iri、初の東京国際フォーラムワンマン公演で初披露した未発表曲「friends」の一部を公開

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シンガーソングライターのiriが10月13日(木)に東京国際フォーラム ホールAにて、ワンマンライブ<iri Presents ONEMANSHOW "STARLIGHTS">を行った。

2月23日に5作目のアルバム『neon』をリリースした後、5月から6月にかけて全国8か所を回る全国ライブツアーを開催。その後も各地のフェスや対バンで精力的にライブパフォーマンスを披露してきたiriが、今回、自身最大規模となるステージに立った。

ライブでは、Prime Videoで独占配信中のAmazon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』主題歌に起用されている新曲「染」が初歌唱される他、未発表の最新曲「friends」をアンコール後にサプライズで初披露し、ファンを驚かすなど盛りだくさんの内容に。また本日、ライブで披露した「friends」の映像の一部がYouTubeに公開された。



また、本公演のオフィシャルライブレポートを以下に掲載する。

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エレクトリックピアノの重厚な音色に導かれ、口火を切ったオープニングナンバーは「Corner」。キーボードの村岡夏彦をはじめ、ベースの村田シゲ、シンセサイザー/マニュピレーターのジョージ(MOP of HEAD)、ドラムの山下サトシ(MOP of HEAD)という常連サポートメンバーに加え、今夏以降、セッションを重ねてきたというギターのTAIKING(Suchmos)が参加。5人が紡ぐグルーヴと共にクールに抑制されたiriの歌声が徐々に回転数を上げ、ドライブ感を増していった。「For life」から「渦」、「Coaster」から「ナイトグルーヴ」と、シームレスにダンストラックが披露された前半は、歌とラップを自在に行き来しながら、内面の移ろいを投影したアルバム『neon』の世界から再び外に飛び出していくようなモードの変化を強く印象づけた。

自分が立つステージが信じられないと言わんばかりに、MCでは「ちょっとみんな聞いてよ。フォーラムなんだって。びっくりなんですけど」と語った彼女は、自らのペースを改めて確認するように「Rhythm」で中盤セクションをスタート。アフロビートを敷いた「Waver」からAmzon Originalドラマ『モアザンワーズ/More Than Words』主題歌に起用された9月配信リリースの新曲「染」、そして代表曲の「会いたいわ」へ。2曲続いたバラードナンバーは、TAIKINGのギターが加わったことで、ダイナミズムとスケール感を増したバンドのエモーショナルなグルーヴも相まって、曲に込められた感情の豊かさや強さを浮き彫りにした。





MCでは躍動感が際立つこの日のパフォーマンスについて、「前回のツアーは落ち着いた曲が多かったので、今回のライブは踊れるセットリストにしたかったんです」と語ると、後半は再びダンスナンバーが目白押し。バンドは小気味いいギターのカッティングとラップが絡み合う「半端じゃない」とシンセサイザーが瞬く「Clear color」を繋ぎ、都会的ダンストラックが疾走する「摩天楼」、そしてリズム隊のジャムから「Sparkle」のスリリングな楽曲世界へ。さらに客席のハンドクラップを呼び水に、ゴスペルの高揚感をたたえた「24-25」、6月に配信リリースされた新曲「STARLIGHT」を披露。新機軸となる80'sマナーの軽快なシンセポップサウンドと共にポジティブなメッセージを届けると、ヒップホップ・ヴァイブのもと、会場が一体となった代表曲「Wonderland」で本編を締めくくった。



これまでリリースした数々の作品からパッションあふれる曲ばかりを抽出したライブ本編は、クリエイティブなエネルギーに満ちた現在のiriそのもの。「ノンストップで新曲を作り続けてます」と語ったアンコールでは、友人に向けて書いたという更なる新曲「friends」を一足先に初披露。ビヨンセの最新アルバムと共鳴するかのような90'sハウスのエッセンスを織り込んだサウンドは、彼女の未来を予告しているようにも感じられた。アンコールのラストで、自らギターを手にし、TAIKINGと二人で紡いだ「はじまりの日」のその先で、iriの音楽は新たな表現を切り拓きつつある。



文:小野田雄
撮影:上飯坂一

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