【インタビュー】Toshl、カバーアルバム第三弾に青春の1ページ「30年越しの作品化…募る思いがあります」

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圧倒的な歌唱力と表現力で名曲の数々を彩るToshlの『IM A SINGER』シリーズの最新作が登場する。前作から3年ぶりのリリースとなる『IM A SINGER VOL.3』だ。

◆Toshl 画像 / 動画

2曲のオリジナル作品に加え、結果的にカバー作品はすべて女性シンガーの楽曲となった『IM A SINGER VOL.3』だが、そこには昭和の名曲からディズニー作品、ミュージカルの世界からポップス~ロック、そしてゴスペルの魅力あふれる洋楽カバーまで、唯一無二のToshlの歌声が存分に堪能できる濃密な1枚となった。

全11曲、一瞬たりとも聞き逃すことのできないToshlの息遣いは、聴く人へ親密な心の高まりと心躍る感動の波を押し寄せることだろう。

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■やっぱり僕はディズニー音楽に
■とても影響を受けているんです

──Toshlの歌声が存分に堪能できる作品となりましたが、Toshlにとって“聴いて気持ちいい曲”と“歌って気持ちの良い曲”には違いはあるのですか?

Toshl:わりと普段聴いている曲はインストルメンタルが多いんですよ。練習やレコーディングで取り組む以外は、朝コーヒーを飲んでいる時やワンちゃんの散歩に行っている時とか、わりとリラックスしたときに音楽を聴くことが多いので、歌が入っていないとか、入っていてもEnyaだったり、そういう落ち着いた曲ですね。心地よくリラックスするとか気持ちが楽になるとか、そういう雰囲気の音楽を聴くことが多いので、歌うときとの姿勢は違うような気がしますね。


──シンガーとして分析めいた聴き方は、あえて避けているのでしょうか。

Toshl:例えばアルバム制作が決まったとか、アルバムの楽曲を選考していこうとか、TVの音楽番組で楽曲を歌おうとかいった歌う目的がある時には、それに対してものすごく聴き込んだり練習をしたり、楽曲と向かい合うことをしていくんですけれども、普段はあえてあまり聴かないようにしているかもしれないですね。

──やっぱりそういう側面があるんですね。

Toshl:映画とか観ても音楽を聴いても“あーここのアレンジが”とか“この絵面が”…と、どうしてもアーティスト的というかミュージシャンとして聴いてしまうので、新鮮味というかただ楽しむリスナーとして聴くことがなかなか難しくなってくるんですよね。なので、仕事として向かい合うとき以外はなるべく聴かない/観ないっていう心持ちにしているんです。


──『IM A SINGER VOL.3』の11曲は、歌いたい歌を選曲しているんですよね?

Toshl:はい、そうです。

──歌いたい曲や歌って気持ちがいい曲というのはどんな曲だと、自分で分析しますか?

Toshl:アルバム制作がコロナ禍のために延び延びになっていたんですけど、今回のディズニー作品は、いよいよ制作スタートしようとなった最初に、僕からレコード会社に「ディズニーとコラボレーションできませんか?」と提案したものなんです。

──“ディズニー好き”ということですか?

Toshl:子供の頃からたくさんのディズニー映画を観てきたり、ディズニーの音楽を聴いたり、ここ数年では、コンサートや音楽番組でディズニー楽曲を歌わさせていただいてきました。やっぱり僕はディズニー音楽にはとても影響を受けているんですよね。すごく感銘を受けてきた音楽や映像でもあります。それを歌わせてもらえるなら幸せなことだなと思って、ダメもとで「どうですか?」と打診させていただいたんです。これまでも音楽番組等でディズニーさんとコラボレーションはしてきましたが、音源化にもすぐに快諾をいただけたので、僕とディズニーと『題名のない音楽会』(テレビ朝日)にもご協力いただき、三者のコラボレーションになったというわけです。


──実際、曲のセレクトはどのように?

Toshl:曲を選ぶ時に、まず「美女と野獣」は絶対に外せないと。これはディズニーの中では一番思い入れの深い曲なんです。20代前半で音楽制作のためにロサンゼルスで生活するようになったんですが、心身が非常に疲弊してしまい困難な日々だった時に『美女と野獣』のミュージカルを観にいったんですね。とても感動をして、その帰りには当時ハリウッドにあったタワーレコードでサントラ盤を買って。『美女と野獣』というミュージカルや音楽が僕にとっては支えでもあった。青春の1ページというか、一生懸命にいろんなことにトライしていたあの頃の思い出のひとつでもある。いろんな作品でいろんなプリンセスがいますけど、ベルは僕にとって一番の憧れの女性です。

──今作でレコーディングする以前に、30年も前から口ずさんでいた作品だったんですね。

Toshl:サントラ盤はもう何度聴いたかわからないくらい。この英語を理解できるようになりたいと、勉強の教材にもしていました。30年越しの作品化…募る思いがありますね。

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