【インタビュー】Deep Sea Diving Club、「Left Alone feat. 土岐麻子」で掴んだ“シティポップ”を名乗る自信

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■メンバー内でグルーヴの話をすると喧嘩になります(笑)

── 7月に配信リリースした「フーリッシュサマー」は、初の東京レコーディングだったんですよね?

谷:はい。レコーディングの部屋が広くて、みんなのテンションが上がっていました(笑)。あと、機材をいろいろ選べたので、特に楽器隊の3人は子供に戻ったみたいに喜んでいましたね。環境が良くなったのは、サウンド面に対して大きかったと思います。自分は機材とかメカとか、あんまりテンションが上がらないタイプなんですけど。

── 出原さん、鳥飼さん、大井さんは機材が大好きなんですか?

谷:はい。出原はレコーディングの時にマイクの角度などをエンジニアさんとじっくり相談していましたし、みんなそういうのが好きなんです。

── 谷さんが使っているギターはどこのメーカーですか?

谷:ゴダンです。あれはピエゾピックアップが付いているので、アコギっぽい音も出るんです。本当はセミアコが欲しかったんですけど、今使っているのはパフォーマンスがすごく良いです。あと、他の人と被らないところも気に入っています。

── 誰とも被らないのは、ポイントが高いですよね。

谷:そうなんです。でも、この前パーツを1個失くしてしまって、カナダからの取り寄せになりました。それがなかなか大変なところです(笑)。



── (笑)。これまでに様々なアーティストをフィーチャリングで招いてきましたよね? 「フラッシュバック’82 feat. Rin音」「SUNSET CHEEKS feat. Michael Kaneko」「Just Dance feat. kiki vivi lily」がリリースされていますが、これはどういう経緯だったんですか?




谷:コロナ禍が始まってライブができなくなったので、「制作に力を入れよう」ということで会議をしたんですけど、その時にインスタを見たらRin音くんが「一緒に誰か曲を作ろうよ」と、すごくフランクなストーリーを上げていたんです。チームのみんなは恐る恐るの感じで「コラボはどうなの? 嫌ですか?」って訊いてきて、僕らとしては「もちろんいいですよ!」という気持ちでした。

── 何気ないきっかけだったんですね。

谷:はい。きっかけをいただいたRin音くんのおかげで、その後もコラボをやってみることになりました。他のアーティストさんと曲を作るのは、本当に勉強になるんですよね。

── 曲の作り方、発想の広げ方とか、アーティスト毎にまちまちですよね?

谷:そうなんです。初期はセッションで曲を作っていたんですけど、どこか限界を感じていて。でも、Rin音くんとのコラボの時に、データでのやり取りに触れて「これだ!」と。そこからみんなパソコンで曲を作り始めたんです。

── DTM歴は、意外と浅いんですね。

谷:はい。出原はずっとやっていたんですけど、他の3人がDTMを始めたのはそこからです。俺なんか、その時に初めてパソコンを買ったくらいなので。DTMは楽しいですし、いろんな制限が取り払われる感覚があります。自分たちのアイディアを広げてくれるツールだと感じていますね。

── DTMのメリットは、サウンドをデスクトップ上で目視して捉えられる面もありますよね? 例えば「この位置でスネアが鳴ってるからこのノリになる」とかわかりますから。

谷:それはDTMならではですね。あと、他のメンバーのパートがどういう役割を果たしているのかが明確化されたのが、ウチのバンドではすごく大きかったです。自分で作ってみて、どれだけ他のメンバーにいろいろ任せていたのかがよくわかったので。

── 「DTMは、グルーヴを科学的に解明できる」というような言い方をすることもありますよね。

谷:はい。でも、ウチのメンバー内でグルーヴの話をしだすと喧嘩になります(笑)。

── (笑)。バンドマン同士でのグルーヴの話は、喧嘩の火種の定番です。

谷:ウチのバンド内でも派閥が分かれているので(笑)。「グルーヴとは何か?」って、捉え方が人それぞれですからね。でも、DTMはすごくプラスに働いています。やっぱり、それぞれが何をやっているのかがわかるようになったのは大きいです。それによって意見を言いやすくなったんですよね。前までは「いい感じにして」っていう漠然としたことしか言えなかったので。



── そういう吸収もしながら、活躍の場を広げていますね。今年の7月に配信した「フーリッシュサマー」のMVも大好評でしたけど、あの時のスタイリストは元[Alexandros]の庄村聡泰さんだったんですか?

谷:はい。今回の「Left Alone」のMVでもお願いしています。バンド名が[Champagne]だった頃によくライブに行っていたので、「聡泰さんが隣にいる!」って、時々、不思議な気持ちになるんですけど。

── 「フーリッシュサマー」のMVは出演している新田さちかさんがとても素敵ですし、ラムネを飲みたくなる映像ですね。

谷:ラムネ、飲みたくなりますよね(笑)。夏が好きなので、夏っぽい曲ができたのが嬉しいです。


── Deep Sea Diving Clubの曲は、全体的に夏の雰囲気がありますよね?

谷:鳥飼さんは肌が弱いので夏は全然外に出ないんですけど(笑)。でも、俺は夏が好きなんです。だから夏っぽい感じが出るのかなと思います。あと、大井のカッティングとか、ギターのサウンドにも海辺っぽいものがあるのかもしれないです。

── バンド名も夏感がありますからね。

谷:誰もダイビングの免許を持っていないのに(笑)。偶然見つけたステッカーからつけたバンド名なんですよ。でも、バンド名に引っ張られてバンドの色が決まっていっているところがあるのが面白いです。こんなに夏の曲を作るようになるとは、メンバーは誰も予測していなかったと思います。

── 今後、思ってもみなかった方面から、海に関するお仕事が来る可能性もありますよ。

谷:たまにインスタグラムとかでダイビングをしている人からのフォローが来るんです(笑)。そういうのも面白いんですよね。

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