【速レポ】＜中津川ソーラー＞DAY3、ComplianS (佐藤タイジ & KenKen)「もっといい方向へ。平和を願っております」

2022.9.25 17:39

RESPECT STAGEへ歩いて向かうとステージの方向から雄叫びのような声が聴こえてくる。サウンドチェックから好調ぶりをアピールしてくれたのが、THEATRE BROOKのフロントマンにして＜中津川THE SOLAR BUDOKAN＞のオーガナイザーであり様々な顔を持つロックスター佐藤タイジ(Vo/G)と、稀代のベースヒーローKenKen(Vo/B/Per)が手を組んで2020年から始動させたファンクデュオComplianSだ。

◆ComplianS 画像

ここにきて活動が本格化しており、＜中津川THE SOLAR BUDOKAN 2022＞の日程に合わせるように1stアルバム『GLOBAL COMPLIANCE』の先行配信リリースもスタートしたばかり。＜中津川ソーラー＞会場内ではCD会場販売＆サイン会も実施されているだけに、そりゃオーディエンスの期待も高まるというもの。ファンキーなSEが鳴った瞬間からオーディエンスはもう出来上がってる様子だ。

「みんなの手拍子が我々のドラムですから」というKenKenが投げかければ、青空と芝生が広がるエリアに響くハンドクラップ。最高のムードの中で、まずは挨拶代わりに「Galaxy Module」を鳴らしていく。2人は笑顔で音のやり取りを繰り広げ、基本的にはベースとアコギと歌だけなのにグルーヴ感が凄まじい。グイグイと会場を引っ張っていってくれるのだ。

そのまま次の曲へ、というタイミングだが、ステージ上に大きな蜂がいたようで、虫が苦手なKenKenが逃げ回るひと幕も。そんなことすら笑って受け入れられる＜中津川THE SOLAR BUDOKAN＞らしい光景でもあった。

KenKenがデジタルパーカッションに持ち替えて始まった「Behind The Mask」は、タイジが奏でるソロの音色が強烈。エレキよりもエレキらしい音をアコギで炸裂させる。また、「友達がいないわけでもないんです」とKenKenがセネガル出身のパーカッション奏者オマール・ゲンデファルをスペシャルゲストとして呼び込んだ。「ニューアルバム『GLOBAL COMPLIANCE』からお祭りの曲」だという「Zomeke」が3人編成で奏でられると、オマールのパーカッションの鳴りも良く、幼き頃に足を運んだ祭りの原体験を思い出すようなインパクトがある。オーディエンスも手を挙げて踊り続け、祭りの一員となっていくようだ。

そして、もうひとりのスペシャルゲストとしてシンガーソングライターのHanah Springが登場して、ここからはComplianSが4人編成に。『GLOBAL COMPLIANCE』のレコーディングにも参加したHanahは、タイジとKenKenの2人に負けない歌声が素晴らしい。それがスパイスとして加わると彩り豊かになり、楽曲がより広がりを持って響くのだ。

ド頭からのアガるリフを土台にして、タイトルにもなっているパワーワードを連呼する「Party People」、「ゆったりめがいいな」とタイジとKenKenが波長を合わせた「Funky Messiah」はComplianSのスタンスが投影されたような歌詞も印象的。踊れるナンバーが続いた後、リラックスした空気でKenKenが話した内容は、改めて胸に響くものだった。

「商業的なフェスが増えてますけど、この“太陽光だけでやる”という目標を持ったフェスというのはですね、物凄く大事だと思います。ちゃんと理由があるフェスがどんどん増やしていくべきだと思う。みんなでもっといい方向へ向かえばいいなと。平和を願っております」──KenKen

「みんな、ちゃんとしたことを言ってくれるから、オレがいちばんちゃんとしてない感じになりそう（笑）」──佐藤タイジ

とタイジがおどけつつ、「オレはギターソロが弾きたくて、みんなに踊って欲しくて音楽をやってるんだ」と語り、ラストナンバー「I Would Die 4U」を投下。ステージ上は互いに気を遣う素振りなど一切ないが、それぞれの持ち味を発揮しながら自然と絡み合い生まれるグルーヴィーなサウンドが渦を巻く。そして＜中津川THE SOLAR BUDOKAN＞のためなら、と溢れる情熱で歌い上げ、ありったけの愛をぶつけるタイジ。客席には老若男女を擁する大型傀儡師集団GIANT STEPSによる大きなあやつり人形も練り歩き、踊りまくる。ComplianSが連れて行ってくれた先は徹頭徹尾、愛と幸せに満たされた空間だった。