に何を言われようと、好きなものを好きと言い続けて、瞳をキラキラさせながら歳をとっていきたい。そういう思いを込めて、学生の時に作った曲です」(松尾)とフォークロック調のバラード「大人になったら」を、その時の気持ちは今も変わっていないという思いを込めながら演奏すると、アンセミックなドラムが鳴り響き、観客が手を打ち鳴らしはじめる。




ラストナンバーは壮大なんて言葉も思い浮かぶサイケデリックナンバー「Circle Of Time」。気迫に満ちた松尾の歌もさることながら、その裏でずっとリードフレーズを鳴らしつづけている亀本のギタープレイがロックギターの醍醐味を存分に味わわせてくれたのだった。

取材・文◎山口智男
撮影◎三浦麻旅子

【REVOLUTION STAGE】セットリスト

1. シグナルはいらない
2. ドレスを切り裂いて
3. 怒りをくれよ
4. こんな夜更けは
5. A Black Cat
6. 愚か者たち
7. NEXT ONE
8. 大人になったら
9. Circle Of Time

■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>

日程:2022年9月23日(金・祝) 、24日(土)、25日(日)
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ

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