【コラム】どこまで広がりを持つのか、chilldspot

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結成から3年、メンバー全員が2002年生まれ。ということは、今後の活躍が期待されるバンドだと感じるのが一般的だろう。

もちろん、それも決して間違いではないのだが、感情の機微が投影された歌声、大きい枠組ではJ-POPにも括れるのだが、ロック、ジャズ、R&B、ソウルのエッセンスがふんだんに織り込まれた高い音楽センスを武器に現時点ですでに驚くほどの躍進を遂げ、「Honda VEZEL e:HEV」やブルボン「アルフォート ミニチョコレート」のCMソングとしても起用されているのがchilldspotだ。

簡単にプロフィールを紹介しよう。chilldspotは比喩根(Vo,G)、玲山(G)、小崎(B)、ジャスティン(Dr)からなる4ピースバンド。もともと弾き語りをしていた比喩根を中心にそれぞれが異なるルーツを持つメンバーで結成され、活動開始からわずか1年、高校在学中に発表した1st EP『the youth night』が一躍話題となる。



現時点から振り返ってみれば、比喩根が弾き語りでまとめたアイデアをバンドで広げるという制作手法からか、少し内向きでパーソナルな雰囲気も漂うが、“これはモノが違う”という予感がビシビシする出来栄えだった。ミュージックビデオの再生回数がもうすぐ100万回に迫ろうとしている代表曲「ネオンを消して」も収録されている。



その後も新曲をハイペースで発表し続け、よりフレキシブルな活動を展開しながら2021年9月には1stアルバム『ingredients』をリリース。この年はSpotify「RADER:Eary Noise 2021」やYouTube Music「Foundry 2021」にも選出され、10月に行った初ワンマンのみならず、11月の追加公演も即完。注目度の高さがありありと伝わってきた。

そして、今年に入ってからのより活躍は目覚ましく、2nd EP『around dusk』にフォーカスしたワンマンを東京と大阪で行い、夏には各地のフェスを席巻。<SUMMER SONIC>をはじめとして、<LOCAL GREEN FESTIVAL>、<JOIN ALIVE>、<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>等でその実力を見せつけてくれた。

実際、<JOIN ALIVE><中津川 THE SOLAR BUDOKAN>でライヴを観てきたが、そのパフォーマンスは堂々たるモノ。慣れていないであろう野外というシチュエーションでもさほど緊張しているようには見えず、思いっきり歌い、楽しそうにプレイしていた。

印象的なポイントを挙げるとするならば、キャラクターの違う曲が連続してもスイッチをバチッと切り替えるような感じがしなく、ナチュラルに移行しているところ。比喩根のソングライティング力の高さがありつつも、曲に織り込まれた様々なエッセンスをしっかりと自分たちの色にしているからこそ、あの統一感が生まれるのだろう。

また、玲山はかなり自由にギターを引き倒すのだが、ソロをキッカケにしてその熱がメンバーに伝わり、バンド全体のグルーヴがより増大していく瞬間がいくつもあった。しかも、この曲のここで、といった決まりきったポイントではなく、この2つのライヴでもバラバラ。ジャズの即興演奏的アプローチとでも言おうか、そのときの感情とイマジネーションが反映されるライヴの為、それぞれ違う後味があったことも触れておきたい。



そんなchilldspotの充実ぶりがひとつの形となったのが、リリースされたばかりの3rd EP『Titles』だ。恋愛をテーマとした曲が多く、打ちひしがれながら、諦めようとしながらもそうは踏み切れず、しっかりと前を見据えようとする比喩根らしい歌詞が綴られているが、サウンドとしてはここにきてまた進化を遂げている。UKロック、オルタナティブロック、グランジといったさまざまな要素が反映されており、「BYE BYE」は爽快なポップチューンとして仕上がっている。むしろ、パブリックイメージとして強いR&B的ニュアンスは「shower」のみ。だからと言って路線変更した感はまったくなく、あくまでchilldspotの音。どこまで広がりを持つのか、末恐ろしい。




冒頭でも少し触れたが、chilldspotは楽曲のクオリティの高さからタイアップのオファーも多く、新作では「BYE BYE」が「Honda VEZEL e:HEV」の、「Sailing day」がブルボン「アルフォートミニチョコレート」のCMソングとして起用され、「Like?」がテレビ朝日系『あざとくて何が悪いの?』番組内連続ドラマ第6弾主題歌として決定。




加えて、「Like?」はユナイテッドアローズが展開するブランドCITENが制作したスペシャルムービーでchilldspotと福岡在住のダンサー・yurinasiaが夫妻で率いるダンススポット・jABBKLABがコラボレーションする際の楽曲としてピックアップされている。YouTubeにて公開されているので、創造性豊かでスタリッシュなダンスと共に鳴る「Like?」にも是非とも触れて欲しい。





現在、chilldspotは9月23日の名古屋CLUB QUATTROを皮切りにした初となる全国ツアー<Road Movie>の真っ最中。きっとこの旅の中、いろんな経験をするはずだ。もしかしたら、嬉しいことだけじゃなく、トラブルめいたこともあるかもしれない。だが、歌詞の世界観のように前を向き、そんなことすらも取り込んで表現の糧にしていく。決まりきったことを提示するのではなく、その瞬間の感情を投影して、その瞬間にしか描けないライヴをする。どこを切り取ってもクライマックスのような旅になるに違いない。

文◎ヤコウリュウジ

リリース情報

3rd EP『Titles』
2022年9月14日(水)発売
■初回限定盤(CD+Blu-ray) / PCCA.06156 / 3,080円(税込)
■通常盤(CD Only) / PCCA.06157 / 1,650円(税込)
https://lnk.to/titles
[CD収録内容]※全5曲収録
1. Like?
2. Ivy
3. shower
4. Sailing day ※ブルボン「アルフォートミニチョコレート」CMソング
5. BYE BYE ※Honda VEZEL e:HEV CMソング

[Blu-ray収録内容] ※『One man live”around dusk”』in 恵比寿LIQUIDROOMより収録
1. Weekender
2. 夜更かし
3. ネオンを消して
4. Kiss me before I rise
5. Monster
6. dinner
7. Groovynight
8. your trip

[予約購入先着特典]
・chilldspot応援店:スマホサイズ・ステッカー(応援店Ver.)
・タワーレコード:スマホサイズ・ステッカー(タワーレコードVer.)
・Amazon.co.jp:メガジャケ
・楽天ブックス:缶バッチ
・セブンネット:アクリルバッチ

ツアー情報

<One man tour "Road Movie”>
2022年
9月23日(金・祝)名古屋 CLUB QUATTRO
10月1日(土)福岡 BEAT STATION
10月7日(金)札幌 mole
10月16日(日)仙台 Darwin
10月23日(日)心斎橋 BIGCAT
10月26日(水)Zepp DiverCity

チケット
整理番号付・全自由:4,500円(税込)ドリンク代別途必要 ※東京公演:全自由
URL:https://w.pia.jp/t/chilldspot-rm/

◆chilldspot オフィシャルサイト
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