【速レポ】<中津川ソーラー>DAY2、2日目のトリは布袋寅泰「今日は太陽をまとってきました」

「ハロー! ソーラーブドーカン! 会いたかったぜ!」──アーティスト活動40周年を迎えてもなお夢を追い続ける布袋寅泰(Vo, G)が<中津川THE SOLAR BUDOKAN>に降臨。Revolution STAGE 2日目のトリを飾って、同フェスの歴史に残る新たな伝説を作った。
◆布袋寅泰 画像
逸る気持ちをおさえきれず、本番が始まる3分前に手拍子を始めた観客の期待に応えるように定刻の2分前にバンドのメンバー達がオンステージする。そして、主役のオンステージを待たずに演奏をスタートさせると、ギターを手にした布袋が悠々とステージに現れ、しなやかに体を動かしながら華麗なソロを弾き始めた。
1曲目は「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」。映画『新・仁義なき戦い』や『キル・ビル』のメインテーマとしてお馴染みのインストナンバーだ。そこからバンドのメンバー達が「Let’s go!」と声を上げ、陽気なロックンロール「バンビーナ」になだれこむと、それまで手拍子していた観客達が狂喜しながらジャンプ。ダックウォークしながら、布袋がロカビリー調のソロを決め、メンバー達が“Baby Baby Baby Baby Baby Baby Baby”と歌いながら繋げたのが「スリル」なのだから堪らない。因みに演奏のみならず、シンガロングやコーラスでもバックアップするメンバー達は、古田たかし(Dr)、井上富雄(B)、黒田晃年(G)、岸利至(Programming)、庵原良司(Sax)という名うてのプレイヤーばかりだ。“俺のすべてはおまえのものさ”という「スリル」の歌詞を、“俺のすべては中津川のものさ!”と即興で変える布袋のしゃれっけが心憎い。

そして、そこにたたみかけるように披露したのがCOMPLEXの「BE MY BABY」。観客の盛り上がりが一際大きなものになったタイミングで、きっと誰もが気づいたんじゃないか。今日のセットリストは、40年のキャリアから選んだオールタイムベスト的なものになるに違いない、と。
そんな予想を確かなものにしたのが、ファンキーなカッティングを閃かせたBOØWYの「BAD FEELING」と、布袋による「歌いたくなるような曲ばかりを用意しました。まだ声を出すことはできないけど、代わりにバンドが歌うから、腰を揺らして、体を解放して、ロックンロールで元気になってほしいと思います!」という言葉だった。
「3年ぶりの有観客での開催。昨日は残念ながら雨が降りましたけど、雨は雨でロックンロール。今日は太陽をまとってきました」とオレンジ色のコートを着ている布袋が笑う。

中盤はウエストコーストを連想させる哀愁をロックンロールに落とし込んだ「さらば青春の光」に加え、2月にリリースした最新アルバム『Still Dreamin’』から選曲した「コキア」「ヒトコト」というバラードを、曲に込めた思いを語りながらじっくりと聴かせ、熱狂とは一味違う一体感を作り上げる。
そこから一転、ラストスパートを掛けるように「Marionette」から「POISON」をたたみかけると、ステップを踏みながらエネルギッシュにステージを左右に動き回る熱演で本編は終了。この日、布袋が演奏した代表曲の数々は、ここに集まった1人1人の観客の、どんな記憶を蘇らせ、明日からの人生に繋がる希望を与えたのだろうか? ふとそんなことを考えていたら、誰もいないステージにアンプが運ばれてきた。これは⁉と考えるもなく、布袋がバンドメンバーを従え、再びオンステージする。

「俺達の2022年の夏の最後のライブは、みんなのおかげで最高のライブになりました。音楽のパワーを糧に明日からがんばってほしいと思います。せっかくですからこのステージで1つ夢を叶えたいと思います。<中津川THE SOLAR BUDOKAN>で愛されつづけているバンド、10-FEETのTAKUMA君!」──布袋寅泰
布袋に紹介され、TAKUMAが布袋柄のエクスプローラーを抱えてオンステージ。サプライズゲストの登場に観客達が色めき立つ。
「25年間、10-FEETをやってきて、今日ほどメンバーが僕のことを応援してくれたことはありません! ほんまにうれしいです。中学生の頃、ゲームばかりやっていた俺に見せたい!」──TAKUMA

TAKUMAを迎えた布袋とバンドが演奏したのは、「Dreamin’」。歌のみならず、ギターソロもリレーバトルする布袋とTAKUMAの共演に観客が狂喜乱舞! 演奏を終え、ハグする2人に観客の拍手がいつまでも鳴りやまない。ギターを弾きながら、布袋の真似をして、左膝を高く上げるTAKUMAはロックキッズそのものだった。

こんな夢のような共演が実現してしまうのが<中津川THE SOLAR BUDOKAN>の凄さ。きっと少なくない観客が来年も再来年も、いや、その先もずっと足を運びたいと思ったに違いない。
取材・文◎山口智男
撮影◎三浦麻旅子
【REVOLUTION STAGE】セットリスト
02. バンビーナ
03. スリル
04. BE MY BABY
05. BAD FEELING
06. さらば青春の光
07. コキア
08. ヒトコト
09. Marionette
10. POISON
encore
11. Dreamin’ with TAKUMA
■<中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022>
会場:岐阜県中津川公園内特設ステージ
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